若者は

 今日でスタッフが一人辞めます。

 一ヶ月のオープンデスクを終え、修業生として残り、その後夜間の専門学校に通いながらスタッフとして働いてくれました。

 この1月の話し合いで、2月いっぱいと決まっていたで、突然ではありません。気まずい関係で終えることもありません。

 辞めると言った時には、気まずいだろうと思い理由は聞きませんでした。そうなった場合は、引き止めないと決めていたからです。

 一昨日、もう気まずい事もないだろうと思い、色々話をしました。多少気を遣っているかもしれませんが、「ここに不満は無いが、東京で挑戦してみたい」という事でした。

 彼は文系の大学を出て、卒業後、建築の専門学校に入学しました。面白い事を言っていました。飲食店でアルバイトをしている時、大学の卒業を隠したことがあったそうです。

 「お客さんの態度が明らかに違います。それから、学歴を外した自分とは一体何?と考えました」。自分に向き合い、仕事に向き合い、今に至ったのです。

 私はとしては、残って欲しいという気持ちも有りましたが、自分が選んだ道を歩むのが一番です。悔いや言い訳が残る人生は嫌ですし、私もそうして来たつもりです。

 彼には「麗しのサブリナ」でヘップバーンが言った言葉を贈ります。

 「人生とは何か。どう生きるべきかを知りました。傍観者ではだめだと。……もう、人生から逃げはしません」

 若者は荒野を行け。

実家、実家

 土曜日の昼間は、春一番を思わせるような温かい風でした。ようやく春かなと思うと、夜からは雪。

 長男が水疱瘡にかかってしまい、急遽、妻の実家で面倒を見てもらっていました。日曜の朝、高槻へ迎えに行くと、ちょとした雪景色。

 今年は本当に良く雪が降ります。こんなに降った記憶がありません。

 数年前までは、スキーに良く行っていました。今年はちょっと難しそうです。

 日曜日はいつもの事で私の実家へ。父が「今年は、1回もスキーに行かへんねやったら、孫連れて、ソリ遊びでもしに行ってくるか」と。

 「是非、連れていったって!」が本音ですが、「そやな。時間あったら頼むわ」と私。父子の関係は大体そんなものでしょう。実家と実家。最近はとっても助かっているのです。

ことばの力-生き方編-

 寒い日が続きますが梅は満開です。花は毎年暦通りに。淡々とした営みは、逞しくあります。

 唐突ですが、ことばの力-生き方編-です。「ことばの力」は一応シリーズで書いているつもりなのです。
 
 「たとえ嫌われたとしても真実の方を取る。真実が私の同志だからだ」 山本隆司
 「不幸せの時くたびれる者は、役に立たざるなり」 山本常朝(江戸時代 武士)

 社名統一でゆれる松下電器の創業者、松下幸之助は「成功は失敗の要因が蓄積している状態。失敗はそれを改善するチャンス」と言いました。

 言うは安し、行うは難しです。実行に移すかかどうかは、自分次第。自分を奮い立たせる為、偉人の言葉を求めるのでしょう。

一時大家族

 先週はバタバタとした一週間でした。

 妻は出産の後も、明日のまで入院の予定です。その間、私と長男は実家で生活しています。加えて、母方の祖母が久し振りに香川から出てきて、4世代で実家に暮らしているのです。

 少し前の日本なら、当たり前の事だったのでしょう。私の両親は共に田舎から出てきているので、いわゆる核家族でした。家系的には長寿傾向なので曾祖母に会った記憶はあります。しかし遊んで貰った記憶はありません。

 それを思うと、非常に良い機会だと思います。実家は大きな家ではありませんが、家族4人だったので、私達兄弟には自分の部屋がありました。小さい頃は嬉しいことでしたが、親の加護の元にいるのにプライバシーが完全に保たれているというのも矛盾する気がします。

 仕事人として考えると、個室が無いほうが良いとは思いません。しかし、快適を上回る経験はあると思うのです。むしろ快適でない時にこそ、学ぶことが多いのかもしれません。例えば、ウソをついて遊びに行った帰りは気が重くなるように。

 メジャーリーガー、イチローの父は小学校から高校を卒業するまでの間、一日も欠かさず練習を見に行きました。やはり、愛情=時間という気もします。

 自分が足りていない分、両親に期待していると言う部分もありますが、頭を下げてでも頼みたい気持ちはあります。愛情ある目が多ければ多いほうが良いに決まっていますから。

WHAT A WONDERFUL WORLD

家族がもうひとり増えました。3060gの元気な女の子です。

長男が生れた時、頭に浮かんだのは、ルイ・アームストロングの「WHAT A WONDERFUL WORLD」。彼女にも、同じ言葉を贈りたいと思います。

「ようこそ、素晴らしきこの世界へ!」と。

初めて女の子と聞いた時は、やや驚きました。全くイメージしていなかったのです。

長男の時は逞しく生きて欲しいと願いました。今は、幸せになって欲しいと願います。その違いが何か解りませんが、確かにそう思います。

どこかで思っています。いつかは「花嫁の父か」と。出来るなら、この素晴らしき繋がりを続けて欲しいと願うのです。

雪の京都とプレゼント

 今年は本当に寒い日が続きます。

 昨日は京都にいましたが、寒さのレベルが違います。街中でも随分な積雪になりました。

 しかし午後からは晴れ、キリッと冬晴れに。

 加茂街道から、東山を望みます。

 山、川、盆地が、京都の景色を印象付けます。雪大文字がくっきりと浮かび上がっていました。

 今日はバレンタインデー。もうすぐ、世界で一番嬉しいプレゼントが生れてきそうです。

『スーパーニュース』で「境内の中の家」が紹介

 土曜日は大雪でした。大阪で2㎝の積雪は11年振りで、1997年と言えば「たまごっち」」の年。雪の日の事は思い出せません。

 前回書きました、番組の日程が休み明けに決まりました。

 フジテレビ(8ch)スーパーニュースで6:16pm頃から20分間。(CS、ケーブルテレビはフジテレビ739 7:00pm~8:00pm)

 残念ながら関東ローカル枠なのですが、単純に喜んでいます。

  大阪の神社の境内にある住宅の建替え計画を、昨年の夏から取材して頂きました。VTRは見ていませんが、”密着200日。光りの入らない平屋が、明るい家へ生まれかわる!”建替え版ビフォアーアフターのような感じだそうです。

 恥ずかしながら、私も少し出ています。メインキャスターの安藤優子さんがどんなコメントしてくれるのか、気になりますが、 関東にお住まいの方は是非ご覧下さい。

一級建築士事務所 アトリエ m

素材は揃った

 何度か途中経過を紹介した境内の中の家。計画開始から1年と2ヶ月を経て竣工しました。

 ずっと取材して貰った、テレビクルーのみなさんもこの日で最後になりました。

 アトリエでは掲載誌の撮影とコメント撮り。映像を見ると火が出るくらい恥ずかしいんだろうと、今から覚悟はしています。

 解体、着工、竣工、引越し。20分の番組を創るのに、費やされた時間と労力は膨大です。

 ディレクターは「撮り残しは無いナ。よし!」素材は揃ったと、自分に言い聞かせました。後は編集作業。楽しみにして待つだけです。番組の性質上、放映日はディレクターも少し前にしか知らされないそうです。2月中旬から下旬にかけて、関東のみの放送ですが、ここで告知したいと思っています。

 どの計画も、初めの図面にはテーマを書きます。この計画では”緑溢れる境内に、家族の空を持つ家”。

 目的は達成出来たと思います。

 竣工写真の完成はもう少し先ですが、一番面白い場所から撮った写真です。

 計画地は平安時代より前からあるという神社の境内。神聖な場所での仕事ですが、日々の現場通いでは、つい礼拝を忘れてしまいます。

 竣工の日は、今までの失礼をお詫びし、感謝の気持ちで頭を垂れて来ました。

 一年を通してに神社に伺い、自然溢れる境内で強く感じたのは「この国の四季は本当に豊かだな」という事。どの国にでもあることではないのです。

モダンリビング NO.177

 2月7日発売の『モダンリビング NO.177』「加美の家」が掲載されました。

  P215の1ページだけですが、加美の家は初掲載なので素直に喜んでいます。

 ただ、写真がやや赤っぽくなっているのは残念なところ。前にも同じような事がありましたが、印刷物の色というのは、繊細で微妙なものだそうです。

 加美の家は、私としても自信を持っている仕事です。そんな気持ちとは裏腹に、色々な事情でなかなか取り上げられませんでした。メディアに載る事だけが評価とは思いませんが、作品を通して、世に何かを問うてみたいという思いはあります。

 空間を感じるには、その場に立つ意外に方法はありません。それに次ぐのが、完成度の高い写真。その写真を多くの人に見て貰えるのが出版物です。

 Web全盛の時代ですが、紙媒体に対するこだわりはあります。細部の表現力、手にとった重み、新しいページをめくる喜び、紙の匂い。それらと一緒に、感じる事が多くあると思うのです。

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雪の吉野

 日曜日は近畿地方も寒い一日になりました。

 電車で何処かに出掛けようと、近鉄阿部野橋駅へ。40分で橿原神宮まで行けるようなので、手頃かなと急行に。

 「1300年前はここが首都!」など、駅のパンフレットを読んでいると、子供が寝てしまいました。2人だったのでそのまま乗り過ごす事に。

 大阪は雨だったんのですが、生駒山地を越えると一面の銀世界に。奈良盆地は、昨夜から雪だったようです。

 何気に雪景色を楽しみながら、終点吉野までは1時間40分、急行の旅。

 千本桜で有名な吉野も、この時期はガラガラです。

 目が覚めた子供は、閑散とした駅前ではしゃぎまわっていました。

 手袋が無かったので随分拒んだのですが、雪だるまを作らせられるはめに。素手なのでかなり小型です。

 「お父さんは冷たいのを頑張って雪だるまを……」。振り返ると、知らぬ間に手袋を脱いで、雪を掴んでまわっていました。

 乗車券950円に特急券500円。帰りは特急の旅に格上げです。阿部野橋まで1時間30分。10分しか変わらないのです。

 夜は節分につき、寿司とイワシでした。丸かぶりは手巻き寿司で代用です。

 今朝の新聞に、鬼は陰陽師(おんみょうじ)などの陰(おん)がなまったものとありました。

 まだ寒いですが、昨日は陰を追い払い、陽を迎える準備の日でした。今日は皆が待っていた立春です。