カテゴリー別アーカイブ: 04 建築

うつりこんで横浜‐1606‐

 謦咳に触れるという言葉があります。

 立派な人なら、咳ばらいでも聞く価値があるという意味です。

 7月18日(木)は、稲盛塾長最後の講和を聴くために横浜に居ました。

 今年いっぱいでの解散が決まっている「盛和塾」

 京セラを創業、一代で一兆円越えの企業へと成長させた稲盛和夫さんに学びたい人たちが集う場所です。

 2007年に入塾させて貰い、ほぼ毎年参加してきた世界大会ですが、人数が増え2008年からパシフィコ横浜が会場となりました。

 インターコンチネンタルホテルの左にあるのが、会場となる国立大ホール。

 ホールはいつも熱気が溢れていました。

 今年は、約4800名の塾生が世界各国から集まりました。

 私の席は、端ではありますが前から12列目。直接塾長が見える距離で講話が楽しみです。

 毎年の恒例行事でもあるので、横浜の建物も見て回りました。

 当時は日本一高かったランドマークタワーです。

 横浜球場の後ろに見えるのは横浜市庁舎。

 1959年の完成で村野藤吾の設計です。

 階段を大切にした村野らしいディティールです。

 飴色になった木の手摺が妖艶でさえあります。

 しかし新市庁舎が建設中で、来年の6月には移転の予定。

 始まりがあれば、必ず終わりがあるのです。

 87歳となった稲盛塾長は体調がすぐれずで、残念ながら欠席となりました。

 講話は代読となりましたが、その中で「経営について、私の考えは語りつくしたという気持ちが強い」とありました。

 もう十分に教えて貰ったので、これからは自分の足で立ち、歩いていかなければなりません。

 私が最も印象に残ったのは次のような行です。

 世界中を塾生の皆さんと一緒に旅をし、酒を酌み交わしたことが思い出として残っています。

 皆さんのおかげで、素晴らしい人生を送ることができました。
 
 それは塾生の皆さんが私に与えてくれたのです。

 人はここまで謙虚になれるのかと思います。

 塾長の言葉に全く嘘がないことは、直接薫陶を受けた人なら誰もが分かるのです。

 反対に言えば、ここまで謙虚でなければ、ここまで心を高めることはできないのだとも思います。

 寂しくもありますが、新たな闘志をもって、横浜から帰ってきたのです。

 翌7月19日の日経新聞にも、記事がでていました。

 記事は「盛和塾が幕を閉じても、一人でも多くの人を幸せにするという経営者の使命に変わりはない」と結ばれていました。

 このアングル、どこかで見たことが……

 探してみると、一番左下に居ました。

 自分の記事ではないので、喜ぶつもりはありませんが記念にはなりました。

 稲盛さんは言います。

 舗装された歩きやすい道は、エリートが歩いて行く。そうではない者が、前に行きたければ、ぬかるんだ道を行くしかない。

 泥んこになっても、靴が脱げてしまったらそれを何とか引っこ抜いてでも、行くしかない。

 何度も聴かせて頂いたので、骨の髄までしみ込んでいます。

 何があろうと、ネバーギブアップの精神で前に進んで行く覚悟です。

 最後におまけです。

 日曜日に、友達から「再放送みてるよ」とメッセージがありました。

 『大改造!!劇的ビフォーアフター』の私の担当回が、BSで再放送されていたようです。

 プライベートサイトの情報ですが、全300回以上ある中で、2番目に多く再放送されているようです。

 やっぱり「本当は大賞だったんじゃないか」と思っているのですが、それでは謙虚さが足りないか。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

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『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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墨田区でジャポニスムを感じる‐1605‐

 今日は9:30amに両国駅に到着しました。

 大阪から大きな段ボール箱をもって、キッズデザイン賞の審査会場までやってきたのです。

 会場は、墨田川を都心側に渡ってすぐの所にあります。

 育成中だった芝も立派に育ってくれました。

 移動中に動いてしまった家具や人間を修正します。

 2階にある「あおぞらえほんしつ」と「もりのひみつきち」には、本物の材を貼り付けました。

 おなじく「こもれびひろば」にも。

 建築は本物を持ち込む訳にはいかないので、模型を任意で提出できます。

 物創りが好きでこの仕事を始めたので、模型の質、スピードともに自信はあります。

 しかし、私が模型を作っていたのでは仕事が滞ってしまうので、スタッフまたはオープンデスク生などに作って貰います。

 現在は人手不足で産休中の田辺さんに、育児の合間をぬって手伝いに来て貰いました。

 躯体は概ね組み上げてくれたので、最後の仕上げを私がしました。本格的に模型を触ったのは15年振りくらいでしょうか。

 出発の前夜、深夜まで作っていましたが、これは仕事というよりは趣味寄りだなと思っていたのです。

 審査会場は入らせて貰えずで、スタッフの人が内部に搬入してくれました。

 両国駅だけにこんなものが飾られていました。

 目の前が両国国技館ですが、その隣には……菊竹です。

 江戸東京博物館は菊竹清釧の設計で、1993年の完成。彼らしい思い切った提案です。
 
 しかし、完成した当時から賛否両論でした。

 今回が初訪問ですが、九州国立博物館を思わせる大きさと奔放さです。

 いわゆる名建築は「意外と小さいな」と感じることが殆どですが、菊竹は例外です。

 北九州博物館も、吉野ケ里遺跡のゲートも、小倉の競輪場も「大きい」のです。

 だから名建築ではないと言う訳ではありませんが、江戸東京博物館は一目瞭然の建物でした。

 これだけの1枚スラブが持ち上げられている建物を私は見たことがありません。

 最上階は巨大な一室空間。

 もうプランも何もなく、単純明快。その思い切りが菊竹らしいのです。

 江戸の街並みを再現した模型が人気でした。

 双眼鏡が置いてあり、それでみると江戸時代をのぞき見しているような気分になります。

 こちらの籠は、雅という言葉がしっくりくる籠。

 江戸から近代東京まで網羅しているこの館はなかなか見応えがありました。

 江戸東京博物館から、少し東に行くと「すみだ北斎美術館」があります。

 北斎がこの地に暮らしたからですが、2016年の完成です。

 設計者は、SANAAとしてプリツカー賞も受賞している妹島和世。

 外壁に切り込んだ開口部がいくつもあり、色々な方向からアプローチできます。

 開かれた館を目指しているのですが、コンセプト通りに多くの人でにぎわっていました。

 思い切った形に反して、光はとても柔らかい。

 1階ホールは出入りが自由で、外国人観光客ものんびり過ごしていました。

 特にこのスリットが印象的でした。

 4階の常設展だけのぞいてきました。

 展示室が撮影可なのは、空間を観に行っている私としては嬉しいところです。

 先の江戸東京博物館にも、北斎の家を再現していましたが、リアリティはこちらの比ではありませんでした。

本当に人かと思う程の仕上がりで、正直、ちょっと気持ち悪かったのです。

 北斎と言えば富岳百景です。

 その分かりやすくダイナミックな浮世絵は、印象派の巨匠たちの心をとらえました。

 いわゆるジャポニスムです。

 モネ、ゴッホ、ゴーギャンが学んだと聞けば日本人として誇らしくもあります。

 2つの館は設計者が違うので比較になりませんが、四半世紀経ち、日本の建築はこうまで変化しました。

 妹島の洗練された美しさは、妖艶であり清潔です。プリツカー賞受賞は伊達ではありません。

 しかし、菊竹のダイナミズムも忘れてはいけないものかもしれません。

 展望室からはエキスパンドメタル越しのスカイツリーが見えました。

 確か、SANNAがニューヨークで手掛けた出世作も、アルミエキスパンドメタルで覆われていたはずです。

 建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞は今年の磯崎新の受賞もあり、この10年で4人の日本人が受賞しています。

 現代におけるジャポニスムと言ってもよいかもしれません。

 同じ仕事をするものとして、とても誇らしいですが、私は妹島ではありません。

 もしプリツカー賞を取りたいなら、全く規模の違うアワードですが、それでも一歩ずつ歩を進めていくしかありません。

 久し振りに気合十分で作成した模型ですが、本物を貼り付けた、小さな仕掛けを審査員の人が気付いてくれれば……

 発表は8月23日。吉報が届くとよいのですが。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
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キッズデザイン賞、いざ勝負‐1604‐

 先月も年に一度のBBQに伺ったばかりの「Ohana」

 2011年にキッズデザイン賞を受賞しました。

 webサイトにはこうあります。

  キッズデザイン賞は、子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・空間・サービス・活動・研究を対象とする顕彰制度です。

 賞は大きくに3つに分かれており「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」という部門があります。

 子どもの創造性や感性に寄与する製品、建築・空間、サービス、活動、研究など。

 子どもの創造性・感性の育成、多様な知識の習得や運動能力の向上に役立つもの。

 また、そこに新たな発想、工夫、手法があるもの。

 これを見たとき、厚かましいですが「Ohana」のためにあるような賞じゃないかと思ったのです。

 私も何度か家族写真を撮ってもらいました。

 2階スタジオは大きなFIXの横に、小さな地窓がきってあります。

 エントラスには小さな丸窓。

 カメラマンの石井さんと、子供達がのぞきたくなる窓を考えたのですが、「Ohana」のコンセプトがここに発露していると言えるのです。

 審査員のコメントにはこうありました。

 写真スタジオと子ども視点という新たなフィールドに挑戦している試みに賛同した。自然光がふんだんに入る設計は写真を撮る際に威力を発揮してくれるだろう。撮影の際の子どもの緊張を和らげ自然な姿を撮ることができそうである。

 この年の「ソーシャルキッズプロダクツ部門」の最優秀賞は「みどりの丘歯科医院 & こどもの部屋 ぶどうの木」でした。

 山口県にある、託児ルーム併設の歯科医院ですが、審査員評も「歯科医院 と託児空間を一体化させた意欲ある試み」となっています。

 実は設計者である、サンカクスケールの村上さんとは少し面識があります。

 2016年の熊本地震の際に、専門家として初めて支援活動に参加しました。

 私が担当した嘉島町は震度6強レベルの地域で、被害は甚大でした。

 しかし、断層から外れると被害はほぼないという家もあり、はやり現地へ行かないと分からないこともあると実感したのです。

 7月初めの暑い時期でしたが、その美しい景色が心に焼き付いています。

 日本各地のJIA(日本建築家協会)支部から、ボランティアで参加している建築家は、やはり意識の高い方ばかりでした。

 熊本から新幹線で帰ろうとすると「福岡まで送りますと」と言ってくれたのが村上さんでした。

 まだ復旧したばかりの九州自動車道を北上。3、4時間は掛かったでしょうか。

 しかし話題は尽きることなく、あっと言う間でした。

 博多はお祭りなのか、大きな山車がライトアップされていたのです。

 この日記を書こうとして、彼が金賞をとっていたことを知りました。

 負けられないぞという気持ちを込めて、今回応募した作品は「トレジャーキッズたかどの保育園」です。

 連休返上で、模型も鋭意作成中。

 芝生も育成中(笑)

 いざ勝負ということで、今回は会場まで乗込んできます。

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取材大好き‐1602‐

 先週の土曜日は「回遊できる家」の取材でした。

 住宅誌のリフォーム特集ですが、9月末の発売予定です。告知OKとなれば、またここでお知らせします。

 もう少し晴れてくれれば良いのですが、梅雨時につき贅沢は言えません。

 出版社は概ね東京にあるので、ライターの方は朝5時に家を出たそうです。

 わざわざの大阪に来て貰ったので、取材は絶対成功させなければなりません。

 朝10時から取材開始です。

 前回の訪問は毎日放送『住人十色』の撮影の時で、昨年の2月でした。

 子供さんも慣れたもので、取材中は子供部屋(子供エリア?)で遊んで待っています。

 3番目の長女さんは年中さんで、お父さんにピッタリ。

 長男君が小4、次男君が小2、三男君が間もなく3歳です。

 2016年12月の撮影の時は、ラグの上でずっと寝ていた三男君。

 4人兄弟の末っ子君は、何と言っても逞しい。

 まさか自分が2歳だなんて思っていないのです。

 2階も皆で案内してくれました。

 ガラス瓦から光が落ちるこの風景は、何度見ても良いものです。

 一番奥にあるお父さんの書斎には小さな机が2つ。

 こちらのご夫妻はいつも子供が一番なのです。

 キッチン後ろの収納は、とても可愛いと「また」撮ってもらいました。

 奥さんはちょっと恥ずかしがっていましたが、私が入れ知恵しました。

 奥さんには申し訳ないのですが、工夫すれば自分にもできる、そんな写真を読者は見たいのです。

 このアングルも必須です。

 カメラマンの男性は関西の方で、兎に角子供に優しい。

 こんなサービス精神で、撮れる画は確実に変わってくるものです。

 面白い構成なので、勉強している写真も撮ってみましょうかとなりました。

 色々な人に撮って貰いましたが、カメラマンの一番の仕事はやはりアングルを探すことだと良く分かります。

 建築は設計、建築会社、そしてクライアントとの共同作業で出来上がります。

 こちらの奥さんはいつも謙遜されるのですが、とてもセンスが良いのです。

 フローリングに合わせて選んだこの飾り棚。

 実はは衣類入れで、上から長男、次男、長女、三男となっています。

 新たに加わっていたこのプランター置きも、よく合っています。

 ティッシュボックスも木で揃え、撮影時はティッシュ自体を箱の中に押し込んでくれていました。

 非常に細やかな気遣いができる方です。

 しかし大らかな人で、ちょっとくらいの落書きで雷を落としたりはしません。

 落書きしたその日は、小さな雷鳴くらいはあったかもしれませんが(笑)

 この洗面の右の水栓は、子供さんが使いやすいように手前、横に付けました。

 これも奥さんの要望から位置を決めたものです。

 「子供たちといつまでも仲良く」というメインテーマがぶれたことは一度もありませんでした。

 そして、その通りの光景が広がっています。

 時には喧嘩することもあるでしょうが、思いは必ず実現します。

 また、それを現実のものとするのが私の仕事です。

 今回は面白いプラン特集ということで「回遊できる家」を見つけて貰いました。

 よって、メインの写真はみんなで走り回っている写真でしょうか。

 昨年の1月中旬にも『住まいの設計』の取材を受けて貰っているので、メディアに載るのは3度目です。

 ご家族は「上の2人は取材が大好きですし、守谷さんが居なかったらこの家はできていませんから」とまで言ってくれます。

 創り手冥利につきるのですが、私と会うまでに十数社の建築会社にプラン、見積りを出して貰ったと、この日初めて聞きました。

 そう聞くとその情熱が全てだとも思うのです。

 ただ、私と会ってみようと思ったきっかけは「誕生日が一緒だったから」と聞いた時はずっこけましたが、理由など何でも構いません。

 誰かを幸せにすることができれば、また必ず誰かが求めてくれるはずですから。

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その小説、傑作につき‐1599‐

 昨日、関西もようやく梅雨入りしました。

 ここまで遅れたことによって、私の現場は随分助かりましたが、そんな事だけを言っている訳にはいきません。

 日本が日本であるための恵みの雨。

 アジサイも待ちくたびれていたでしょうから。

 朝一番に「うえだクリニック」の現場から戻ってくると、阪神高速は通行止めの表示がでていました。

 アナウンスされていたG20の影響ですが、丁度会社のある平野からの通行止めでした。これらも現場に響かなければ良いのですが。

 池井戸潤の小説を初めて読んだのは2年前でした。

 この頃は経済小説の名手、高杉良の作品ばかり読んでいました。「ザ・ゼネコン」という小説を購入すると、amazonでお勧めにでてきたのです。

 「鉄の骨」という同じくゼネコンの話でしたが、なかなか面白かったので、長男が持っていた「アキラとあきら」も読みました。

 こちらはドラマ化されてから文庫化されたそうですが、ジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」よろしく、恵まれた御曹司と、ハングリー精神で上り詰めて行く2人の人生が交錯する様を描いています。

 そして、「下町ロケット」を読み終えました。

 十年に一度の傑作小説だと思います。

 ドラマ化もされているので、周知の作品なのだと思いますが、2011年直木賞受賞作品は伊達ではありません。

 楽しみを奪いたくないので、最小のあらすじだけ書いてみます。

 主人公は佃製作所という小さな精密機械工場の二代目社長です。

 佃航平は大学をでたあと宇宙科学開発機構の研究員となりますが、革新的なロケットエンジンの開発者でした。

 そのエンジンのトラブルで、ロケットの打ち上げは失敗。責任を取って佃製作所に戻ります。

 父を継ぎ経営者となるのですが、その技術を持った零細企業の屈辱と、忍耐と、努力と逆転の痛快物語です。

 ライバル関係にある上場企業から戦略的に訴えられ、耐力差からの兵糧攻めにあいます。

 国産ロケットを開発中の大企業、帝国重工業の社内のパワーゲームに翻弄され、ありとあらゆる屈辱を味わうのですが、このあたりの描き方が抜群に腹立たしい。

 それが、最後に溜飲を下げさせてくれる度合いを最大値にしてくれるのですが。

 上質なエンターテイメント映画を見た後のような読後感で、これだけページの先を急いだのはいつ以来だったかと思っていました。

 「子供の頃、アポロ計画に憧れて」という、ありふれたスタートからここまで描き切るのですから、その筆力は凄いの一言に尽きます。

 前回、日曜日にミナミへ行ったと書きました。

 高島屋の北西、御堂筋に面して建っていた歌舞伎座が、酷いことになっていました。

 元の歌舞伎座は、大阪が誇る建築家、故・村野藤吾の代表作です。

 その上に、こんなホテルを乗っけるとは!


 
 現代の法規制が厳しいのは分かりますが、村野なら絶対そこは貼りものにしません。

 もう呆れるレベルなのですが、何の発言力もない自分に腹が立つのです。

 宮本輝の代表作「道頓堀川」に、川下から愁いを秘めてミナミの街を眺めるシーンがあったと思います。

 それを読んでから、この辺りからミナミを見るのが好きになったのですが、新戎橋南詰には出世地蔵尊があります。

 頭を垂れて、成長、成功をお願いするのです。

 仕事を始めてからは、自分なりに精一杯生きてきたつもりですが、勿論のこと下に見られること、屈辱を受けることもあります。

 安藤忠雄とて、屈辱を受けることはあるでしょうが、もし私が、せめて関西で一番なら、例えば歌舞伎座上のホテルに関しても、少しは発言できたかもしれません。

 全ての結果は自分の責任で、誰のせいでもないのです。

 ただ文字の配列だけで、これだけ人に元気を与えたり、涙を流させたりできるのですから、作家はいつまでたってもの私の憧れの仕事です。

 やる気を出すのに、遅すぎるということはないはずです。もっと言えば、今が最速です。

 液体酸素と、液体水素は十分注入して貰いました。下半期のロケットスタートを確実に決めなければなりません。

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私の年輪‐1597‐

 前回は、長男の試合を観に行ったあと、近鉄奈良駅に向かったところまで書きました。

 近鉄奈良ビルは、坂倉準三の設計で1970年竣工なので私と同い年です。

 駅近の商店街は、いつもながら賑わっていました。

 近鉄特急に乗るようになり、web会員になりました。

 それで、ちょこちょことポイントが貯まります。

 これが微妙な貯まり具合で、現在使えるのは難波までの特急券とのこと。

 30分、510円の贅沢です。

 ガラガラで、乗っているのは外国人旅行者ばかりでした。

 淀屋橋から京阪に乗り換えて、大きなクスノキのある萱島駅で下車。

 年に1回、OhanaでのBBQに呼んで貰いました。

 2009年の竣工で、今年は11年目を迎えます。

 元は駅の高架下で営業していましたが、写真スタジオの更なる可能性を模索するため、少しだけ離れたこの地に新築することになったのです。

 初めて相談に見えたのは2008年の2月。お父様とご一緒でした。

 共に37歳だったはずで、もう10年以上前から知っていることになります。

 昨年の台風では、シンボルツリーのオリーブが倒れてしまいました。

 再生は無理と言われたそうですが、それでも少しずつ芽がでてきています。

 生き物とは本当に逞しいものです。

 手書きの看板の横に有るエントランスを入ると、レセプションです。

 この床は、5年程前の豪雨の際に浸水し、一度やり替えています。

 建物も店主も、自然に負けないくらい逞しいのです。

 今お客さんは居ないとのことで、2階のスタジオにも上がってきました。

 床の直上に切った小さなFIX窓は、子供さんに人気。

 撮影の機材の多くは、前店舗から持ってきたもので、ミリ単位で設計したことを思い出します。

 Ohana石井さんと愉快な仲間たちは、私がパシャパシャやっている間にすでに着席。

 乾杯となりました。

 石井さんは、「守谷さんはビールが好きだから」と、いつも色々なビールを準備してくれています。

 自分が設計したお店の裏庭でこれらを頂く幸せは、何にも替えることができません。

 こんな重要なことを私が書いてよいのが分かりませんが(と言って書いているのですが)、実は府道の拡張によって、Ohanaは移転する必要がでてきました。

 私にとっての建築設計とは、唯一無二のものを創ることです。

 オーナー、店主の方々に「出来れば、○○2ndのような店づくりは避けませんか」と言ってきました。

 Ohanaは最たる建物で、2011年にはキッズデザイン賞を受賞することができました。

 あの20mm~30mmの精度で建てたH鋼35本を、もう一度建てて欲しいと言っても、建築会社は断るかもしれません。

 そのくらい、30代の私にとっては持てるものを出し切った仕事だと思っています。

 ここで写し取られた幸せの景色が、このスタジオの存在価値を何よりも雄弁に語ってくれるのです。

 こちらは奥さん作の石井さん。とっても良く似ています。

 作品は私にとっての年輪です。

 年輪は、冬の成長が遅い部分が濃く映るので、1年ずつの輪が見えます。それ故、労苦を伴う仕事こそが、年輪となるのです。

 石井さんは「出来れば次の店も守谷さんに」と言ってくれました。

 プレッシャーは正直ありますが、本当にそうなれば40代で培ったもの全てぶつけてみたいと思うのです。

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13年越しの観察レポート‐1589‐

先月の日記「イタウバハウス」の写真を載せてみました。

 現場帰りに前を通ったのですが、翌日、こちらのクライアントからメールが届きました。

 いつも日記を楽しみにしていること、ご家族皆さん元気ということ、今度は寄ってくださいと、綴られていました。

 竣工写真は2011年3月の撮影です。

 イタウバのルーバーは色鮮やかで、庭木はまだ葉をつけていません。

 その年の6月、『住まいの設計』の撮影が入りました。

 3ヵ月が経ち、ジューンベリーは青々とした葉をつけています。

 第3子は写真の通りで、まさに生まれたばかり。

 よく取材を受けてくれたものですが、奥さんも3人目となれば経験値が違うのだと思います。

 そして、2012年の1・2月号に掲載されました。

 更に1年半経った2012年の11月。

 大阪ガスの『住まう』の取材時になると、イタウバのルーバーもかなり白けてきています。

 ジューンベリーの背丈はあまり変わっていません。

 そして先月の写真です。

 ジューンベリーの成長が、非常にゆっくりなのがよく分かります。
 

 この樹種は、「サロンのある家」で初めて使いました。

 こちらも『住まいの設計』2010年9・10月号に掲載されました。

 発売が夏だったので、屋上でご主人がシャワーを浴びる写真があります。

 しかし取材は5月。

 生憎の曇り空で肌寒かったのですが、取材チームからの提案を、快く引き受けてくれたのです。

 竣工は更に3年遡った2006年夏。右下に小さなジューンベリーが写っています。

 アップでみるとこんな感じ。

 ちなみに、玄関扉は鉄を錆びさせた上からクリアの塗装を掛けています。

 13年経ってようやくこの大きさになりました。

 敷地が限られる都心部では、「成長の遅い木」が求められることが結構ありますが、こちらの計画もそうでした。

 これまでに何度か、造園業者にジューンベリーの成長速度を聞いたことあがあります。

 早いという答えも、遅いという答えも両方ありました。

 しかしこの2軒の例で分かるように、「成長の遅い木」と言って良いと思います。

 木は生き物なので、環境によって変わりますが、この2票はまさに生きたデータです。

 実際の体験に勝るものはありませんが、それにはかなりの時間が掛かります。

 ジューンベリーの成長速度においては13年越しの観察レポートと言えるのです。

 若い頃は経験がしたくてもチャンスがなかなかありません。

 また、建築設計においては、竣工した後もクライアントとの交流がなければ、その経験も、比較的小さいものとなってしまいます。

 経験値の少ない建築家を選びたいと言う人はあまり居ないはずです。

 その中で、何とか声を掛けて貰おうと思えば、情熱でその経験を上回れると感じて貰わなければなりません。

 25歳から30歳までの間にオファーを貰ったクライアントは、それまでに何かしらの関係があった方々でした。

 そして、その初期の作品群を見て、30歳後半までにオファーをくれたクライアントの方々は、作品以上に、私に何かを期待してくれた人達だったと今は良く分かります。

 経験が足りなかった分、ご迷惑をお掛けてしている部分もあります。

 それでも未だに声を掛けて貰えるのは、間違いなくその過程に何かしらの物語があったからだと思うのです。

 最後に、ルール違反かもしれませんが、クライアントからのメールを載せてみます。

 建築設計とは、人生という壮大な叙事詩の一幕に、深く関わらせて貰うことに他ならないのです。
 
お世話になっております。

大変ご無沙汰しております。

みなさん元気にご活躍されていることと思います。

田辺さんもご結婚されお子さんができ

夫婦で大変喜んでおります。

いつも、ゲツモク日記を楽しみに

拝見させてもらっています。

イタウバハウスの写真が出ていたので

なんやろ?とびっくりしました。

あの写真は、土曜日か日曜日でしょうか?

家族の自転車がほぼなかったので。

次はぜひ寄ってください。

昨日は家に帰ってすぐ、妻に『見た?』(ゲツモク日記を)

と聞いただけで、すぐに『見た。』と返事が返ってきました。

二人ともゲツモク日記のファンです。

私事ですが、長男の○○は中学生になり

硬式の野球チームに入りました。

長女の□□は5年生、次男の△△は2年生になり

2人とも○○の影響なのか昨年の終わりごろから

野球を始めました。

毎週、野球三昧です。

また、妻の◎◎は1年半前ごろに会社を早期退職で

辞め、他の会社でパートで働いていたのですが、昨年の10月

から◇◇◇(ご自身の会社)で事務員をしております。

ずっと一緒にいるのがいいのか悪いのかわかりませんが

なんとか頑張ってやってくれています。

過ぎてしまえば本当にはやいもので、イタウバハウスが完成して

8年も経ったのだと改めて感じました。

これからもイタウバハウスと共に歩んでいきます!

長々とすみません。

またお会いできる日を楽しみにしております。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

七味は必要な人だけに‐1588‐

 竣工間際の現場は、日々刻々と状況が変化します。

 「住吉区歯科医師会館」は開館まじか。先週は何度か朝一番に現場へ向かいました。

 自転車で朝の長居公園を走るのは、極めて爽快。

 柔らかい朝日が、足の長い木漏れ日を演出してくれるのです。

 「長居」の交差点あたりに、賑やかな景色が見えてきました。


「大阪オクトーバーフェスト」の会場でした。

 本家、オクトーバーフェストは、ドイツのミュンヘンで9月半ばから10月上旬に開催される世界最大級のビールの祭典とあります。

 10年目になるそうですが、長居公園で催されているとは知りませんでした。

 会館のほうは、外構工事も大詰めで、ジューンベリーの植え付けも終わっていました。

 この日は、1階大会議室に飾られる絵画の作者、marianeさんが、現場に足を運んでくれました。

 アトリエのある長野県から、遠路はるばるの来阪です。

 お会いしたのは2度目ですが、取付場所、取付方法については、何度も打合せしました。

 作品は、和紙に描かれており、フレームはありません。

 よって、現場には緊張感が漂います。

 設計上は、ピタリと納まる予定がなかなか……

 簡単には行かないのが建築現場なのです。

 ついには、ご本人にも手伝って貰いました。

 また、アクリル板の取付けは私も加勢しました。

 家業がガラス屋だったので、アクリル板の扱いは私が一番経験があったかもしれません。

 1時間程掛けて、あるべき場所に作品が納まったのです。

 「こんな風に壁の中に納めて貰ったのは初めてです」と、大変喜んでくれたのです。

 彼女は、創作の環境をもとめて昨年長野県へ移住しています。

 収蔵されるこの作品については、一度しっかり説明しようと思いますが、「繊細」という言葉を越える精緻な筆遣いに驚きます。

 逆の言い方をすれば、筆で描いたと思えない程なのです。

 少し立ち話をしているとき、こんな話がでました。

 「子供は皆、絵をかくのが好きですよね。でも、『上手い』とか『下手』とか言われて、好きじゃなくなっていくんですよね」

 音楽家、画家、小説家など、誰でもできることを職業にすることは簡単ではありません。

 究極の仕事のひとつだと思っていますし、私も絵が上手かったなら、画家を目指していた確率は高いです。

 彼女においても、その初志を貫くことは、決して平坦な道のりではなかったようです。

 庭のブロック塀とコンクリートの隙間に咲くナデシコです。

 「鉢植えのほうは毎日水をあげているのに元気がないんだけど、あんな場所に勝手に生えたほうはあんなに元気」

 と妻が言っていました。

 トマトも原産地のアンデスに近い、乾いた土で育てた方が美味しいと言います。

 何とか動物に食べて貰いたい。遠くに種を運んで貰いたいと、懸命に赤く、美味しくなろうと努力するのです。

 「○○を保障しなさい」とか、「□□は担保しなさい」と騒がしい世の中です。

 それが、バイタリティを奪っていたり、自分の足で立つチャンスを奪っていることになりはしないのでしょうか。

 先週で、スタッフ見習いのアルバイト中だった若者が辞めることになりました。

 職業選択は自由なので、続けるも辞めるも、勿論のことお互い自由です。

 ただ、どんな生き方、働き方が、美しい花を咲かせることができるのかは、ナデシコをみても明らかだと私は思っています。

 そうそう、marianeさんから長野名物、「根元 八幡屋礒五郎」の七味をお土産に頂きました。

 小さい頃、志賀高原の正月スキーは毎年の恒例行事でした。

 初詣での善光寺参りの帰りに、ここの店に寄ったものです。

 誰かの人生において、ピリッとくる七味だと思えば、私の存在も許容してもらえはしないでしょうか。

 建築家が居なくても家は建ちます。七味が無くても蕎麦は美味しいものです。

 なので、より美味しい人生をと言う人のみに必要とされる仕事だということは、少し声を大きくして言っておきたいと思うのです。

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

フラワー‐1581‐

 今週は暑いくらいの日差しが続きます。

 会社の近くにある「イタウバハウス」の前を通ってみました。

 完成は2010年。強い光が、塗装をしていないイタウバのルーバーを白けさせます。

 手前味噌ですが、この趣きのある外観をイメージしてデザインしたのです。

 ジューンベリーは、花、実、紅葉と三拍子そろった樹ですが、青葉も上品で美しいものです。

 この時期は道端の下草でさえ、ルノワールが描くようなパステルカラーです。

 こちらの玄関先には黄の花。

 紫と共にパンジーでしょうか。

 赤紫。

 淡いピンクはマーガレットでしょう。

 まさに百花繚乱です。

 私が1年間休養したのは2001年、31歳の年でした。

 体調の異変を感じ、27歳の時に初めて心療内科を訪ねたのですが、診断結果は「自律神経失調症」でした。

 最終的には海外へ放浪の旅に出たことが、健全な状態に戻れた直接的な要因になったと思います。

 2002年の春、気力もみなぎり日本に戻ってきたのですが、その頃のことで鮮明に覚えている場面があります。

 友人宅へ車で向かう途中、KinKi Kidsの『フラワー』という曲が流れてきました。

 長く暗かった3年間を思い出し、また、春の陽気とその明るい曲調がピタリと一致し、何故かポロポロと涙がこぼれだしました。

 その涙は、希望と喜びが溢れだしたものでした。

 4月23日のニュースでご存知の方も多いと思いますが、セブンドリーマーズラボラトリーが自己破産しました。

 初期のゴルフシャフト部門の3店舗、銀座、芝公園梅田を当社が設計をさせてもらいました。

 それぞれの店舗がクローズしたり、移転することは聞いていましたが、火曜日の件は勿論のこと全く知りませんでした。

 2015年の秋に、世界初の全自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」を発表したセブンドリーマーズは、ロボテクス、家電業界の話題を席巻していたと言っても過言ではありません。
 
 新聞、テレビと多くのメディアにも取り上げられ続けます。

 ランドロイド関係の店舗展開から、当社は外れていたのですが、いくつかの課題があり、それを解決してから本格的な発売とまでは聞いていました。

 が、延期になっていることは気になっていました。

 他の商品があるとは言え、世界初の開発には多額のコストが掛かることは間違いありません。

 発売が先か、資金ショートが先か、ヒリヒリするような日々だったでしょう。

 セブンドリーマーズにとっての初めての店舗を設計させて貰ったこと、また、中学校からの付き合いに加えて、大学で競技スキーをすることにしたのは、彼にその魅力を教えて貰ったからです。
 
 触れないという選択肢もありましたが、それは不誠実な気がしました。

 多くの方に迷惑を掛けてしまったことは、真摯に反省して貰うしかありません。

 しかし、世界初のチャレンジをしたこと、またそれを、もう一歩のところまで追いつめたことは、日本を代表する企業が多額の出資をしたことからも明らかです。

 こんなところで引き下がってしまうような人間ではないことは知っているつもりですが、まずは今すべきことを完結し、鮮やかに復活してくれることを信じています。

 僅か数人しか養えない私が、数百人を率いてきた彼に伝えられることなど何もありません。

 しかし、古い友人として、また一方的にですが、絶対に負けたくないと思う数少ないライバルのひとりとして、これからの活躍を信じ、期待しています。

 『フラワー』は、当時は関西に住んでいた彼の家へ向かう途中に聞いたのです。

 僕らは愛の花咲かそうよ

 苦しいことばっかりじゃないから

 こんなに頑張ってる君がいる

 かなわない夢はないんだ

 つらいばっかりで明日が見えないと 嘆く背中に

 若いくせにさ 哀愁たっぷりでやるせないよね

 大人になるだけ忘れてゆくけど

 太陽はいつでも微笑み返してくれる

 僕らは愛の花咲かそうよ

 苦しいことばっかりじゃないから

 こんなに頑張ってる君がいる

 かなわない夢はないんだ

 その太陽のような笑顔だけは、だれにでも真似できるものではありません。



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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

憧れのパリ‐1579‐

 休耕田なのか、菜の花が満開でした。

 街中に広がる黄色いじゅうたんです。

 関西が生んだ巨匠、司馬遼太郎。

 彼がこの野花をこよなく愛したのも、分かる気がしてくるのです。

 ゴシック建築の傑作。ノートルダム寺院の尖塔が焼け落ちる映像は、ショッキングなものでした。

 初めての海外行きにフランスを選んだのは、やはり憧れの存在だったからです。

 1995年、24歳の時ですが、1社目をクビになると失業手当がでました。それを元手に海外へ行こうと思いたちます。

 ル・コルビジュエ設計、ロンシャンの礼拝堂を是非見たかったのです。

 沈黙がうなるとでも表現したくなる、あの空間を今でも忘れることはありません。

 しかし、それ以上に刺激的だったのが初めて目にする海外の街でした。

 パリの街は灰色にも関わらず、極めて美しいものでした。

 パンをかじりながら、ただただ歩き回っていたのです。

 アールヌーボーの旗手、ギマールのガラス屋根に感激。

 ルーブルにも足繁く通いました。

 そして、I・M・ペイのガラスのピラミッドに対峙したのです。

 「漂えど沈まず」それがパリなのです。

 当時は、近代、現代のアートへの興味が9割で、ノートルダム寺院の写真は1枚しか残っていませんでした。

 その一枚が尖塔を横から見たもの。

 もう四半世紀前のことで、その時の気持ちを覚えていないのですが、極めて美しい写真です。

 24歳の私も心動かしたのでしょう。

 この繊細な木細工に火が付いたなら防ぎようはないと思います。

 反対の言い方をすれば、火災を防ぐことを第一に考えればこの尖塔は存在しません。

 火災は人の命を奪う可能性があります。

 よって、最大限の予防をする必要がありますが、現行法規の下なら、ノートルダムの尖塔も、ミラノのドゥオモも、法隆寺も存在しなかったと思います。

 美とは通常ではないからこそ美なのです。

 フランス国民は、悲哀にくれていると思います。

 形あるモノは必ず壊れます。しかし、人が望めばモノは必ず再現できます。

 自由・平等・博愛を表すというトリコロール。

 建築家・白井晟一は「青は希望の色」と言いました。

 希望を持ち、いつまでも憧れのパリであって欲しいと思うのです。

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