長州岩国で、歴史を思う

 土曜日は朝から新幹線で、山口県の新岩国駅へ。

 大阪工業技術専門学校、校友会の中国支部総会に呼んで貰いました。1時間ほどで何か話をして欲しいという事。

 岩国と言えばやはり錦帯橋です。

 会場のホテルもすぐ近くで、見に行って来ました。

 5連の反り橋は、日本三名橋に数えられます。

 蛇行する錦川は山城である岩国城の堀の役割も果たします。

 この川幅200mの錦川に掛けられた木造の橋が錦帯橋。初代岩国藩主・吉川広家が完成させました。300年前の技術の粋を集めたものなのです。

 「おはん」で有名な作家・宇野千代もこの地の出身。昭和の女流作家のさきがけと言えます。

 生家が復元されていました。

 初めは通り過ぎるつもりでしたが、塀越しの紅葉に誘われ立ち寄ってきました。

 今年の紅葉は美しいという話ですが、間違いなさそうです。

 紅葉は赤きをよしとするものですが、淡い赤になる種が数本植わっていました。

 これが非常に上品な色づき加減で、大変美しい庭でした。

 一番楽しみにしていたのが「岩国徴古館(ちょうこかん)」。

 佐藤武夫の設計で1945年(昭和20年)3月に竣工しています。

 戦時下の傑作と言われて、そのサイドストーリーがなかなか興味深いもの。

 鉄が貴重だった為、鉄筋でなく「竹筋」の入った、竹筋コンクリート造という話があるのです。

 内部の柱も独特のフォルム。

 竹が入っているからこうなるのか、戦時下で、自分の意思を通したものなのか……

 やはり建築は条件が厳しければ厳しい程、傑作が生まれるものなのか……

 講演は問題なく終わりました。

 その日は岩国駅前のホテルに泊まり、帰りは山陽本線で、広島まで移動する事にしました。

 瀬戸内を望む鈍行の旅。なんとも贅沢な時間、と思っていたら高校生の集団が乗車してきました。

 修学旅行でしょうか。

 山陽の言葉の通り、このあたりは山に日の当たる地です。とても明るいイメージを受けました。

 明治維新は、薩摩、長州、土佐、肥後などの地域の藩が中央の政権を倒したものです。

 日本の近代化は、地域の力によって実現されたものなのです。

 革命は小より起こる。さて、この年末「小」は日本を変えれるのか。

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■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました

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