原始的に、自然に、そして子供のように

 今年2回目の日記は、前回に続いて茅野、蓼科の旅から。

 初日の出を、名古屋あたりで見れました。

 「神長官守矢史料館」に着いたのが10:00am頃。

 この辺りは盆地なので、寒い時は本当に寒い。

 側溝の水は完全に凍っていました。

 屋根は天然石で葺かれ、外壁にはこの地域でとれた「サワラ」という木を、手割りしたものが張られています。

 壁はワラスサを混ぜたモルタル。

 スイッチプレート、取手などは栃木の鍛冶屋で作られたもの。ガラスは色なしのステンドグラス。

 簡素ではありますが、自然、手仕事に徹底的にこだわっています。

 諏訪神社上社の神官であった守矢家に伝わる古文書を保管するのがこの館の目的です。

 通常跳ね上げ階段は上がっており、蔵の役目を果たしているとの事でした。

 それまでは東京大学で、建築史家として教鞭をとっていた藤森照信氏は、この作品から建築家へと重心を移して行くことになります。

 この次に作られたのが自邸「タンポポハウス」。屋根にタンポポが植えられた、エポックメーキングな作品です。

 氏の進化はまだまだ続きます。屋根からニラの生えた「ニラハウス」。

 建物の頭頂部に木を植えた意匠の建築を発表し続けるのです。昨年の春、九州でみた、「ラムネ温泉」もその一つでした。

 原始的に、自然に、シンボリックに、まるで子供のように。

 実際に求められているからこそ、その場があり続けるのです。

 「高過庵(たかすぎあん)」は、守矢史料館の裏にある小山に建っています。

 誰もが入ってみたいと思う玄関は床の下に。

 同じく藤森氏の作品「空飛ぶ泥舟」が、すぐ横にあります。

 元々は茅野市美術館横に、企画展として作られたのですが、この地に移設されました。

 この場所は藤森氏の実家の敷地のようです。

 子供と話ていると「空飛んでないやん」と。 「だって横にヒモがついてるもん」

 なるほど、子供の意見ももっともです。しかし、単純に凄い建築です。

 その後は、蓼科へ移動してスキー場へ。

 ピラタス蓼科スノーリゾートは、ロープウェイで標高2200mまで一気に登れるのが特徴です。

 頂上付近は-14℃まで下がっていました。

 3歳の娘は、本格的なスキー板を履くのが初めてで。

 最終的には、何とかボーゲンまで出来るようになりました。

 それで、初めて4人でリフトに乗ったのです。

 当分遠出は出来ないだろうという気持ちもあり、休みの間は出来る限りスキーを教えました。

 今日から当事務所も仕事初め。事務所の目標は「新しき計画の成就」です。

 初日から全力でいきます。