いい日旅立ち

9月も中旬にはいり、夜は寒い日さえ。

朝起きる時刻が、ようやく日の出を追い越しました。

急速に秋が進んでいることを、実感します。

夏の庭先の主役だった朝顔。そろそろ終わりの時期が近付いてきました。

週末からの連休は、日曜日に広島でセミナー、祝日の月曜日はジュンク堂京都店で建築相談会があります。

興味のある方は、是非お越し下さい。

■9月16日(日)中国新聞リフォーム・エクステリアフェアにて
セミナーを開催①11:30②15:00広島産業会館西展示館
■9月17日(月・祝)ジュンク堂京都店 13:00~15:30
JIA×JUNKUDO 共催「住宅無料相談会」に参加

土曜日には千葉へ行く用件もあり、何となく頭の中に ♪昨日、今日、明日~♪ と「三都物語」が流れます。しかし、JRのキャンペーンソングと言えばやはり「いい日旅立ち」でしょうか。正確に言えば当時は国鉄。

稲盛和夫氏と五木寛之氏との対談、「何のために生きるのか」という本にこんな記述がありました。

山口百恵以来、皆で口ずさめる歌が日本にはない。

例えば、平安から鎌倉にかけて「万葉集」や「古今集」のように、芸術性の高い歌集があり、もう片方に「梁塵秘抄」という巷の歌集があった。

これによって日本の文化は厚みを帯びて感じられるわけです。だから流行歌をばかにしちゃいけない。

「いい日旅立ち」が流れてくると、つい口ずさんでしまいます。あのへんまでですよ。日本人の歌の中でいい歌があったのは。

子供から大人まで世代を超えて口ずさめるような日本人の歌と言える歌がどこにもない。

それが日本人のこころが乾いてしまっているひとつの原因なのではないかと思っているのです。

こう五木寛之は語っています。「シクラメンのかほり」で有名な小椋佳の曲、「泣かせて」にはこんな詞もあります。

『泣かせて』 作詞・作曲:小椋佳

 あなたの言葉より

 今は安い流行歌のほうがまし

中学年時代からサザン、ハウンド・ドッグ、米米クラブから始まり、マイケル・ジャクソン、イーグルス、ドン・ヘンリー、マービン・ゲイへ。

しかし、不意に口をついて出てくるのは、小学生時代に聞いた歌謡曲だったりします。改めて「赤いスイトピー」は歌は素晴らしい曲だったんだなと思ったりするのです。

「いい日旅立ち」をを聴きかえすと、情緒あふれる歌詞に、緩やかなメロディライン。これこそ皆が口ずさめる流行歌だと解ります。

1978年の発売で、当時私は8歳でした。山口百恵の魅力が解る歳ではありませんでしたが、これほど無色に近い、透明感のある歌い手は、なかなか居ないのだろうと感じます。

だからこそ、皆が自分自身を投影で来たのではないかと。

「三都物語」と共に、作詞・作曲は谷村新司。とても深夜ラジオ「ヤングタウン」で話していた姿からは想像できない上品さです。

決して馬鹿にしているのではないのですが、人の才能は、見た目、話し方だけでは解らないものです。

五木寛之はこの対談の中で「日本人皆が口ずさめるような曲をつくろうと、詞を書いているんです」とも語っています。この本の初版が平成17年なので、それは未だに達成出来ていないようです。

そんな歌がいつかは出来るのか。もう皆が愛する事の出来る歌など出来得ないのか。また、日本人の心は乾いているのか……氏の言葉がとても気になります。

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■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました

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