カテゴリー別アーカイブ: 02 ことば・本

奈良ホテルでセミナー‐2093‐

先週火曜日のことですが、近鉄奈良駅から東に向かって歩いています。

左手に奈良県庁が見えてきます。

もう少し進むと若草山も見えてきました。

16時頃ですが、暖かい夕方でした。

奈良公園内でもところどころで梅が開花していました。

15分程歩き、奈良ホテルまでやってきました。

言わずと知れた辰野金吾の名作です。

訪れたのは大学の時以来だと思います。

皇室御用達のホテルですが、アインシュタインやヘプバーンまで宿泊した歴史あるホテルです。

別館でセミナーをして貰えませんか?とオファーを貰ったのは年始でした。

スキーの仲間だった年下の友人が、奈良大宮ロータリークラブに入っており、講師を捜しているということでした。

時間を確保できるかなあと思いながらも、15、6年振りに連絡をしてくれたこともあり、引き受けました。

ロータリークラブという名前勿論知っていますが、これまで接点は全くなかったので調べてみました。

Webサイトには「奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある」とあります。

またセミナーに望むものは何か友人に聞くと以下のような資料が返ってきました。

知的視野の拡大のため、DEIを意識した外部講師を招聘すること。

DEIが分からず調べてみると、「ダイバーシティ(多様性)」「エクイティ(公平性)」「インクルージョン(包括性)」だとも分かりました。

なかなかハードルは高いなと思いながら、前日の遅くまで原稿を考え、「建築が市井の人々の幸せと、街の為にできること」としたのです。

美味しい夕食を食べてからセミナーのスタートです。

愛情を注いだ建築をつくることで、街を愛する気持ちが強くなります。

そして、その気持ちは能登半島の震災をはじめ、神戸、熊本、福島での復興の礎となる、という内容を考えていました。

前半は比較的イメージ通りに進んだかなと思います。

今回は持ち時間が30分だったので、最後の着地点までの時間があまりなく……

最後をしっかりまとめきれなかったことに、若干悔いが残りました。

これも経験です。

機会を下さった奈良大宮ロータリークラブの皆さんに感謝です。

その後、反省会も兼ねて、西大寺のあるパームカフェへ。

彼は一級建築士であり、工務店も経営するのですが、飲食店も経営しているのです。

元は肉の卸から飲食を始めたそうで、そういったメニューがお勧めとのこと。

ズリのアヒージョを頼みました。

8歳くらい離れているのですが、何とも気さくな友人で2人で乾杯したのです。

その後、大阪に移動すると20年振りの友人も合流し、久し振りに朝まで飲んでしまいました。

アルペンスキーという共通点があるだけで、一瞬でその時間を遡れることに、改めて感謝していたのです。

「翼よあれがパリの灯だ」という言葉で知られる、チャールズ・リンドバーグも奈良ホテルの宿泊したひとりです。

1927年に、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したのですが、こんな言葉も残していました。

私は空と、飛ぶことを何よりも愛している。もちろん危険はある。しかし、適度な危険は人生を豊かにするのだ

もの作りを愛し、人と話すことを愛してきたつもりです。

今回、引き受けさせて貰ったのは、奈良ホテルが会場というのは大きかったです。

名建築で名講演とはなりませんでしたが、機会があればどんなことにもチャレンジしていきたいと思うのです。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

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なにくそ‐2092‐

今日は、何でもある尼崎へ行っていました。

JR神戸線で移動です。

何でもあるだけあって、企業も色々。

グリコ。

そしてヤンマー。

横のグランドにはセレッソの横断幕が。

ここはサッカースクールの練習場のようです。

そして昔ながらの工場街。

やっぱり何でもある街です。

今日は尼崎市役所行きなので、一駅西の立花まで。

これまでに来たことがあるのか分かりませんが、立派な駅前です。

ただちょっと歩くと下町感満載です。

意外に道が広いことに驚きました。

市役所はちょっと遠くて、歩いて10分と少し。

昔ながらの市役所といった感じでした。

クリニック開業の相談で、アポイントを取っていました。

私は建築のことしか分かりませんが、行政と民間では、なかなか互いの視線は重ならないものです。

クライアントの代理人として相談するのですが、やや解釈が違っていました。

どうするべきか考えながら、大阪駅まで戻ってきました。

全て民のお金ですることなのに、様々な法規制を受ける建築は稀なジャンルだと思っています。

同業と話する時は「そうだよなあ」となりますが、他の仕事をしたことがないので、本当のところは分かりませんが。

大阪駅をエスカレーターで移動していると、何かの匂いが鼻孔に届きました。

菜の花でした。

若干油分を含んだその匂いは、お世辞にも良い香りとは言えません。

しかし、間違いなく春の匂いでした。

昨年の春に亡くなった、元西鉄の強打者で「怪童」と呼ばれた中西太さんは、指導者としても一流でした。

メジャーリーグでも活躍した、若き日の岩村明憲さんのヘルメットに「何苦礎」と書いたそうです。

何ごとも苦しい時の経験が自分の礎をつくる

岩村さんはそこに魂をつけ、何苦礎魂を座右の銘としたのです。

経験的にもよく分かります。

私も何苦礎魂で何度でも突破したいと思います。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

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本が木なら、読書は心の森林浴‐2084‐

昨年の春から、アトリエの移転先を探し始めました。

日曜日は谷町六丁目へ。このエリアは2回目です。

長堀通沿いにある地下鉄の出口をでると、東へ上っているのが分かります。

少し東へ歩くと上町筋にでます。

このあたりが、上町台地の尾根にあたります。

北を見ると、左手に大阪歴史博物館が。

反対に南を見ると、緩やかに下った先には、近鉄の上本町駅周辺のマンションが見えています。

尾根を越えると今度は東に下りだし、玉造に至るのです。

大阪市内の物件をそれなりに見に行きましたが、今回はかなり条件がフィットしています。

ご縁があれば良いのですが……

谷町六丁目駅に戻る途中も、あちこちに段差のある道があります。

そこを下ってみると長屋が残っているエリアがありました。

古いお寺も残っています。

段差と、真っすぐでない道が旧道の雰囲気を醸し出しているのです。

煙突を見つけました。

銭湯です。

しかし、1年と少し前に閉店してしまったようです。

看板も雰囲気十分。

Webサイトで探してみると、かなりいい感じだったので本当に残念です。

駅のすぐそばには、隆祥館書店という本屋さんがありました。

「読書は心の森林浴」という張り紙がありました。

読書とは、人間が築いてきた 「本」という素晴らしい木々の生い茂った世界に入っていくこと、とあります。

本屋さんのポップをSNSとするなら、この張り紙はブログです。

私も画像や短文のSNSよりは、しっかり書けるブログの方が好きです。

隆祥館書店の店主の方は、シンクロナイズドスイミングの日本代表選手でおられたよう。折角なら寄ってくれば良かった……

もしこの近くに越すことになれば、いつでも行けるので、楽しみにとっておきます。

さて、アトリエの移転計画はどうなることか。

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

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紙は最速、最高‐2070‐

クリスマスソングがあちこちから流れ、街ではイルミネーションが華やかです。

週末天王寺に行った際に、書店を回ってきました。

あべのルシアスとアポロビルの2階にまたがってある喜久屋書店。

昔ながらの本屋さんといった雰囲気ですが、かなりの品揃えです。

通路が広いのはとても見やすい。

こちらはあべのハルカスの7階に入っているジュンク堂。

売り場面積も広く、ディスプレイもよく考えられています。

こちらは文庫本の新刊コーナー。

目に付きやすい高さには、縦置きの平積みと言えばよいのでしょうか。

ツタヤのようなディスプレイで、お勧めがとても分かりやすい。

マニアック(失礼!)な出版社もありました。

出版社はあったのですが探していた本は無く、ネットで買うしか仕方がありません。本当は実店舗で買ってあげたいのですが。

本屋が大好きなので、2店舗で1時間半くらいうろうろして、6冊ほど購入しました。

こちらは照明メーカー「コイズミ」のカタログです。

紙質も良く、900ページくらいあります。

照明器具をセレクトする時は、パラパラとめくりながら付箋を貼ったりして、絞り込んでいきます。

右下に2019年を消して2023年と書いてあります。

新刊がでなければ古いものの方が使いやすく、そうしているのです。

こちらは、リクシルのインテリア建材のカタログ。

進行中のプロジェクトごとに色を決めた付箋を貼ってあります。

ページの端に寄るほど重要度が高く、中心によるほど低いというルールも作っています。

建築は凄い数の部材で構成されているので、普段から相当な数のカタログが手元にあります。

このペーパーレス時代に、未だに紙に埋もれて働いているような仕事です。

しかし、高級家具メーカーだったり、一部の照明メーカーは紙のカタログを廃止。Webカタログのみになってしまいました。

ある高級家具メーカーの担当者は、「私たちも残念で、古いカタログをボロボロになっても使っているんです!」と言っていました。

資源保護、経費削減の観点から、ペーパーレス化が進むのはやむを得ないと思います。

しかし、一家具メーカーの担当者がそう嘆いているのですから、膨大な数の部材、建材を捜し、決めていく設計者にとっては死活問題。紙のカタログは必需品なのです。

すでに決まっている部材の情報を探すならWebカタログで十分です。

しかし、色々なページをめくっては、付箋を貼ったり、しおりを挟んだりして、物を絞りこんでいく作業は、正直、Webカタログでは不可能です。

この先、書店が増えていくことは無いでしょう。

もし実店舗がなくなったら、本をザッピングする楽しみも完全に無くなってしまいます。

ある印刷会社の社長が、ヤフーの広告担当者と話したところ「紙ってやっぱり最高に早いよね」と言っていたそうです。

もっともペーパーレス化が進んでいそうな企業の社員がそう言ったのも面白いですが、「やっぱり分かっているよね」という気もします。

大手メーカーの、そして大手書店の経営者の方に、切に訴えたいです。

紙は最速、最高。

大切に大切に使うので、これ以上何も減らさないで下さい、と。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

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楽しむではなくて、面白がることよ by 樹木希林‐2051‐

昨日、今日と秋晴れが続きました。

家庭菜園なのか、近所の小さな畑では立派なピーマンがなっていました。

ナスビ。

イチジクも、間もなく収穫でしょう。

実りの秋です。

きききりん=樹木希林

「悠木千帆」の名で、すでに人気女優でしたが、34歳の時にテレビの企画でこの芸名を競売で売却することになりました。

プロデューサーらと相談し、「樹や木が集まり稀(まれ)な林を作る」の意味で、「キ・キ・キと音が重なるのは好き」というご本人の意向もあって、この芸名が誕生したそうです。

その彼女の言葉を集めた『一切なりゆき』。

157のタイトルに簡潔な解説がついているのですが、単語で表せば、ユーモア、脱力、達観、がしっくりくるでしょうか。

失礼ながら、文筆家ではない女優さんから、これだけのことばがでてくるのかと驚きました。5つ程ピックアップしてみます。

①物を買わない、持たない希林さんの最高傑作

私の下着はみんな前が開いてるの(笑)

買うのは靴下だけという生活を何年も続け、友達の旦那が亡くなる年でもある。下着はゆるゆるがいいので貰ってくるそう。

②希林さんそうなんです。ちょっとだけ違和感があったんです。

楽しむではなくて、面白がることよ

楽しむというのは客観的。中に入って面白がるべきだと。「楽しむ」ということばが大安売りの世の中。最も腑に落ちました。

③至言

自分が一番トクしたなと思うのはね、不器量と言うか、不細工だったことなんですよ

※原文を抜粋

私は、普通だと思っているけど、他人がそういうふうに見るから、ああ、そうなんだなあと思って見ているうちに、器量よしばっかり集まる芸能界に入っちゃったんですよ(笑)。

(中略)

ま、だから、自分が不器量だということに早目に気がつかされちゃってね。

それでね、案外自分としては、男を見誤らないできたという確信があるんですよ。要するに、見誤らないというのは、自分がこうだと思ったとおりなんです。それを選ぶか選ばないかは、自分の縁ですからね。

だから、不器量であるために、他人が私に関心を寄せないから、こっちが自由に人を判断できる。今日まで、いろんな男の人との出会いがあって、中には、うーん、ねえっていうのもありますけど(笑)、それも含めて納得しているんですね。不器量のトクな点だなあと。-

④生死感

もう人生、上等じゃないって、いつも思っている

- ※原文を抜粋

人生が全て必然のように、私のがんもまったく必然だと思っています。

(中略)

今日になって明日っているのは困るけど、1週間あれば、まあ整理できちゃう。がんってのは準備ができるからありがたい。それは悲壮でもなんでもないんです。-


郷ひろみとの「林檎殺人事件」、ピップエレキバンのCM、フジカラーの「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」など、時代々々に大きな足跡を残した女優さんでもあります。

フジカラーのCMでは撮影前まで「美しい人はより美しく、美しくない方も美しく」だったのが、希林さんの提案で変わったそうです。

ご存じの通り、希林さんはミュージシャンの内田裕也さんと再婚するも、すぐに別居。しかし離婚はせず、ほぼ一人で娘の也哉子(ややこ)さんを育てました。

最後は、その也哉子さんに掛けた言葉です。

⑤娘、也哉子さんへ

おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい

この言葉に、人生観の全てが凝縮されているようでもあります。

面白がって、平気に生きたいと思えました。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

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Pride of Japan「富岳」と「大谷」‐2049‐

■HOUSE DEVICE-建築士会の建築家と家をつくろう ■

・日時:2023年10月7日(土)10:00~16:00
・場所:大阪市立住まい情報センター 5階 研修室
※入場無料・予約不要

先月は、ドローンの国家資格取得のためにポートピアアイランドへ3回通いました。

NCN DRONEの講習会場、KOBEモビリティフィールドは人工島の南端にあります。

毎回早めに行って、コツコツと島内を見てまわりました。

更に南にあるのは神戸空港島。

その名の通り、神戸空港があります。

行先の掲示板です。

新千歳、長崎、羽田、下地島、那覇。

下地島は行ったことがありません。
調べてみると宮古島でした。

コロナ前のインバウンド最盛の頃、宮古島で本格的なヴィラ建築の相談を受けていました。

その他の宿泊施設も数件。

コロナがなければという気持ちもありますが、それはそれで人生です。

空港に来るといつもそうですが、今すぐ旅にでたくなります。

今年、来年くらいにはそろそろ……

会場から最寄り駅の計算科学センター駅すぐ北には、こちらもその名の通り 理化学研究所計算科学センター があります。

STAP細胞で一躍有名になった小保方さんも、こちらの研究員でした。

しかし最も知られるのはスーパーコンピューター「富岳」でしょう。

入ってすぐのところに、模型が展示されています。

誰でも見学できる展示コーナーがエントランスのすぐ横にあるのです。

計算科学センターのミッションは「ハイパフォーマンス・コンピューティングで未来を拓く」とあります。

富士通と共同開発した初代のスパコンの「京」は2011年に運用が始まり、2019年にシャットダウンされました。

そのCPUなどは研究機関や、寄付者に贈呈されたそうです。

要するにもうないということです。

そして「富岳」は2021年から本格運用が始まりました。

しかし、整備期間中の2020年4月、完成前ですが新型コロナウイルス対策に使うことが決定されます。

飛沫がどのように広がるかや、どうやって飛沫を防ぐかの動画を私もニュースで見た記憶があります。

2021年の運用開始とともに、「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」の4部門で世界ランキング1位を獲得します。

また、新型コロナウイルス対策の研究によって、2021年ゴードン・ベル賞の「COVID-19研究特別賞」に選ばれました。

まさにその力を「いきなり見せつけた」のです。

先で計算科学センターのミッションを紹介しましたが、サブタイトルには「計算の 計算による 計算のための科学」とありました。

???

ちょっと一般人の頭では理解できそうもありません。

スーパーエリートが集う場所なので、そのくらいで丁度良いのだと思いますが。

ちょっと小賢い大人が集まれば「日本は駄目だ」「グローバルな視野をもたなければ」と言います。

そうなのかもしれませんが、大谷翔平はMLBでホームランキングのタイトルをとり、富岳は世界一になりました。

大谷のタイトル獲得に対して、世界最多ホームランを記録した王貞治が以下のコメントを出していました。

我々の時代は(メジャーを)見上げていたんだけど、彼は逆に見下ろしてるんじゃないかってくらい

やはり憧れるだけでは駄目なようです。

見下してしまうくらいの努力あってこそだと思いますが、日本も日本人も、絶対に誇りに思ってよいと思うのです。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

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草葉の陰から‐2031‐

■■■プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」8月1日オープン ■■■

朝のジョギングコースに材木屋があります。

材木を保管するため天井は高く、かなり大きな建物です。

裏口を見ると、かなり年期が入っていることが分かります。

祖父が材木屋をしていたので、少しのぞいていると従業員に声を掛けられました。

事情を話すと、「中も撮ってくれていいですよ」と。

土間はたたきで、子供の頃によく行った、祖父の仕事場と似たつくりです。

従業員の方が「築70年以上は経ってるんじゃないかな」と。

「材木は本当は縦置きしないほうがいいんだけど、スペースの問題で仕方ないんですよ」とも言っていました。

自然光が材木を照らす風景と、木の良い匂いが、一気に記憶をフラッシュバックさせるのです。

父方の祖父は、岡山で材木屋を営んでいました。

最後に祖父の仕事場をのぞいたのは2005年の8月。

祖父は93歳まで生きましたが、その1年前に亡くなっています。

ちょうどデジカメに移行した頃で、フィルムの写真は見つけることができませんでした。


夏になると、仕事場にある井戸で自分が作ったスイカを冷やし、よく食べさせてくれたのです。

この時、祖母は89歳。長男との初対面でした。

祖母もこの4年後、2009年に93歳の生涯を終えたのです。

生命はつながっていることに重要な意味があるんだ。

両親から私へ、私から息子へと。

このつながっている全体をさして人生というんだ。

- ブルーザー・ブロディ- プロレスラー

私が大好きだった、プロレスラー「インテリジェンス・モンスター」ブルーザー・ブロディ-が残した言葉です。

間もなくお盆。

人手が足りないにもかかわらず、多くのオファーを頂き、本当に有難い限りです。

今年のお盆も、目一杯働くつもりで、墓参りは叶いそうにありません。

それでも、鬼籍に入った4人の祖父母は、草葉の陰から応援してくれるという確信があるのです。

先述した ブルーザー・ブロディ- は新聞記者出身で「インテリジェンス・モンスター」の名に恥じない論客でもありました。

それもあってか、プエルトリコのブッカーでもあったレスラーに、口論の末ナイフで刺され、非業の死を遂げるのです。

祖母と初対面時には0歳だった長男が、今年から大学生です。

働くということが、どういうものか、命ある限り行動で示したいと思うのです。


■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

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天が味方した、かもしれない『梅雨将軍信長』‐2017‐

曇りだったり雨が降ったりと、梅雨らしい天気が続きます。

アジサイは今が盛りでしょう。

王道の紫。

白。

写真的には、赤紫が一番嬉しいかもしれません。

この時期の楽しみです。

ただ、最近の雨は、降る時はかなりまとまって降ります。

この間もちょっと怖いくらいの雨脚でした。

この時期になったら読もうと思い、購入したのが3年ほど前。

何故か機会を逃し続けていましたが、ようやく読み終えました。

『梅雨将軍信長』は新田次郎の短編集です。

『孤高の人』、『武田信玄』、直木賞受賞の『強力伝』と、大好きな作家の1人なのです。

歴史小説でありながら、技術者や科学者を主人公として描いた小説を、彼は「時代科学小説」と呼んでいます。

そんな小説が9編納められているのです。

表題となった 『梅雨将軍信長』 は、気象庁勤務だった新田次郎のキャリアを生かし、現在で言う気象予報士、平手左京亮という人物を登場させます。

少数による奇襲で、今川義元を討った桶狭間の戦い(1560年)、最強と言われた武田の騎馬隊を打ち破った長篠の合戦(1575年)、そして明智光秀に討たれた本能寺の変(1582年)は、現在の暦で言う6月と7月に起きています。

桶狭間の戦いでは、後梅雨の豪雨の中で、少数による奇襲攻撃が功を奏しました。

長篠の合戦では、梅雨の中休みに、信長自慢の鉄砲が火を噴きました。

この勝利によって、天下統一をほぼ確実なものとし、戦国時代の流れを変えたのです。

しかし、 本能寺の変の年は異常気象で空梅雨でした。

平手左京亮は、乾燥期には動かない方が良いと進言しますが、信長は受け入れませんでした。

そして、雨の日は憂鬱になり、晴れの日は別人のように快活になる明智光秀が謀反を起こすのです。

それまでは、天を味方につけていた梅雨将軍信長が自刃する場面で終わります。

小説ですから、時期以外は全てフィクションでしょう。

しかし、日本の歴史上、最も劇的な成功を収めた信長になら起こりえたかもと思わせるものがありました。

この小説も、梅雨時期の楽しみに追加して貰えればと。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

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話芸の達人‐2015‐

梅雨に入り、あちこちで田植えが始まっています。

今朝は田植えには絶好のタイミングだったのかもしれません。

多くは機械化されているのだと思いますが、この田んぼでは1本、1本雑草を抜いているところでした。

腰を曲げて大変だなと思いますが、こんな時は、秋の収穫に思いを馳せるのでしょうか……

建築写真はやはり快晴に限ります。

梅雨時は頭が痛い時期なのですが、写真家が「梅雨の合間の晴れは、良い空になることが多いんでよ」と言っていました。

注意してみていると、確かに空の色が素晴らしいのです。心待ちにしている、こちらの心境も影響があるのかもしれませんが。

先週、上岡龍太郎さんが5月に亡くなられたというニュースがありました。

私の年代なら『パペポTV』、『探偵ナイトスクープ』です。

長寿番組だった『11PM』の後番組、『 EXテレビ』も記憶に残っています。

月・水・金が 東京の日本テレビの制作、火・木が関西の読売テレビが制作。

火・木の司会が上岡さんでしたが、関西色のはっきりした芸人さんでしたが、誰もが認める話芸の達人でした。

息子さんで映画監督の小林聖太郎さんは、1学年上ですがスキー部の合宿などでご一緒したことがあります。

それもあり、勝手ながらより身近に感じていました。

御尊父をお送りする言葉が、各所に掲載されていました。

ウィットに富み、ユーモアを交え、かつお二人の関係を率直に語る文面は、流石は一流の映画監督だなあと感心していたのです。

「テレビで面白いのは、素人が芸をやるか、玄人が私生活を見せるか」

上岡さんは、この持論をよく披露されていました。

ディープなファンが多かったので、それほど番組を拝見していない私が言うのも何ですが、更に印象に残っている言葉があります。

「どんなジャンルにおいても、せめて1つくらいは自分の意見がしっかり話せるようにしておくべき」

会話というものは、まず聞くことが基本だと思いますが、ただニコニコして聞いていれば良い訳でもありません。

芸人さんなら勿論だと思いますが、仕事においても同じだと思います。

ある意見に対して、相手が話してよかったと思える応対ができるかはとても重要です。

どう感じたかを話すためには、何かしら、自分の意見を持っていなければなりません。

どんなジャンルにでも興味をもつこと。そして1つは掘り下げておくこと。

上岡さんの言葉がストンと腹に落ちたので、私なりに実践してきたつもりです。

そういえば、学生時代の聖太郎さんは、スキーでも音楽でも、マニアックな話しをしたりして、いつもゲラゲラ笑っていたことを思い出します。

流石、サラブレッドは違うなと思っていたものです。

血縁はなくても、芸や考え方は引き継げる部分もあるはず。

そう考えれば、勝手に、一方的に思い込み師匠でもあります。

上岡さんのように格好の良い引き際は無理ですが、実りの白秋を迎えられるよう、まだまだ続けて行きたいと思っています。

心からご冥福をお祈りいたします。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演
■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開
■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

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10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

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大リーグ養成ギブスじゃなかった‐1993‐

■半地下の音楽室がある「没頭できる家」オープンハウス開催■

場所:大阪府南部
天王寺駅から電車で30分
日時:2023年 3月26日(日)10:00~16:00
詳しい場所はお申込み後にメールでお送りいたします。

昨日は早起きして、阪神電車で三宮へ。

6時台にも関わらず、かなりの人出です。

高速バスで淡路島へ向かいました。

明石海峡大橋を渡る時、何故これ程ワクワクするのでしょうか。

岩屋の町が見えてきました。

目的は3月上旬に視察した建築計画の調査でした。

計画地は西浦ですが、担当行政機関が集まる洲本までやってきたのです。

洲本は何度か来たことがありますが、歩き回ったのは初めてです。

勿論海もあり。

レトロ通りあり。

山が近くに迫るのもいい感じです。

またしっかり書いてみたいと思います。

行きの高速バスに乗っている間に、WBCの決勝戦が始まりました。

ネット配信で、アメリカの初回攻撃を今永が抑えたところだけ観ることができました。

いい試合になりそうだなと思いながら、アポイントを取っていた行政機関へ向かいました。

濃いピンクはアーモンドでしょうか。汗ばむほどの陽気です。

打ち合わせすると課題がでてくる。その課題を解決するために他の行政機関への移動。これを繰り返します。

移動中にアメリカ戦を観ようとするも、回線が混んでいるからか繋がらず。

これは「あなたも自分の仕事を頑張れ」という事かなと思い、ギアを上げて洲本市内を駆けずり回りました。

多くの課題は解決方法が見え、予約していた帰りのバスに何とか駆け込みました。

三宮から再び阪神電車に。

ようやく梅田に戻ってきたのです。

するとこんな看板が。

春の高校野球に合わせてでしょうか。

私の世代なら、「巨人の星」より「ドカベン」でしょうか。

中学、高校時代はやっぱり「タッチ」です。

中学野球を描いた「キャプテン」と、高校へと続く「プレイボール」も含めて、全巻コミックで読みました。

思い入れとしては「キャプテン」 が一番強かった気がします。

家に帰ってから、録画していたWBCの決勝戦を観ました。

「漫画でもこういうストーリーは描かない」という言葉が冠される大谷翔平選手。

オールスター軍団と言ってよいアメリカを破り、日本を世界一に導く原動力となりました。

最後の場面は、ダルビッシュの後を継いでリリーフ登板。

MVPを3度受賞のエンゼルスの同僚、マイク・トラウトを三振に切ってとりました。

投手と指名打者でベストナイン、そして大会MVPを受賞。

投げては星飛雄馬、打っては山田太郎、恰好よさは上杉達也。完全に漫画の世界のヒーローを超えています。

侍ジャパンのメンバーも、キャラクターが立っていました。

陽気で熱血漢のヌートバー。憎めないルックスと裏腹の打撃力、近藤健介。小柄ながら、信じられない破壊力と正確さを備えた、吉田正尚。最後の最後に爆発した、最年少三冠王村上宗隆。おっとり顔から想像できない長打力の岡本和真。ここ一番は何とかしてくれる山田哲人。骨折しながらも出場を続ける守備職人、源田壮亮。どこにでもいそうな雰囲気で打ちまくった中村悠平。

甲斐キャノン、2本塁打の牧、超オーバースローの湯浅。サイドからの剛速球、大勢。165km/hの佐々木朗希……

出きれば全員書きたいところですが、侍ジャパン自体が漫画を超えていたのかもしれません。

日本が誇るメジャーリーガー、ダルビッシュ有と大谷翔平が繰りかえした言葉は「楽しむ」でした。

一流のメジャーリーガーになる為に必要なのは、大リーグ養成ギブスではなかったようです。

星飛雄馬、山田太郎、谷口タカオに思い入れた世代は、ついつい歯を食いしばって、となってしまいます。

世界一となった2人の言葉を見習って「楽しむ」を心掛けたいと思います。

準決勝で辛勝したメキシコの監督の言葉も各所で取り上げられました。

日本が勝った。だが、今夜の試合は野球の勝利なんだ。

元野球少年だった私にとっても、夢のような2週間でした。

ありがとう侍ジャパン。そして野球。


『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

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