過去とマイナー

 6500万年前に絶滅したと言われる恐竜。

 子供にとっては、常に憧れです。地球上最大の肉食動物、ティラノサウルスはその中でも特別な存在。

 長居の自然史博物館で特別展が開催されています。

 長居公園は自転車で行ける距離にあるのです。

 桜も個体によっては満開のものも。娘は今日が始業式。あっという間にそんな季節になりました。

 今回、この企画展の監修をしているのはジャック・ホーナー博士。氏は子供の頃に恐竜の化石を発見して以来、今では『もっとも”T-rex”(ティラノサウルス)に愛されている古生物学者と』と紹介されていました。

 ティラノサウルスを世界で一番多く発見し、映画『ジュラシックパーク』でもテクニカルアドバイザーも務めています。

 まずは世界最大のティラノサウルス・レックスの頭骨実物化石。今回の目玉です。

 これまでトリケラトプスとトロサウルスは、違う種だと考えられていました。

 しかし、実は成長したのがトロサウルスだと分かってきたとありました。

 恐竜の子供には毛が生えていた、という説も以前の説とは異なったものです。

 動くティラノサウルスは今まで見た中で、もっとも迫力のあるものでした。

 約2億3000万年に現れた恐竜は、絶滅するまでの1億6500万年のあいだ地球の覇者でした。

 絶滅の理由は、小惑星の衝突による爆発、粉じんなどによる気温の低下に、恐竜が適応できなかったという説が最も有力です。しかし、鳥がその子孫であるという説は、最近になって認知されたものです。

 また、ティラノサウルスが、実際に食糧としていたのは、死んだ動物の割合が高かったのでは、というのもホーナー博士の新しい説です。獰猛で、巨大で、俊敏なティラノサウルスであって欲しい気もしますが、事実を積み重ねることで過去の解釈が変化して行く考古学にはロマンを感じます。

 未来は現在の”影”でしかないが、過去は現在を知る宝庫でもある。私は人の過去にふれてみたくなる。はるかに刺激的で魅惑的である”過去”という事件。-山本隆司-
山本隆司。

 通称「ターザン山本」は週刊プロレスという雑誌の編集長だった人です。先週チラと書きましたが、学生時代は相当にプロレスが好きでした。というよりは、ターザン山本の「週刊プロレス」が好きだったのです。

 彼はマイナーである事、マイノリティーである事の自由さ、素晴らしさを、いつも説いていました。その考え方に、若い私は他の人にはない哲学と美意識を感じていました。

 恐竜の話から、つい昔のことを書いてしまいましたが、強く、メジャーであることより、小さく、マイナーであるほうが自由で豊かだと感じる事はあります。それは中国でも同じだったようです。故事にはこんな言葉があります。

 革命は小より起こる