カテゴリー別アーカイブ: 04 建築

とどめの一撃‐1247‐

 土曜の晩はかなり雨が降りました。

 一雨ごとにの言葉通り、昨日は一気に春の装いでした。

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 庭先の梅も一気に咲き始めています。

 日本人の心を、春へ案内し続けてきた花。まさに希望の花と言えます。

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 朝、高台から見下ろす大阪キタのビル群は、なかなかに幻想的です。

 先週の木曜日、再度「高台の家」の撮影に行っていました。

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 一度自分で撮ったのですが、やはりプロに撮って貰うべきと、写真家にお願いしました。

 この日はずっと快晴で、絶好の撮影日和でした。

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 雲の無い状態が、これだけ長時間続いたのは、何十年か振りかだそう。

写 真家も、いつも以上に(いつも通りに?)気合十分で撮ってくれました。

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 建築の写真は、晴れと曇りとで、全くできが違います。

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 「釣りの日が、全部雨になってもいいから、撮影の日は晴れにして下さい」と勝手な神頼みをするのです。

 昨年の11月、NHKの「プロフェッショナル」が10周年を迎えました。

 その特番で、主題歌「progress」を歌う、スガシカオの創作の現場に密着という回がありましたが、ようやく録画を観たのです。

 彼はシンガーソングライターですが、どちらかと言えば、詞のほうにフォーカスしていました。

 Mr.Childrenの桜井和寿が「自分の醜いものや隠したいものがどうしても出てしまうのか、出しているのか」そこが凄いと語っていました。

 「川の流れのように」を書いた秋元康や、ノーベル賞候補に上がる村上春樹までが絶賛する詩人なのです。

 SMAPに提供した「夜空ノムコウ」も彼の作詞です。こう言っていました。

  現在を『あの頃の未来』と表現したことで、この曲はできた。

 後年、芥川賞の選考委員をしていた作家・開高健は受賞作を選ぶ基準をこう表現しました。

 その作品に『鮮烈な一言半句』はあるか?

 「クー・ド・グラース(とどめの一撃)」とも表現しています。

 坂の街に住むと決意したクライアントがこの土地を選び、この家は出来上がりました。

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 擁壁を超えてはならないという市条例、擁壁に荷重を掛けたくないという設計意図、階段状敷地が故の高さ制限。

 それらの条件をクリアする為に考えたのが僅かに宙に浮く片持ち構造の階段です。ミリ単位で擁壁際を狙っています。

 『鮮烈な一言半句』 『とどめの一撃』はあるのか……

 賞レースで問うてみたいと思います。

アスリート vs 経営者‐1245‐

 立春が過ぎ、僅かに寒さも和らいだでしょうか。

 現場にとって、厳しい時期には変わりはありませんが。

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 「KISHIWADA HOUSE」は基礎工事が終わったところ。

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 まだ吹きさらしの状態での水仕事は大変です。

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 暑いから、寒いからと、金額が変わる訳ではありません。

 勤勉な職人の手によって、日本の建築現場は支えられているのです。

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 現在は、基礎のベースコンクリートを打設したところ。

 「羽曳野の家」はリノベーション。 吹きさらしよりは、少しはましです。

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 それでも、暖を取る為の電気ストーブがおいてあります。

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 「長田の家」は外壁まで出来上りました。

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 随分ましになったと、監督も言っていました。

 三軒三様。過程を見て、現場の苦労と、家の有り難さがよく分かります。

 この一週間、清原の名前が記事に上がらない日はありません。

 野球選手とタニマチの関係は、野村克也の著書「野村ノート」にもありました。ここでは、阪神の選手ですが、彼ほどの知名度があれば、状況は同じでしょう。

 名経営者、京セラ名誉会長・稲盛和夫さんは、こんな話をしてくれたことがあります。京セラ所属の選手が、女子マラソンでオリンピックへ出場した時のことです。

 稲盛さんは「必ず前半からトップグループについて行くように」と彼女にアドバイスしていたそうです。

 コーチから「会長はマラソンの事はご存じないので」と、口を挟まぬよう言われました。しかし「マラソンのことは分からなくても、仕事の事は分かる。初めから全力疾走していなければ、今の京セラはなかった」と言いました。

 その選手は、確か目標通り5位前後に入賞したのですが、稲盛さんは、「可能性があったのだから、一番、せめてメダルを目指すべきだった。死にもの狂いで、トップ集団に付いていくべきだった」と言ったのです。

 経営(仕事)は、毎日毎日が真剣勝負。社員の生活を預かって、一日一日を命懸けで働いている。たった4年くらい、全力で努力が出来なくてどうする。私達は、オリンピックのメダリストより、大変な事をしていると言っても言い過ぎではないと。

 人の体は年老いて行きます。その自然の摂理を受け入れた人だけが、アスリートとして生きて行けます。その分儚く、それ故、放つ光が美しいのです。

 48歳の大人なので、全て自分の責任です。裸の王様に聞く耳はなかったのしょうか……

 寒空の中「KISHIWADA HOUSE」で、モルタル詰めをする職人が、はつらつと働く様を見て、これが仕事じゃないかと思います。

 主役以外の仕事に敬意を払えない世の中になって行っているのでは。そんな事を危惧するのです。

「美」の構造‐1243‐ 

 「行く・逃げる・去る」の通り、1月はあっと言う間に行きました。

 今日から2月。逃げられないよう、しっかり捕まえておかなければ。

 先月のことですが、豊中へ行っていました。

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 千里中央駅まで移動し、電車に乗ったのですが、駅向こうに見える景色に驚きました。

 阪急・千里中央店の外観がとてもダイナミック。

 力の流れを、そのままデザインに持ちこんでいるのだと想像しますが、最外のフレームは耐震補強の為か。

 いずれにしてもかなりの迫力。「連続の美」と言えそうです。

 先週、この阪急で働いていたという人と話す機会がありました。

 「凄い百貨店ですね」と熱っぽく語ると、「本店の次に出店したはずですが、内部のほうは……」といった感じ。

 70年代に完成したようですが、設計者を調べてみましたが分からずじまい。もしかすると天井高が低いのかもしれません。今度は中ものぞいてみます。

 「美」はそれぞれが感じるものなので、様々な答えがあります。

 しかし、カテゴリー分けすることは可能でしょうか。

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 朝靄の立つ湖。

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 凪の海。

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 水平線に沈む夕日。

 人も自然ですから、自然の美しさは無条件に受け入れられます。

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 強さに裏付けされた肉体なども、美の一つでしょうか。

 美というよりは、本能に近いのかもしれません。異性に求める美もこの一種か。

 「モナ・リザ」の美しさは、ダ・ヴィンチという人が表現したものですが、描いている対象は人。これも自然界の美が基本にあります。

 一方、ミロやモンドリアン等の抽象画、建築等は、「人が作った美」。自ずと、好き嫌いが分かれます。

 「空間なんて好みじゃない」と時々言われます。

 しかし全体のストーリーを整理し、その人らしい秩序を成立させるのが、私の仕事なのだと考えています。

 着物の上に、有名ブランドのジャケットを羽織り、革のブーツを履いている紳士が居たとします。それぞれの物は高級品。

 しかし、それを素敵だと言う人は居ません。服なら誰もが分かるのですが、空間は、このあたりが分かり難いのです。

 川の水がヘドロのように真っ黒で、無臭・無害だとします。機能的に問題が無くとも、気分が良い人はいません。

 「機能を満足する」の先にある「美しい」。それは、人にとって大切なものだという信念があります。

 建築を例にしましたが、物創りをする者にとって「美しい」を追求するのは、義務と言って良いと思います。

 次の機会には、なぜ私が「美しい」を求めるかを書いてみます。 

建築の敵‐1238‐

 今年の冬は暖かいと思っていたら、急に寒くなってきました。

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 それでも、関西のスキー場には厳しい状況が続きますが、標高のあるびわ湖バレイだけが健闘中のようです。

「滋賀の家」へ向かう東岸から、頂上付近、わずかに雪が見えていました。

 先週の取材の際、撮り忘れていたアングルを何枚か撮りました。主には吹抜けに面したセカンドリビングからのカットです。

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 吹抜けのハイサイドから、丁度、土塁上のヒノキが目に入ります。ここからの景色がとても良いと、クライアント、監督から感想を貰っていました。

 敷地が大きいので、建物の奥行きが薄く、どこからでも自然が目に入ってくるのです。

 建築の役割は、人間に自然のよい影響を全て与える装置として働くことであり、またそれは、人間を自然と建物が作り出す環境に現れる全ての悪い影響から保護することである。

 1898年、フィランド生まれの建築家、 アルヴァー・アアルトの言葉です。

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 1953年に完成した「夏の家」は彼の別荘。

 実験住宅「コエタロ」とも呼ばれるように、色々な実験がなされた面白い住宅です。

 今も好きですが、若い頃は、今以上に影響を受けていました。

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 1998年に完成した私とっての3作目。「Spoon Cafe」は、アアルトの空間を意識してデザインしました。

 特別な仕掛けがある訳ではないが、来訪者が主役だという気持ちは、強くもっていました。

 アアルトのエッセイ集はなかなか面白いのです。

 『不動産投資家』は建築の敵No.1だと言います。更に、手ごわい敵は、『建築経済性の理論』であり、普通「どんな形の家が最も経済的か?」と語れていると言っています。

 もし5階あるいは8階建の家を建てたとすると、その質問は「建物の奥行はどのくらい?長さは?持家を持ちたいと望んでいる人々に一番安く建ててやる方法は何か?」というようなものだ。

 もちろん、これを科学と呼ぶことができるかもしれない。しかしそうではないのだ。

 答えは全く簡単だ。一番奥行の深い建物ほど安い。それは明らかなことだ。さらにいえば、非人間的な家ほど安い。

 つまり、われわれのもっている一番高価な光は日光で、それを全部捨て去ればずっと安い家ができるというこいとである。

 すべての中で一番高価ものは新鮮な空気である。なぜなら、それは空調だけでなく都市計画の問題だからである。人間のための新鮮な空気は何ヘクタールもの土地、良い庭、森や草原や道路に値する。

 光と風=新鮮な空気と位置づけ、最重要視して設計をしてきましたが、新鮮な空気こそが最も価値があるとは、アアルトの視点は、かなり高いところにあります。

 しかし、建築の敵とは思い切った表現ですが、これに賛同したことで、私に投資家かからの仕事はこないかもしれません。

 真意が分かって貰えればそれで良いのですが「誰のため」「何のため」がぼやけてしまう原因に、経済性という言葉がちらつくケースは本当に多いと思います。

 勿論、経済性を無視するという意味では全くないのですが。

 真の建築は、その小さな人間が中心に立った所にだけ存在する。

 何とも表現しにくいが、なぜか良い。私にとってアルヴァー・アアルトはそんな建築家ですし、目指すところでもあります。

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主役は君だ‐1237‐

 今日、成人の日は良い天気に恵まれました。

 例年、紙面を賑わす式典ですが、今年は穏やかに行われたのでしょうか。

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 昨日は「滋賀の家」の取材に立ち会っていました。

 「住まいの設計」は老舗住宅誌。3月21日発売号は「ペットと暮らす家」という特集があり、その中で取り上げて貰います。

 この日も、絶好の取材日和。

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 撮影には、ご家族も4人で参加して貰いました。

 お兄ちゃんは就職が決まり、弟さんは大学に合格。何とも縁起のよい新春です。

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 しかし、今回の主役は4歳のトイプードル。女の子です。

 これだけ本気で撮って貰えたら、出来上がりが本当に楽しみ。

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 誌面を構成する編集、記事を書くライター、写真を撮るカメラマンと3名で東京から来て貰いました。

 写真を撮ると言っても、本当に色々なアイデアがあるものです。

 約4時間の撮影が終わり、取材チームはそのまま西宮へ移動。翌日も撮影とのことでした。

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 私とスタッフの田辺はそのまま残りました。

 「新年会しましょうと」行って貰っていたのです。

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 今回は、おでんとネギ焼きを用意して貰いました。

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 美味しい料理とお酒、楽しい(苦労した)思い出話があれば、6時間等あっと言う間。

 夕方4時頃スタートし、気が付けば10時前でした。

考えてみれば、何度最終の新快速で大阪に戻ったのか。
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 この取材の為に、テラス用のイスは新調して貰ったとのこと。本当に嬉しいことです。

 しかし、今回はもしペットがいなければ成立しない取材でした。故に、主役は完全に彼女でした。

 インターネット全盛の時代、紙媒体の縮小は顕著です。実際、廃刊になった住宅誌もあります。

 編集、ライター、カメラマンと、それぞれのプロが関わり、そのを商品として売るというスタイルが私は好きですし、重要な発表の場だと思っています。

 人の知識と技が無料なら、人自体の価値がない事になると思うのです。

 買って貰えるかは別ですが、 3月下旬にまた告知したいと思います。

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従来、先人、慣習‐1228‐

 月曜日に着工した「KISHIWADA House」

 直会(なおらい)の場を設けて貰ったと書きました。

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 広辞苑によると「ナオリアイの約。斎(いみ)が直って平常にかえる意」とあります。

 現実的には、神事が終わり、神酒などをおろして頂く酒宴のことを指します。

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 親の時代などは、結構現場でお酒を飲んだと聞きます。

 しかし、現場の人たちは車で来ることが多く、直会の機会は減ってきました。昔は飲酒運転が良かった訳ではありませんが。

 この日、わざわざ予約して貰ったがんこ岸和田五風荘。

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 元城内に建つ、素晴らしい建物でした。

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 本格的回廊式日本庭園を持ち、連続ドラマ「カーネーション」のロケにも使われたとあります。

 「カーネーション」といえば小篠三姉妹の母の話。前日、元小篠弘子邸を訪れたばかりでした。

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 現代建築と、従来からの日本建築が混在しているのが、今の日本の姿です。

 クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。

 僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。

 スティーブ・ジョブズの言葉です。

また、本田宗一郎はこう言っています。

 過去に積み重ねられた多くのものをもとにして、その上に自ら作り出した新しい世界を開いていくところに進歩があり、これがパイオニア精神だと思う。

 建築設計図という慣習も、実によくできたしくみです。

 まずは、基本設計で全体の構成を練ります。

 そして実施設計に入り、平面詳細図、 断面詳細図(矩計図)で構成をチェック。

 展開図では、内部からみた全ての面を表現します。

 仕上表、天井伏図、建具表、電気設備図……と、建物に必要な要素を、漏れなく表現できるようになっているのです。

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 これらに感謝することなく「大変、細かい、辛い」と嘆いているなど言語道断。20年前の自分に、一喝入れたいところです。

 実施図面をスタッフが描くようになってから、よけいに図面への愛情が増しのかもしれません。

 進歩し続ける人は、常に謙虚。加えて、感謝を口にします。

 どうせ感謝するなら、いますぐするべき。時間軸のことも意識したいと思うのです。

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潰さずに解く‐1222‐

 晩秋と言うにはそぐわない暖かさです。

 先週の金曜日は秋の奈良を訪れました。

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 猿沢池の東にある荒池。

 灌漑用に作られたそうですが、池越しに興福寺の五重塔を望みます。

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 天気は生憎でしたが、奈良公園も色づき始めといったところでしょうか

 年々紅葉が遅くなり、季節感も変化していかざる得ません。

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 シカも冬支度か。盛んに葉を食んでいました。

 葉を食べるだけで、何故あれだけの体を維持できるのか。好き嫌いなく、何でも食べなさいと言っていますが、果たして本当なのでしょうか。

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 奈良に来たのは、日本建築家協会の支部大会に参加するため。

 メイン会場となったのは、荒池に面して建つ奈良ホテルです。皇室の常宿でもあるのです。

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 完成は1909年、明治末で、東京駅でも知られる辰野金吾の設計。

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 その格式を求め、多くの著名人も宿泊しています。

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 奈良市街にある奈良基督教会も、今回会場の一つでした。礼拝堂は、1930年に完成しています。

 欧米から見ればおかしいかもしれませんが、この入母屋造りの教会で、信心を深めたのです。

 「古都奈良の文化財」は1998年に界遺産に登録されました。これは多くの寺社建築が主役です。

 建築の粋を集めた五重の塔も、巨大な奈良の大仏も、より不安定な世の中で、心の平静を求めてそれらは建造されました。

 現代に、更に大きな大仏をという話にはなりません。そのくらい安定した世の中という証でもあるのです。

 しかし、テロ関係の報道がない日は、未だありません。「戦争状態にある」というフランス大統領の発言を聞くと、やはり心穏やかなりません。

 仕事の場で、もし互いが望めなければ、関係を「解く」という方法があります。これが契約解消です。もし、会社を潰しにかかるとなると、また別次元の問題になります。

 関係を持ちたくないなら、憎みあう前に、せめて解くことは出来ないのか。

 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ 

 鉄血宰相と言われたビスマルクの言葉ですが、現代という歴史に学べないものかと思うのです。

川の見えるアトリエ‐1218‐

 今日は朝から三田へ。

 ある企業から敷地調査の依頼がありました。

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 JR福知山線で大阪から50分程。

 武田尾あたりの景色見てると、ちょっとした旅情を駆り立てられます。

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 トンネル群を抜けると、一気に盆地が広がります。

 刈り取りを終えた田が広がり、まさに日本の秋といった景色。

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 JR三田駅は、すぐ南には神戸電鉄の駅が隣接しています。

 北側は、すぐ近くまで山並みが迫っています。暮らしに自然が近く、好感がもてます。

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 駅南側はローターリーが整備され、衛星都市の風景です。

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 一方、隣接する商店街は、昭和の面影を残します。

 こちらのほうが安心出来るのは、昭和40年代生まれだからか。それでも残って欲しいと願うのですが。

 三田での調査を終え、そのまま北浜へ移動しました。

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 北浜の顔と言えば、やはり大阪証券取引所。

 旧建物を保存し、背後のビルが建ったのは2004年。旧建物は1935年の完成で、長谷部竹腰の設計です。

 地下には飲食のテナントも入いりますが、そのような証券取引所は世界にないそう。

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 向かいにある、難波橋のライオン像も同じく北浜のシンボル。

 完全に、ヨーロッパの模倣ですが、それでも北浜の品格を保つのに、一役買っているのでは。

 その姿は威風堂々。

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 背後にある、中央公会堂周辺の木々も色づき始めていました。

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 橋のたもとでは、川をみながらお茶をする人達がみえます。たまには、こんな所でゆっくりする、余裕も必要かもしれません。

 近くにある会社を訪ねたのは、土佐堀川沿いに建つテナントビルへの移転計画のため。

 残念ながら当社ではありませんが。

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 何処に会社を置くかは、経営者の自由です。

 またどの会社で働くかも、働く人の自由です。

 1時間圏内に、三田と北浜があるように、日本には、本当に多種多彩な街があります。

 その中で、経営者が選んだ場所に建つ、働く人が響いた会社で、人は日々の営みを送るのです。

 設計事務所の良い所は、前向きな人達と深く関われることです。建築を考えている人で、ネガティブな人はほぼ居ません。

 およそ、アトリエ系のイメージとは遠い平野で15年程やってきましたが、川が見えるアトリエは昔からの目標でした。

 小さな土地でもいいので、できれば自社ビルを。

 感化され、ひとつ花火を打ち上げておきます。

新聞広告‐1216‐

 来々月、12月12日(土)にセミナーを開催します。

 本日の産経新聞、大阪市内版広告が出ていました。

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 写真は「滋賀の家」の夕景です。

 新聞広告を出すとは聞いていたのですが、日にちは聞いておらず。ちょっと早すぎる感もありますが。

 場所は、天六の住まい情報センターです。

 一緒に暮らすをテーマに話をしようと思います。時間がある方は、是非遊びに来て下さい。

甘みと苦味‐1215‐

 10日ほど前、芦屋川の旧山邑家住宅について書きました。

 設計者のフランク・ロイド・ライトと代表作である「落水荘」にも少し触れました。

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 私が訪れた際に撮った写真を、webサイトのtravelのページに上げています。

 先日、スーパーゼネコンの元設計部長の方から電話がありました。「リビングの写真が素晴らしいから使わせて貰えないか」というもの。

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 大学での講演を本にするという事でしたが、このようなオファーは時々あります。

 中でもアメリカのページからは、今回で3回目くらいでしょうか。

 私はプロの写真家ではないので、クレジットさえ入れて貰えれば出来る限り協力します。また責任も無いのでただ嬉しいだけ。

 これは、私が特別に写真が上手い訳ではなく、いくつか理由があります。

 質の高い一眼レフのカメラに、専用のレンズを付けて撮らなければ、建築は美しく撮れないのです。

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 今日も「宝塚 RC打放しの家」のへ行っていましたが、現場へもこのカメラを持って行きます。

 そうでなければ、空間の全体像を捕らえるのが難しいのです。

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 加えて、35mmのズームレンズも。

 光と影を撮る際に、まったく空気感が違うのです。

 また、長く設計事務所をやっていると、テレビ関係からも時々オファーがあります。

 テレビとなると、クライアントの了解が出ない場合が多いのが現実です。今月初めにも、テレビ番組のオファーがありました。

 この時は、クライアントはOKしてくれたのですが、結局は流れてしまいました。

 このような事をご褒美とするなら、失敗や苦難は人生におけるスパイスのようなものでしょうか。

 勿論失敗など無いに越したことはありませんが、苦味の効いていないビールもコーヒーも、歯ごたえのないものです。

 「日々を丁寧に生きる。そして苦渋はなめつくす」

 長嶋茂雄はこう言いました。

 可能なら避けたいですが、自身を成長させるのは、苦味であるのは間違いないようです。