聞くは一生の損

 聞くは一生の損

 宮本哲也著「強育論」の中にあった言葉です。

 聞くべきことの例として、喪服のネクタイの色とありました。

 なるほど、これは年長者に教えて貰わないと、解りようがありません。

 聞かないほうが良い事は、算数の答えの出し方、とあります。

 解き方を教えるのでなく、考え続けることによってのみ人は成長出来ると、知って貰うことに尽きるという考えです。

 「どうやって勉強していいのかわかりません」は「どうやって生きていけばいいのかわかりません」に等しい、とも。

 私もそう思いますが、なかなかに刺激的な言葉が並びます。

 初版が2004年となっていたので、著者はすでにかなり露出しているのかもしれません。彼は中学受験をする塾の算数の先生です。

 申し込み順で入塾できるようですが、有名私学への高い合格率を誇っています。その核心にあるのが、初めにあった考え方です。

 思い当たる節もあります。私は25歳で事務所を設立しました。

 望んでではありませんが、28歳までは、全く一人の事務所で、誰と相談する事も出来ませんでした。

 全ての判断において、よりどころは自分だけ。不安で不安でしかたなかったのですが、何とかかんとか生きていたのです。

 反面、基本を勉強する時間が短かった為、建築家の下で、しっかり修行してきた人には、知識で劣る部分がある事も感じていました。

 しかし、更にラッキーだったと思うのが、ぎりぎりwebが無かったことです。(あったのでしょうが、当事務所の導入は2002年でした)もしあったなら、自分で考えるより、答えを多数決に求めていたと思うのです。

 知るも一生の損となる可能性もありますし、悩む喜び、不安に

 なる喜びだってあるかもしれません。

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■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました
【Events】
■12月5日(水)ハービスPLAZA(大阪)4階 12:00~15:00
大阪府建築士会『住まいの設計相談会』に相談員として参加(無料)
■11月30日~12月28日までハービスPLAZA(大阪)4階にて
「Shabby House」のパネル、模型を展示
【News】
■大阪ガス『住まう』9月20日発行に「イタウバハウス」掲載
『MY HOME100選 Vol.11』8月27日発行に「サロンのある家」掲載
メディア掲載情報
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

摩耶、ママ

 日曜日は雲一つない秋晴れでした。

 摩耶山に行くことになりましたが、子供の希望で電車行きに。

 ケーブルカーとロープウェイを乗り継ぎ、山頂まで行く事が出来ます。

 12月から改修工事の為、一旦運休されるのです。

 それもあってか、なかなかの人出。

 標高約700m。六甲山より少し低いのですが、眺めは勝るとも劣らず。

 東を見ると、梅田のビル群、阿倍野ハルカス、遠くはPLの塔まではっきり見えます。

 西を見ればポートアイランドから淡路島まで。

 日本三大夜景に数えられる神戸。一度見に来たいものです。

 ベストは夏の夕涼みでしょうか。

 六甲山系は、縦走路で繋がれています。

 少し歩いてみると、多くのハイカーとすれ違いました。

 話題の通り、カラフルな女性ハイカーが目立ちます。

 確かに「山」ブームを実感したのです。

 山頂で3時間ほど遊んで下りてきました。
 そのまま麓にある王子動物園へ。

 実はこの日、妻が友人と食事に行くことになっていました。

 私、長男、娘とは、梅田で別れる事になります。

 それもあって、この日はスペシャルメニューだったのです。

 夕方、妻と梅田で別れてから、4歳の娘は「マァマアー~、マァマアー~」とただひたすらに泣き叫ぶだけ。2時間、ママ以外の言葉を発しませんでした。

 地下鉄の中、駅からの道中、夕食を頼んであった実家でも。延々と泣きわめき続け、無理やり風呂に入れると、湯船の中で寝てしまいました。

 子供と接する時間をもっととらないからこうなのか、末っ子を甘やかしすぎてこうなったのか、またはこれが健全なのか。

 しかし、何とか腕から逃げ出そうという4歳児を、抱っこし続けるのは、なかなかの重労働でした。今日は、肩、両腕が筋肉痛です。

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東京駅と浅草、辰野金吾と隈研吾

 日曜日の昼ころ岩国から戻り、月曜日は千葉へ。

 途中、復元工事を終えたばかりの東京駅を見て来ました。

 丸の内駅舎は1914年の完成。設計は近代建築の基礎を築いた辰野金吾です。

 戦争によって消失していた部分も、今回復元されました。

 辰野金吾と言えば、関西でも大阪市中央公会堂、日本銀行大阪支店、奈良ホテルなどの作品があります。

 復元されたホールは、日本の玄関に相応しい格を備えていると言って良いのでは。

 学生の頃、奈良ホテルのティーラウンジへ行きました。

 見学を兼ねてでしたが、皇族も泊まるというその品格に緊張したことを思い出します。コーヒーの値段にも驚きましたが。

 全景も撮ってみました。

 今度は晴れ空で撮りたいものですが、何とか雨は免れました。

 千葉への移動だったので、浅草にも寄って来ました。

 前回浅草に来たのは、2011年の3月7日

 その時には、雷門の向いにこんな建物が出現するとは想像もしていませんでした。

 浅草文化観光センターは今年の春のオープン。設計は隈研吾です。

 彼は「負ける建築」という言葉に象徴されるよう、土地と対話し、環境に従属するような建築を、というコンセプトを打ち出しているのです。

 この建物は、木造切妻屋根の平屋を積層させるというデザイン。

 そのヴォリュームにして、この場に在っておかしくない建築を実現しています。その力量が遺憾なく発揮されていると言えるでしょう。

 隈研吾は日本を代表する建築家です。しかしデビュー作は厳しい評価でした。

 マツダのショールームとして計画されたM2ビルは1991年の作品で、学生時代に雑誌で見ました。
 
 ギリシャ神殿の柱をモチーフとし、その対比として退廃を表したデザインが物議をかもしたのです。 

 その後、ある仕事を通して、これらのコンセプトを掲げ、現在のステージにまで上り詰めて来たのです。

 これ程作風が変わった建築家も稀だと思います。

 辰野金吾との共通点は東大建築学科卒。

 辰野は、指導者として来日したイギリス人建築家ジョサイア・コンドルに師事しました。隈は留学を経ていますが、活躍の舞台を世界へと広げています。共にエリート中のエリートですが、これも時代の移り変わりと言えるでしょう。

 一昨年から今年にかけて、関東圏で2つの仕事をさせて貰いました。来年にかけても、千葉で仕事が出来そうです。色々な土地で仕事が出来る。それは仕事人としての純粋な喜びです。

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【Events】
■11月3日(祝・土) 「第1回高槻高校ホームカミングデー」セミナー
11:10am~12:00pm
■11月17日(土) 大阪工業技術専門学校校友会山口支部総会セミナー
4:00pm~5:30pm
■11月1日~11月30日までハービスPLAZA(大阪)4階にて
「イタウバハウス」のパネル、模型を展示

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長州岩国で、歴史を思う

 土曜日は朝から新幹線で、山口県の新岩国駅へ。

 大阪工業技術専門学校、校友会の中国支部総会に呼んで貰いました。1時間ほどで何か話をして欲しいという事。

 岩国と言えばやはり錦帯橋です。

 会場のホテルもすぐ近くで、見に行って来ました。

 5連の反り橋は、日本三名橋に数えられます。

 蛇行する錦川は山城である岩国城の堀の役割も果たします。

 この川幅200mの錦川に掛けられた木造の橋が錦帯橋。初代岩国藩主・吉川広家が完成させました。300年前の技術の粋を集めたものなのです。

 「おはん」で有名な作家・宇野千代もこの地の出身。昭和の女流作家のさきがけと言えます。

 生家が復元されていました。

 初めは通り過ぎるつもりでしたが、塀越しの紅葉に誘われ立ち寄ってきました。

 今年の紅葉は美しいという話ですが、間違いなさそうです。 

 紅葉は赤きをよしとするものですが、淡い赤になる種が数本植わっていました。

 これが非常に上品な色づき加減で、大変美しい庭でした。

 一番楽しみにしていたのが「岩国徴古館(ちょうこかん)」。

 佐藤武夫の設計で1945年(昭和20年)3月に竣工しています。
 
 戦時下の傑作と言われて、そのサイドストーリーがなかなか興味深いもの。

 鉄が貴重だった為、鉄筋でなく「竹筋」の入った、竹筋コンクリート造という話があるのです。

 内部の柱も独特のフォルム。

 竹が入っているからこうなるのか、戦時下で、自分の意思を通したものなのか……

 やはり建築は条件が厳しければ厳しい程、傑作が生まれるものなのか……

 講演は問題なく終わりました。

 その日は岩国駅前のホテルに泊まり、帰りは山陽本線で、広島まで移動する事にしました。

 瀬戸内を望む鈍行の旅。なんとも贅沢な時間、と思っていたら高校生の集団が乗車してきました。

 修学旅行でしょうか。

 山陽の言葉の通り、このあたりは山に日の当たる地です。とても明るいイメージを受けました。

 明治維新は、薩摩、長州、土佐、肥後などの地域の藩が中央の政権を倒したものです。

 日本の近代化は、地域の力によって実現されたものなのです。

 革命は小より起こる。さて、この年末「小」は日本を変えれるのか。

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11:10am~12:00pm
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4:00pm~5:30pm
■11月18日(日) ASJ岸和田スタジオセミナー
岸和田市西之内町65番地30号 寺田ビル2F
2:00pm~4:00pm
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古美る、イタウバ

 7月に、大阪ガスの住宅情報誌「住まう」の撮影がありました。

 この号の発刊は9月20日となっていますが、知りませんでした。あるメーカーの人から「載っていましたね」と聞き知った次第です。

 普通、家の記事というのはクライアントが主役です。しかしこの2ページのコーナーは「大阪ガスは建築家を応援します」のコピー通り、創り手側が大写しになっています。

 気恥ずかしいところもありますが、良ければ手に取ってみて下さい。大阪ガスのショールーム、ディリパなどに無料で置いてあるはずです。

 撮影のあった「イタウバハウス」は、テーマの中に「白ける」がありました。

 正面ルーバーに使われている樹は、イタウバという堅木です。堅木につき雨風に強いのですが、紫外線にされされていると、どうしても表面が白っぽくなります。これを「白ける」と言うのです。

 その変化が目立たないよう、塗装するのが一般的です。しかし、その経年変化を隠さず、そうなった時に最も美しい外観を目指すそうとなったのです。

 2011年3月

 2012年7月

 その試みが成功したかどうかは、見た人の判断によります。

 建築家・出江寛は「古美る」という表現を使います。古いものは美しいと言う思想です。千利休の師、武野紹鴎の、侘びとは「正直で慎み深く奢らぬ様」という言葉も引用し、正直に古美ていく様が、日本精神の神髄にある「侘び」へとつながっていくと、説いているのです。
  
 この考えは、瓦メーカーのサイトに分かり易く書かれています。

 仕事を始めた、当初の2年間は勤めていました。初めの1年は出江寛の弟子の建築家の設計事務所。よって、彼の孫弟子と言えなくもありません。

 直接の接点は無いのですが、無いからこそ、その哲学に影響を受けていると思います。

 建築に使われる素材は、どうしても変化の少ない、メンテナンスフリーな物へと移行して行きます。時代と共に、全てを否定することは出来ないのですが、受け継がれて来た精神は持ち続けたいと思うのです。

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話の花

 週末は、滋賀県の朽木村へ行っていました。

 と、思っていたら、合併によって高島町朽木と変わったようです。朽木と書いて「くつき」と読みます。

 琵琶湖の西を走る湖西道路。

 以前この道路は有料で、かつ高額でした。

 学生の頃は高速代が惜しく、国道を走り福井まで行っていまいた。

 今は無料になり、ちょっと得をした気分と懐かしいのと。

 朽木は滋賀県の西北部、かなりの山中にあります。

 紅葉は真っ盛り一歩手前といったところでしょうか。

 しかし、緑、黄色とのコントラストも美しいもの。

 グリーンパーク想い出の森は、温泉、キャンプがあるアウトドア施設。

 主に大学時代のクラブの集まりで、先輩がそのバンガローを予約してくれていました。
 
 4時頃到着すると、すでに宴たけなわ。

 最近、野外に行っておらず、娘から「テントたてて」と言われていました。

 女の子が多かったのですが、これが意外に好評。

 子供達の食堂になりました。

 4歳から小5まで。子供達が打ち解けるのはあっと言う間です。 

 かなり久し振りの人もいましたが、気分は学生時代のまま。

 大いに盛り上がりました。

 参加者の一人に、大学時代の1つ先輩で「白馬の山小屋」のクライアントがいます。

 正確に言えば、クライアントの娘さんですが、彼女の両親は私の事など全く知らなかったので、実質的にはクライアントです。

 どの計画が欠けても、現在とは違った仕事人生になっていたはずです。しかし、26、7歳の私にとって、長野で築30数年の山小屋を改修をするという計画は、不安も大きな仕事でした。

 夜の11時頃、大阪駅を発つ深夜急行が「ちくま」だったと思います。リクライニングの無い直角席でウトウトしていると、スキー場へ向かう若者が騒ぎだし、迷惑だなと思ったり、羨ましいと思ったり。
 
 設計料もかなり安請け合いしており、片道6千円くらいだった運賃もかなり厳しかったのを覚えています。早朝現場に着き、村役場で施工会社を紹介してもらい……この計画を何とか形にしたという事は、大きな自信になりました。

 「あの頃は楽しかったよね」はあまり好きではありません。今が最も一所懸命でいたいからです。

 しかしこの日は、大いに思い出話に花が咲きました。話題の花と、心の花と。

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難解、読書の秋

 昨日、11月7日は立冬。秋は足早に……

 週末は、滋賀県の朽木に行く予定です。山中なら、紅葉がさかりでしょうか。この季節、歯ごたえのある、ありすぎる本を読みたくなるようです。

 昨年の秋は、「タイタンの妖女」カート・ヴォネガット・ジュニアにてこずっていました。

 今年はニーチェの「善悪の彼岸」。

 途中、他の本も平行しましたが、約4ヶ月掛かってしまいました。

 そもそもは、「国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―」佐藤優、を読んだのがきっかけです。この本を勧めてくれた人から「彼はこんな本を読んでるみたい」と教えて貰ってのです。

 古典から哲学書まで、どう見ても難解そうなものばかり。たまにはそんな本を読まないといけないなと思い、久し振りにニーチェを読み始めました。

 しかしこれはカート・ヴォネガット・ジュニアの比ではありませんでした。難解につぐ難解。形容につぐ形容。訳者は「ビルマの竪琴」の著者、竹山道雄。彼もあとがきに、難解だと書いていました。

 男子の成熟。―小児のときの遊戯の際に示したあの真剣さを、ふたたび見いだしたこと。

 愛よりなされたことは、全て善悪の彼岸に起る。

 前者は理解できます。しかし後者は……何とかかんとか読み終わりました。

 今度は楽しく読める小説をと「官僚たちの夏」を選びました。

 著者の城山三郎は社会派小説家と呼ばれ、一度読んでみたいと思っていたのです。

 1960年代の通産省を舞台に官僚のトップ、次官となる主人公、風越信吾。彼は、ミスター通産省と呼ばれる名物官僚で、大臣、総理との論戦も辞さないという豪傑タイプ。

 池田勇人、佐藤栄作など実在の総理もモデルとなっている通り、多くの人物が実在したようです。日本が我武者羅に働いていた時代の、官僚の栄光と悲哀を描いた話と言えばよいでしょうか。やはり小説は読みやすい。

 例えばテレビで、評論家が難しい時事問題を簡潔に解説し、一刀両断に結論付ける場面があります。爽快な感もありますが、普段の暮らし、仕事ではなかなかそうならないもの。

 「バカの壁」の著者、脳科学者・養老猛は「常に脳にトゲが刺さっている。そんなちょっと気持ち悪い状態じゃないといけない」と言っていました。何かちょっと気持ち悪いくらいで丁度いいのだと。

 自分の哲学と合わない事を避けていたなあ、と思う時があります。しかし、会話でも答えが予測できないほうが刺激的なもの。苦手、知らない、ところに成長の余地はありそうです。

 次に読むのはまた来年か。秋は難解が良いかも。
 
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24年振り、わが母校

 11月3日の土曜日は文化の日。

 この日は母校、高槻高校の第1回ホームカミングデー。浪人時代に一度来たので、24年振りだと思います。

 ホームカミングデーとは、母校に帰ろうというイベントで、最近は多くの大学、高校で開催されるようです。

 今回は子供達も連れて行きました。

 11時頃から、小講堂でセミナーをしました。

 第1回目に声を掛けて貰ったのは光栄なことです。

 「ビフォーアフター」の話をと、リクエストを受けていたので、その話を中心に約50分程。

 会場のキャパは300人だったのですが、参加者は40人足らず。

 若干寂しくはありましたが、母校での開催と言うのは、嬉しいものです。

 阪急高槻駅は、高架化され随分近代的になりました。

 駅前の雰囲気はあまり変わりませんが、道幅は狭く感じます。

 中1の時は145cm、今は172cm。

 私も少しは成長したでしょうか。

 毎日帰りに寄った駄菓子屋は、自販機だけになっていました。

 反対に食堂のおばちゃんは今も現役。

 もう勤続30年以上とのこと。

 ラーメンの容器も、スープの味も、チャーシューも全く変わらず。

 このチャーシュー、何故かとても美味しいんです。よく単品で追加しました。

 舌の記憶は、四半世紀を一瞬で超えます。

 中高の6年間を過ごしたわが母校。

 正直、今までほとんど愛着がありませんでした。

 その理由は、学校が何かしてくれると期待していたからだと分ります。

 僅かながら、学校の役に立てたと感じる今、急遽愛着が湧いてきました。

 出来れば長男も……

 本当を言えば、いつかこんな機会が来るのではとイメージしていました。今回は、卒業生の先輩方、後輩へ向けてのものでしたが、出来るなら在校生に向けて話してみたかった気がします。

 勉強とは、仕事とは、生きるとは。

 そんな暑苦しい話はいいよ、と言われるかもしれませんが。
 
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先祖代々400代

 今日から11月。

 一昨日には木枯らし1号も吹き、少しずつ冬へ向かっていると実感します。日曜日の夜、父が太刀魚を釣ったと、持って来てくれました。

 鋭い歯に、怪しくギラギラと光る姿はかなり怪しげ。

 旬は夏と言われますが、この時期の方が当然大きく、食べごたえもあります。

 塩焼きは勿論ですが、オリーブオイルのソテーもなかなかいけました。

 現在、事務所は私を含めて3名。加えて、オープンデスクの学生が1人来ています。

 実はこの8月、一旦4人体制になったのですが、10月度で入所したスタッフが辞めました。先日、1日でオープンデスクを辞めた、というのとは別の話です。

 長男を見て、どんな仕事をするのだろうと思います。

 折を見て、自分の仕事へ誘っていますが、彼が夢中なのは虫捕りです。

 彼岸の墓参りの際も、アミと虫カゴを放す事はありませんでした。

 釣る、潜るなど。私も狩猟することが一番好きだったなと思います。

 父は今でも月に2回、岸和田から船で魚を釣りに行きます。

 定住を始めたのは1万年前。それ以前は、まぎれもない狩猟民族だった事を考えると、これはごく当たり前の事なのかもしれません。

 私達の祖先は、熾烈な生存競争を勝ち抜いて来た優れた人達です。その結果、私にまで命が届いたのです。仮に1世代25年とすれば、1万年は400代です。狩猟を捨てたのは遥か彼方の話ではありません。

 その後、農耕が始まり、今度は土地の奪い合いなど、幾多の争いもあったはずです。それらに勝ち残り、働き、かつ、かなりの幸運を併せ持っていた人。その子孫が私達なのです。

 農耕は自分に向いていないとか、休日が雨の日では自分の予定が立てられないから辞めます、などと言う人は、生き残っていないはずなのです。

 今年で4年目に入った所員は、随分やる気を見せています。初めの1、2年はどうなる事かと思いましたが、やはり石の上にも3年です。

 自分が遺伝子によって受け継いだ、何らかの得意を掘り起こす。仕事探しとは、結局そんなものではないかと考えています。

 ただしその発掘作業は、最低3年掛かるのです。

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