カテゴリー別アーカイブ: 03 自然・季節

一番絞りを眺めながら小を思う‐1077‐

 昨日は、昼過ぎからキリンビール神戸工場へ。

 中国道、神戸三田ICを下りるとすぐの所にあります。

 大阪からは1時間くらい。

 大人の社会見学がブームだそうです。

 ビール工場に人気があるのは当然です。

 出来立てビール、3j杯の試飲付きですから。

 昨日は、最終回だけ空きがありました。

05 - コピー

 ビールは、麦芽、ホップ、水の3つだけで出来ています。

 麦芽とは麦の実を発芽させ、根を切ったもの。発芽の際、発酵に必要な酵素が生成されるそうです。

 ホップは、ビール独特の苦味と香りを生みます。後は水。

 ビールとは非常に単純な材料でつくられる発酵飲料でした。

 ワインも同じですが、それゆえ差がでるのでしょう。

 40分ほど掛けて、アテンダントが工程を説明。

 最後は眺めの良い部屋で20分の試飲。私は運転なので、どんな味かは妻しか知りません。

 トリックアートあり。

 送迎のラガーバスあり。これらが全て無料です。

 大きいことが必ずしも素晴らしいとは思いませんが、これらは大企業のみの出来ること。私達もその恩恵にあずかってきました。

 幅広い支持をを集め、様々な形で社会に還元。更に支持を集めていく。これが、発展する企業の特性でしょう。

 今日は七夕。

 庭樹の竹には子供たちの短冊がつるされています。今年も「けんちくか」とありました。大にしか味わえないダイナミズムがあるとするなら、小の特権は何だろうと考えます。

 あえて言うなら「生きている」という実感でしょうか。

 もし私が短冊を吊るすなら「工事金額が合いますように」です。

あの花、シランかったん?‐1064‐

 5月の初め、「Shabby House」のクライアントと、庭木を見に行っていました。

 正面に植えたのはプンゲンストウヒ。

 ヨーロッパではクリスマスツリーとして使われる樹です。

 しかし、昨夏の猛暑に耐えられず、枯れてしまったのです。

 数本で影を作りあえれば良かったのですが、日本の日差しは厳しかったようです。

 この樹も、河南町にある古川庭樹園で探しました。

 こちらの専務、この世界では名の知られた人。

 広大な畑を案内し、唯一無二の1本を一緒に探してくれます。

 この日も運命の1本と出会えました。嫁いでくる日は、見に行こうと思っています。

 前回、庭先の花について書きました。

 すると、親戚からメールが。

 カタツバキはアヤメと間違うほど似ています。シランの葉っぱは、笹の葉のようで、丸まっています。あの写真はシランだと思います。

 しかも、義父から妻が貰った花でした。

 この仕事を始め、庭樹は詳しくなりました。しかし花となると……知識の浅さが露呈していまいました。お恥ずかしい限りです。

 人生の先輩からの指摘だけあって、気遣いも嬉しい限り。

 ブログを読むたびに、知的で、哲学的な内容に感じ入っております。

(中略)

 実物と図鑑で確認してください。あの花、シランかったん?

ゆく夏を惜しむ前に

 昨日は朝4時に起き、福井の海へ。

 青い空、山の緑、白い砂、そして澄み切った海。

 何十回訪れたのか。

 私にとって夏の海はここだけです。

 船を下し、タープを張っていると、大学時代の後輩が一番にやってきました。

 まずは4人で魚釣り。その後、磯で潜ります。

 晴れた日なら、船上から10mの底が見えます。

 日本海の水が澄んでいるのは、大きい川が少ないからと聞きました。

 これが本来の海の色なのです。 

 今回、当事務所のスタッフ2人と、中学からの友人Sも久し振りにやってきました。

 S家の4人兄弟で、うち3人が参加です。
 
 総勢11名になり、今回は知人が船を貸してくれました。

 一番上の男の子は、時々ですが会っています。

 中3になり、ついに身長で並ばれ、体重で抜かれました。

 お祭り男のお父さんに似て、この日も皆を笑わせていました。

 最後のスイカ割りも全開。何をやっても憎めないのです。

 彼はある競技で、ジュニアアスリートとして日本の世界のトップレベルにいます。

 世界一になることを心から応援しているのです。

 彼に負けないよう、私も頑張らねばなりません。 

 子供が増え、大きくなり、食べる量もかなりのもの。

 手つかずの自然を見せたい。タコの捕り方を教えたい。

 色々思うのですが、、ホストとしては料理の時間が増えてきました。

 しかし、子供達が「ほんと楽しかった」と言ってくれれば、全て報われます。

 子供は未来の宝。その子供に夢を見させることが出来るのは我々大人。

 どんな事でも常に全力。遊びだってもちろん全力です。ゆく夏を惜しむ前に。

Off Time 綺麗な海、美しい海

 4月の初め、女性ライターと男性のカメラマンが来所しました。

 ASJという建築家ネットワークに登録しているのですが、機関紙が発刊されています。その中の「建築家のOff Time」というコーナーの取材でした。

 Off Timeなので、仕事以外の話です。

 同年代の2人と話していると、あっと言う間に2時間が過ぎ。

 結局、海、スキー、旅などの話しになりました。

 webサイトでも見れるのでもし良ければ。

 晴れなら海へボートを持って行き、現地で取材を受ける予定でした。

 しかし残念ながら当日は雨。

 よって事務所での取材となりました。

 なかなか楽しそうなページになったのではと思っています。

 ただ、海へ行くことをOff Timeとは思っていません。

 仕事ではありませんが、バカンスとも思っていないのです。

 言ってみれば、夏の生活の一部。

 脈々と受け継がれてきた狩猟本能を満たしに行くと言えば、かっこつけ過ぎでしょうか。

 違うスイッチがOnになっています。

 自分のコメントの中に「綺麗な海」という箇所がありました。

 普段「綺麗」という言葉は、使わないようにしていますが、この日口にしたのかどうか……

 建築家・出江寛はこう言っています。

 綺麗は清潔の類。美しいものを創りなさい、と。

 来週から7月です。 Welcome big summer.

 いざ、美しき海へ。

ミカンの天敵

 先週末に続いて、和歌山へ。敷地調査をしてきました。

 こちらのお家は代々ミカン農家で、裏山に畑があります。
 
 丁度「サンボウカン」という種が成っており、その場でもいでくれました。

 和歌山のお殿様へ三宝に乗せて献上したから「サンボウカン」。

 見た目と違い、とても甘い種でした。

 残念ながら、現在は出荷していないそうです。

 和歌山県はミカンの生産高日本一。

 南面した山肌は、かなりの所まで畑になっています。

 ミカンは水はけの良い土地が向いているのです。

 開墾の際に出た石を積み、急な段々畑が作られました。

 手積みした石垣は身長程あり、近くで見ると結構な迫力です。

 その上にあるのは、マキの防風林。

 防風林は、風に吹かれ、キズがつかないようあります。

 大事に育てられたミカンは、丁度ピンポン玉くらいになっていました。

 収穫は10月から12月。

 現在は、モノラックという設備が、畑の中に張り巡らされています。

 しかし重労働には変わりません。

 手間暇かけて作ったミカンですが、売値は決して高くはないとのこと。

 和歌山のミカンと言えばブンランド力もあるなず。

 何故安いのか聞いてみました。

 「ペットボトルのジュースの影響が一番じゃないかな。

 うちの子でも、皮をむいてやれば食べるけど、あっちはひねるだけやもんね。

 最近あんまりミカン食べないでしょ」と。

 500mlのペットボトルが市場に出回るようになったのはいつ頃からか。それを機に変わったのはミカンだけではない気がします。

 以前なら、それらを人前で口飲みする時、少しの抵抗感は持っていました。しかし今は何のためらいもありません。

 ミカンとペットボトルだけの話ではないのかも……考えさせられるのです。

麦と稲と首長から学ぶ

 昨日は「柏の家」のクライアントと打合せでした。
茨城県取手市にある施工会社まで約5時間。

 上野から常磐線に45分ほど乗ると藤代です。

 2:30pmから始まった打合せが、気がつけば7:00pmを回っていました。

 慌てて駅へ向かい、電車に飛び乗ると、何とか終電で帰ってこれました。

 地下鉄谷町線は、御堂筋線に次ぐ黒字路線と聞いています。

 しかし、東梅田から南行きは11:40pmが終電。

 私の知る限り、最も早い終電です。

 それがこの春から12分延長されました。

 地下鉄の終電延長は橋下改革の一つです。誰もが無しえなかった事を実現するその手腕、腕力は皆が評価しているはずです。

 陶芸家、書家の北大路魯山人は「我は美のしもべ」といい、建築家、中村好文は「私は建築のしもべ」と言いました。

 大阪の顔だという自覚を持ち、間違いは侘び、改め、市民の下僕というつもりで働いて欲しいと思うのです。

 畑を彩るのは麦でしょうか。

 以前は、人力で麦ふみをしたと言います。

 踏みつけられた麦が、より逞しく成長するからですが、同様に平坦な人生などありません。

 自然から学び、人から学び。

 人生の収穫期には、実るほど頭を垂れる稲穂かな、と笑える人生にしたいと思うこの頃……

カンパ

 JALの名誉会長となった稲盛和夫さん。

 酒でも飲んで、どんどん社内コンパをしなさいと言います。

 先週、久し振りに池原ダムへ行きました。

 その話をすると、スタッフが行ってみたいと。彼はこの春から働く23歳です。

 なら行くかと、第1回湖上コンパを開催することになりました。ただ2人で釣りに行っただけですが。

 土曜の夜、仕事が終わってから、池原より更に遠い七色ダムへ。

 夜中に着き、ボートをセッティングします。缶ビールをのみ、178cmの彼と狭い車内で仮眠。5時過ぎにスタートフィッシィングです。

 ここは所長の威厳をかけて、まず1匹釣らねばなりません。

 開始してすぐ、イメージ通りの魚を仕留めました。自分が釣りをしている写真は極めて少なく、彼が撮ってくれました。

 基本的には楽しんで貰うために来ています。彼も2匹の魚を釣りあげました。

 小さい頃から釣りが趣味だったようで、要領は得たもの。今まで、日曜日まで私と居たくはなかろうと、スタッフに声を掛けた事もありませんでした。

 ところが、5年目になった女性スタッフも「釣り道具を買ったので、一度行ってみたい」と。それなら、夏は皆で海へ行くか、という話になりました。

 コンパという言葉は、いつから市民権を得ているのか。辞書を引くと、会社のcompanyと全く同じと解りました。正確に言えば「カンパ」となるのでしょうか.

 元は「パンを共にする仲間」という意味だそうです。同じ釜の飯を食うと言いますが、それが語源とは良くできた言葉です。

 急に野外化してきた当事務所。グッドカンパニー化のアウトドアカンパなら、これ程たやすいことはありません。

池原の悲しき恋人

 昨日、長男と池原ダムへ行って来ました。

 奈良県の最南端に位置しますが、訪れるのは9年振りです。

 ここでのターゲットはブラックバス。外来魚問題はさけて通れないので、少し歴史を書いてみます。

 ブラックバスは、大正末期に食用として北米から輸入されました。初めは芦ノ湖、その後いくつかの湖に移植されます。

 繁殖力が強く、かつ攻撃的な肉食魚で、ルアーフィッシィングの対象となりました。

 そんな理由もあり、人為的に多くの湖に放流されていったのです。琵琶湖ではモロコ、ニゴロブナの減少が大きな問題になりました。

 滋賀県では2003年に再放流禁止条例、そして外来生物法へとつながっていきます。

 ブラックバスはアメリカでは、最もポピュラーなルアーフィッシィングの対象魚です。釣り人はライセンス料を払って釣りをし、そのお金が自然保護に役立てられる。

 ルアーフィッシングに造詣の深かった作家・開口健は、これを例に、バスフィッシングが将来、水辺の保護に役立つ可能性がある、とも書いていました。これはあくまで釣り人側の意見ですが。
 

 池原ダムでは村も重要な観光資源と考えています。

 入漁料を払って釣りを楽しむ体制が出来ていったのです。役場も一体となって、1988年、フロリダバスという種を輸入、放流します。
 
 これはブラックバスの亜種で、より大きく育つのです。20代の頃、休みは常に湖上で過ごしました。その理由がこのフロリダバスです。

 1996年5月4日は朝から雨が降っていました。

 その夕方、65cm、6kg弱のバスを釣りあげたのです。他の釣り人に勧められ、地元で有名な人の所へ持っていきまいた。

 「日本記録級かもしれない」と。

 釣り雑誌に連絡してくれ、結構な数の雑誌に載ったのです。私は思いました。今、日本一に最も近いのはバスフィッシングかもしれない、と。

 年齢と共に仕事も増え、子供もでき、釣行回数は減って行きました。

 外来生物の抱える問題はおそらく解決方法がありません。またバスフィッシングを正当化する方法もありません。

 しかし、私の人生において、より自然との関わりを深めてくれたのは間違いありません。

 池原ダムは「バス釣りの聖地」とも言われます。聖地で、33cmの悲しき恋人と再会を楽しんだのです。

鯉、冑、柏、逞しくあれ

 ゴールデンウィークも今日が最終日。

 期間を通して天気に恵まれました。

 三重尽くしの連休は、土曜日まで五ヵ所湾へ。

 伊勢志摩のすぐ西で、リアス式海岸が穏やかな内海を形成しています。

 キャンプサイトには、弟家族が先に着いていました。

 我が家は1泊ですが、彼らは2泊。しかし、長男だけは預けて帰ってきました。 

 妹2人が共に末っ子です。

 時々喧嘩もしますが、概ね仲良し。初ハンモックにテンションが上がりきっていました。
 

 上の男3人を連れ、父と釣りへ。

 時代が時代なら、海賊が跋扈したこの地域。海賊の元は漁師ですから、流石に海は豊です。

 僅かな時間で、いいサイズのキスが連れました。それに混じって、得体のしれないものが……

 海に帰したその獲物はウミウシ。怒ると紫の液を出すのです。

 3人で大騒ぎしていましたが、こんな生き物を見るのも経験です。

 マンションから、色褪せのない鯉のぼりが揚がっていました。初節句でしょうか。

 激流を登り切った鯉は龍となり。武将のように勇ましくあって欲しいと鎧兜。新芽まで葉が落ちぬと柏餅を食べる。

 それほどまでに、元気と立身出世を願ってきたその気持ちが、分るようになってきました。

 子供の日の振り替え休日。

 逞しく育て、子供達。

 父は今日も夢を売ってきます。

木目の木星

 昨日の選挙。投票率は過去最低とのこと。

 話題も多く、投票率は上がるのではと思っていたので、意外な気もがしました。チェンジなのかリターンなのか。願わくはイノベーションであって欲しいと思いますが。

 昨日は、谷瀬の吊り橋まで行っていました。

 奈良県十津川村にある、日本一長い吊り橋です。

 長さ約300m、高さ56m。

 朝家をでて、大塔村にある「星のくに」という施設を目指しました。

 2時間程掛けて来ると、冬季につき閉鎖中という施設が多く……

 なかなか遊ぶ所がなく、20km程先の谷瀬の吊り橋までやって来たのです。

 人の体は自分が走れるスピード、時速30kmの衝撃にしか耐えられません。

 高所恐怖症という言葉がありますが、許容できない衝撃をを受け得る高さまで上がった時、恐怖を感じない方がおかしい、と言うのが私の言い分です。

 子供はグングン歩いていきますが、中央部に来ると結構揺れるのです。手摺の高さも意外に低く、もう生きた心地がしませんでした。次回は無いと思います。 

 奈良県の中央部を走る168号線。

 途中に天誅組本陣跡という史跡がありました。

 石碑横にあるお堂の前には、雪が残っていました。

 尊王攘夷派は、幕府の追撃から逃げる為、こんな山奥まで逃げ落ち、革命の機会を狙っていたのです。

 夕方になってので、「夢の湯」という温泉に寄ると貸切。

 ちょっと贅沢をしたなと思い外に出ると、すでに日は暮れ空には満天の星空が。

 ここからが本番です。

 先日買った子供用の望遠鏡「スピカ」を温泉のロビーで作りはじめました。

 これは手づくりキットなのです。

 スピカとは春の星座、おとめ座の一等星の名前という事も解りました。

 道具が不十分でしたが、何とか完成するも、娘はすでに眠りの中へ。

 長男と、真っ暗な山中を少し歩き、望遠鏡をのぞくと……

 先週習ったばかりの木星をしっかりとらえることが出来ました。

 ファインダーは輪ゴムの仮止めですが。

 くっきり、とは行きませんが何となくその木目模様も見えるのです。ちょっと感激しました。

 奈良県の内陸部は、全く手つかずの森が多く残ります。街中と比べれば光りが少なく、天体観測には向いています。

 子供にと言いながら、ちょっとクセになりそうな感もあります。

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■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』■■■ 7月8日(日)「匠」として出演しました

メディア掲載情報

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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