カテゴリー別アーカイブ: 02 ことば・本

進化は一方通行‐1543‐ 

 12月に入り、ポツポツとお歳暮が届きます。

 昨日、大きな箱で貝が届きました。

 立派な貝で、熊本県天草産の「緋扇貝(ひおうぎがい」とあります。

 天草の海の味を、刺身で頂きました。

 見た目のように、味もホタテ貝に似てとても美味しかったのです。

 また、貝殻が非常に美しい。

 上にあるのは、先月も娘が集めていたシーグラス。早速、彼女のコレクションに加わっていました。

 子供達の本棚をみていると「ざんねんないきもの事典」という本を見つけました。

 何ともネガティブな題だなと思いながら頁をめくると、冒頭「進化」について書かれていました。

 誰もが知る通り、象は体が大きく、鼻が長い生き物です。

 生き残る為には体が大きな方が有利なので、そういった個体が生き残ります。

 しかし、体が大きいと例えば水が飲みにくいので、偶然生まれた鼻の長い子の子孫だけが生き残りました。

 キリンの祖先の中に、足の長い、早く走れる子供が生まれました。

 ただ足が長いので、やはり水が飲みにくい。逃げ足は速いのに、伏せて水を飲んでいると肉食獣に襲われる危険が増えます。

 それで、さらに首も長い個体だけが生き残ったのです。

 ダーウィンのいう突然変異と自然選択です。

 また、人間は魚や虫類の祖先から進化してきましたが、再び水中で呼吸できる能力を手に入れることは出来ないそうです。進化は一方通行なのです、とありました。

 子供が生れ、動物園に行くようになりましたが、そういう目でみると興味が倍層します。

 娘に「名古屋の動物園に、すっごい男前のゴリラがいるらしいので観に行かない?」と聞いてみました。

 すると「私、何歳やと思ってる?」と。

 ちょっと前なら、動物園と言ったら飛びついて来たのですが、2、3年は誘っていなかったかもしれません。

 娘が10歳の進化を遂げたとするなら、もう子供と動物園に行くことはないのかと、ちょっと寂しい気持ちに……

 来年からは、休みも塾に行くはずなので残された時間はごく僅か。最後の機会をうかがっています。

 進化は一方通行。

 とてもポジティブな言葉ですが、何かそら恐ろしい気もしてくるのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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【News】
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

一生に一度、大阪ガス『住まう』‐1539‐

 10月の中旬、取材に立ち会ったことを書きました。

 大阪ガスの機関紙『住まう』のものでしたが、「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載の67号が届きました。

 読み物としても面白いですし、大阪ガス関係の施設で無料で配布しているので、良ければ手に取ってみて下さい。

 会社にも何冊か残っているので、ご希望の方にはお送りします。

 今回は、巻頭特集の8ページ。

 表紙をめくると大きく写真が2枚。やはり一番前は嬉しいものです。

 『住まう』にはこれまでに「池を望む家」「イタウバハウス」が掲載されたと書きました。

 大阪ガスのwebサイトには、44号以降の作品が掲載されています。

 この号から誌面のスタイルが変わったそうで、その巻頭特集の第1号が「池を望む家」だったのです。

 2010年の秋のことでした。

 webサイトでは最下に『CASE 1』として紹介されています。

 ちなみに「イタウバハウス」『CASE 33』。こちらは見開き1ページの中ほどのコーナーでした。

 『住まう』のスタイルが変わったのは、製作会社が変わったからでした。

 その1回目ということで、担当者も気合が入っており、非常に熱心だったことを覚えています。

 テレビの取材でロケハンは普通ですが、雑誌取材でロケハンをしたのはこの時以外に経験がありません。

 この方はカメラマンだったと思います。熱心に内部を見て回っていました。

 実は「池を望む家」は、撮影の天気に恵まれず、外観だけは晴れの日に撮りなおしています。

 しかし、このロケハンの日は素晴らしい天気でした。

 写真を見ていると外部の景色がよく分かり、この家の空間がよく伝わってきます。

 それで、10年振りに当社のサイトも何枚か写真を差し替えてみました。

 現在なら、天気が少しでも悪ければ、クライアントにも写真家にも延期をお願いします。

 負担が大きいのは分かっていますが、これらの機会は私達にとってはおそらく一生に一度。

 当時撮って貰っていた写真家は、「天気が少々悪くても、いい建築はいいから」と言っていました。

 現在撮って貰っている写真家も「曇りや雨の方が映える建築もありますよね」と言います。

 いずれも真理ですが、私が絶対晴れでないと駄目だと思った建物は、譲らないことにしました。

 もし「このくらいの天気なら撮ってしまいましょうよ」と言われたら、写真家を替える覚悟で延期をお願いします。

 当社にオファーをしてくれるクライアントも、おそらく一生に一度だという気持ちの方が殆どのはず。

 それを一番理解していないのは、概ねプロ側です。

 写真家にとって撮影は日常です。建築家にとって建築設計もまた然りですから。

 「いつもクライアントの気持ちだけを考えています」と言いたいのですが、そんな甘っちょろい言葉の何百倍も、お客さんは求めているはずなのです。

 もし、他の人よりクライアントに寄り添える方法があるとしたら、どれだけ後悔したかや、苦い経験をしたことがあるかに尽きる気がします。

 「十分にやったんだ」と言い聞かせることもできますが、それでは駄目なのです。

 「中庭のある無垢な珪藻土の家」も2度延期し、3度目の撮影でした。

 クライアントは、「もう一度あの撮影を、という気持ちには……」と。今回の誌面もその時の写真です。

 本当に正直な、愛すべき方でしたが、やはり一生に一度だったのです。

 多くのことは一生に一度の経験です。

 利休の言う「一期一会」は決して特別な場面を指すのではない気がするのです。

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孤高たれ‐1533‐

 「今日はイイハ(118)の日」だと、ラジオから聞こえてきました。

 クリニックは何件か設計させて貰いましたが、一番多いのは歯科医院です。

 現在は「住吉区歯科医師会館」の仕事もさせて貰っているので、虫歯は勿論ご法度。

 虫歯だらけの設計者に依頼など来ない気がするので。

 三度の歯磨きは欠かしませんし、外出時の携帯歯ブラシは欠かせません。

 ただ残念なことに、それを始めたのが歯科医院の設計後で……

 いくら磨いても、これまでの治療痕が直るはずはありません。虫歯だけは取り返しがつかないのです。

 子供には「歯磨きは貯金だと思って!5千万円くらいの価値がある」と繰り返し言っているのですが、どこまで理解しているのか。

 一昨日に立冬を過ぎましたが、今日も暖かい一日でした。

 通勤中に公園をのぞくと、紅葉が始まった木もちらほら。

 近付いてみていると、砂場で0歳と1歳くらいの子供さんが遊んでいました。

 お母さん同士は、子育ての話しで盛り上がっています。

 レンタルDVDショップのセルフレジの前。台に乗っている男の子は3歳くらいでしょうか。

 何とかお母さんの手伝いをしようと、横から一生懸命手を伸ばしています。

 そして、集団登校をする小学生。

 母子そして家族だけの生活から、保育園、小学校と集団生活に入り、友達、仲間ができて行きます。

 子供は母親や家庭と少しずつ距離をおき、やがて社会へ出て行くのですが、それは間違いなく喜ばしいことです。

 友達の延長線上に、仲間や集団があるのかは微妙なところです。

 また、人が集まれば必ず悪くなるとは思いませんが、先月末の渋谷でのハロウィン騒動を知り、こんな言葉を引いてみたくなります。

 狂気は個人にあっては稀有なことである。しかし、集団・党派・民族・時代にあっては通例である。

 -ニーチェ-『善悪の彼岸』より

 「集団」と言う言葉と「群れる」という言葉は区分けした方が良いかもしれませんが、いずれにしてもマスとなった時、人は間違いやすいという事実はあるのです。

 個人など本当に弱いものです。私の力など、ほんの微々たるものでしかありません。

 しかし、それを認めているか否かという点においては、顔を隠し乱痴気騒ぎをする人達とは違う気持ちでいるのです。

 孤高のルポライター、竹中労の言葉も何度か引かせてもらいました。

 人は、無力だから群れるの ではない。群れるから無力なのだ。

 「孤高たれ」は「渾身」とともに私の座右の銘でもあります。

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春はあげもの、秋はまきもの‐1526‐

 昨年だったか、電車の中吊りで「春はあげもの」という広告を見かけました。

 ハイボールの宣伝だったと思いますが、もちろん枕草子の冒頭「春はあけぼの」に掛けてのコピーです。

 思わずくすりとした人が沢山いたのでは。秀逸でした。

 先週は国道169号線で崩土があり、目的地にたどり着けず。

 今週は、無事復旧工事が終わっていました。

 2ヵ月振りに訪れる奈良県下北山村の池原ダム。

 ボートであちこちと移動しながら釣るのですが、秋の湖上は素晴らしく気持ちが良いのです。

 バスフィッシングで聞く言葉に「秋はまきもの」があります。

 ルアーは大きく分けると、ソフトルアーとハードルアーがあります。

 ソフトルアーはポリ塩化ビニルで出来ているものが多く、消しゴムの柔らかいものを想像下さい。

 ハードルアーは、文字通りプラスチック、木、金属等でできています。

 人の方で動きを付けなければ、魚がエサと勘違いすることはありません。これらの一部を「巻き物」と言ったりするのです。

 水温が下がり、魚が動きやすい季節になると、バスはエサを求めて広範囲を回遊するようになります。

 今年は台風が続いたので濁りが残っており、こういう状況も巻き物が効くケースです。

 水通しのよい、岬まわりでいきなり来ました。

 クランクベイトの中でも5m潜るタイプを選択。

 急な冷え込みで、かなり深いレンジに居るようです。

 その後、上流部、中流域もチェック。

 とにかく釣るだけなら、ソフトルアーに軍配が上がりますが大きさは35cmまで。

 昼食休憩のあと、少し曇ってきたこともあって再びクランクベイトを巻きます。

 3本程続けてきました。くれば40cm以上で、今日はこちらが正解のようです。

 午前中にみつけたような条件を探して釣っていると、この日最大の魚が。

 45cmのコンディションのよい魚でした。

 すっかり日暮れも早くなり、16:30にはボートを上げたのです。

 「秋は巻き物」はいわゆるセオリーです。「春はあげもの」に続けたので、食べ物を想像させた人には失礼しました。

 セオリーはいつも効く訳ではありませんが、先人の経験則でもあります。

 ただ信じるだけでは駄目だし、否定的な見方をしても価値は生まれないと、この日も痛感したのです。

 何より、軸がなければ比べるという行為が発生しません。この部分がセオリーの最大の価値なのだと思います。

 スティーブ・ジョブズは数学を例にとって、こんな表現をしています。

 クリエイティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。

 僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。

 勝者のメンタリティには、常にどこかに謙虚が隠れています。

 そう在りたいと、心から願うのです。

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良書を探せ‐1521‐

 今週末も台風がやってくるのでしょうか。

 日本だけを外れれば良い訳ではありませんが、日本列島をなぞったような予想進路です。

 神様もお人が悪いと言いたくなるのです。

 秋晴れの夕方。

 そして夕焼け。

 素晴らしく気持ち良いのが秋です。

 月曜日は中秋の名月でした。

 秋の夜長は、読書の季節でもあります。

 私も無類の本好きですが、子供達もこの習慣は引き継いでくれました。

 スマホに毒され始めた長男も、徳俵一杯、何とか読書好きをキープしています。

 現在は、こんなシリーズを読んでいるそう。

 妻がせっせと図書館で借りてくるのです。

 机の上にあった「君たちはどう生きるか」。

 感想文の課題図書だったそうですが、次の次に、私も読んでみようと思います。

 近頃は、学校から本のプレゼントがあるそうで、これらは娘が所有している本。

 (2018/9/30追記:学校ではなく、塾の課題資料だそうで、費用もそれぞれが負担だと、娘、妻から訂正がはいりました)

 面白そうなタイトルが並んでいます。

 重松清の「くちぶえ番長」を読んだ後は「鼻の奥がツーンとする」そう。

 そんな感想を言えるようになったのかと、親としては感慨深いものがあるのです。

 娘が一番好きで、コレクションしているは、名探偵コナンの映画シリーズ。

 塾に3回続けて行ったら、食卓の娘の席に付箋を貼っておきます。

 裏にメッセージを書いてあるのですが、3枚貯めたら本に変わるというルールにしています。

 こんな小遣いの上げ方が良いのか悪いのか分かりませんが。

 良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。

 ショウペンハウワー 哲学者

 教科書にでてくるような名作は、ほぼ良書と言って間違いないでしょう。

 ただ、人は更に刺激を求めるものです。

 独創性、娯楽性、メッセージ性、ロマンティズム、エロティシズム等など。

 中学2年生の時、国語の先生に教えて貰った2冊が、私の本好きを決定付けました。

「散る花もあり」志水辰夫

 「優駿」宮本輝

 志水辰夫については何度か書いたので、「優駿」についても少し書いてみます。

 宮本輝の「泥の河」「蛍川」「道頓堀川」の「川三部作」と言われる作品群は、思春期の私に色々なことを教えてくれました。

 夜の街、盛り場、男と女……

 はじめに読んだ「優駿」は、競走馬の成長を中心に描かれた人間ドラマで、1986年の出版です。

 特別刺激的だった訳ではないのですが、大人の男と女というものを、強く意識させられた場面がありました。

 私にとっては、大人への階段の入り口にこの本があったのです。

 ショーペンハウワーの言う「良書」は「古典」を指すようです。

 時代を超えた古典は間違いなく良書ですが、時代の気分を織り込んだ名著のほうがやはり私は好きです。

 「優駿」もバブルへと突入していく日本を、爽やかに、都会的に描いていました。

 以前は、子供達に私のコレクションを全部読んで欲しいと思っていました。自分なりに本気で選んできた本ですから。

 しかし、親が手取り足取り、人生の指南を出来る訳ではありません。

 ましてや、恋愛に至っては言うべくもなく。

 人生において、たったの1ポイントでも、プラスを与えてくれたなら、それは自分にとっての良書です。

 本屋へ行き、平積みをみる、帯をみる、表紙を見る、略歴をみる。

 できればネットの評価でなく、自分で感じ、選び、嗅ぎ分け、色々な良書に沢山出会って欲しいと思うのです。

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心のサスペンションが違う‐1520‐

 この夏、2人目のオープンデスク生も奮闘中。

 今日も出社で、明日のプレゼンテーションへ向けて最後の追い込みなのです。

 道端には彼岸花。

 見上げればうろこ雲。

 彼岸の中日を過ぎ、まさしく秋真っただ中。本当に過ごしやすい気候になりました。

 酷暑の夏が思い出せない程で、人とは本当に忘れやすい生き物です。

 先週末、東梅田のキリンケラーヤマトで食事会がありました。

 キリンの名を冠しただけに、ビールにこだわったお店とのこと。

 学生時代から何度も前を通っていますが、入るのは初めてです。

 普段はスーパードライしか飲まないので、たまには苦味の効いたビールもよいもの。

 カニサラダが名物だそうで、確かにツマミになるくらいしっかりしたお味でした。

 こちら、伊勢丹で最も売れるタオル「カルメンタオル」をつくっている会社、I.S.T.の社長です。

 実はその誕生日会でした。本来、社長紹介用に撮った写真ではないのであしからず。

「セブンドリーマーズ」の阪根のお姉さんなのです。

 セブンドリーマーズは、全自動衣類折りたたみ機、ランドロイドで世間の注目を集めます。

 ランドロイドに私は関わっていませんが、ゴルフシャフト部門の店舗は、芝公園梅田と2店舗をデザインさせて貰いました。

 そのお姉さんの会社がI.S.T.ですが、これがまた凄い。

 姉弟のお父様が、1983年に創業

 フッソ加工の技術、ガラスを繊維として織る技術等に優れ、燃えない生地は、確か新幹線のカーテン、ロケットの内部にも使われていたはずです。

 1983年といえば私は中学1年生です。中学2年だったか、友人だった阪根の家に遊びに行きました。

 私の実家と比べると上品な住宅ではありましたが、決して豪邸ではありませんでした。

 セブンドリーマーズの母体となったスーパーレンジン工業も、元はグループ会社だったことを考えると、一代でこれだけの企業を育て上げた手腕は、並大抵ではありません。
 
 現在は会長となったお父様は、技術者からのスタートです。

 このあたりは、私が尊敬する京セラ名誉会長の稲盛和夫さんと共通するところも感じます。

 お会いしたことは3、4度だと思いますが、一度、スキーへ連れていってもらいました。背が高く、常にニコニコとしている印象しかありません。

 私は友人知人の間では、多少気が短いことになっています。

 学生時代は喧嘩もしましたし、時々熱くなって討論するからだと思います。

 しかし、私は基本的には楽しいのが好きだし、平和主義者です。今までの人生で、自ら人を挑発したことはありません。

 あくまでも私の言い分ですが、なにかしら吹っ掛けられたことに対してなのです。

 討論や議論が何を指すのかは難しいところです。

 自分の主義主張が、他人と違っていることは全く問題ありません。ただ、否定されるとやはり嬉しくはありません。いつも心の中にあるコンパスと相談し、全ての決断を下してきたつもりですから。

 しかし、例えば阪根のお父様なら、笑って済ませるような気がします。

 サスペンションの能力が違うのだろうと想像するのです。

 車なら、能力の高いものを買えばよいのですが、自分を乗り換える訳にはいきません。

 鍛えるには、悪路を好んで走るしかないような気がします。ということは、まだまだ苦労が足りないだけか……

 成長、進歩と言うけれど、勿論そんな簡単なはずはありません。しかし、する人はするのです。

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社長なんて盲腸と同じ‐1519‐

 一昨日の朝、会社に向かう途中に「気持ちいいなあ」と思わず声にだしてしまいました。

 今日は生憎の雨ですが、本当に過ごしやすい季節になりました。

 カレンダーをみると彼岸の入り。

 各現場も天災に振り回されてはいますが、何とか前に進んでいます。

 完成までには、多くの職人が現場で働きますが、一番長い時間を過ごすのが監督と大工チームです。

 この日は棟梁とその後輩という2人が、テキパキと仕事を進めていました。

 下地の石膏ボードを張ったあと、開口部をカットしている場面です。

 まずは上のボード。

 そして下の部分も。

 光が差し込んでくると、景色は劇的に変わるのです。

 先端部は刃がなく、根元のみが切れるのようになっている電動ノコギリです。

 監督も、「このやり方が一番きれいにいきます」と言っていました。

 監督は現場の総責任者なので、すべての職人が彼らの指示で動いています。

 この現場での打合せには、2人も監督が参加してくれます。

 手前に立つのは、私と同じ世代でこの現場の監督です。

 奥の監督は私より一回り上で、この現場ともうひとつの現場を担当してくれています。

 総監督のような立場で、実質的には上司にあたるはずですが、この方は役職が一切ありません。

 私と同世代の従兄弟が起こした建築会社に合流し、担当物件に関しては全ての判断権限を持っていますが、役職で言えば平社員なのです。

 「社長とか専務とか、そんな役柄に興味がないんです。役柄があろうがなかろうが、やることはやりますので」と。

 世の中には、「社長」という言葉が大好きな人が沢山いるなかで、かなり稀有な人だと言えそうです。

 そういう私も、そのうちの1人でしょうか。一応役柄で言えば代表取締役ですが、「社長」とは誰にも呼んでほしくありません。

 また、クライアントにも「先生」と呼ぶのだけはご勘弁下さいとお伝えします。

 何と表現すれば良いのか難しいのですが、個々の関係性より、役柄が上回ることは意味がないし、それではより深い関係は築けないと思っているのです。

 ただ、学生君に「守谷君」と言われるのはさすがにムカッとくるので、社内では「所長」で統一して貰っていますが。

 本田宗一郎はこう言いました。

 社長なんて偉くも何ともない。

 課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。

 要するに命令系統をはっきりさせる

 記号に過ぎない。

 一丁両断。切れ味最高です。

 盲腸なので、居なくても問題ないのです。

 社長をバカにしている訳ではなく、目的を達する為だけに存在するのだという事を、笑わせながら教えてくれます。

 言葉の感覚も、まさに神様レベルなのです。

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太陽に罪はない‐1503‐

 ひとこと目には「暑い暑い」と言ってしまいます。

 この夏の日射は容赦ありません。

 私は夏大好き、晴れ大好きですが、今朝の曇り空にはややほっとしました。

 自転車の反射板がプリズムの役割を果たし、美しい虹色を見せてくれました。

 こうしてみると、夏の日差しも少しは涼やかでしょうか。太陽は生命の源で、何の罪もありませんが。

 京セラ名誉会長の稲盛和夫さんから、経営を学ぶ場が「盛和塾」

 私は2007年に入塾しました。

 人生にとって、経営者にとって、最も大切なのは「考え方」と教えて貰いました。

 稲盛さんの著書、「成功への情熱」の中に、以下のような言葉があります。

 「強さ」の秘訣のひとつは、完全に客観的でいる勇気を持つことです。もうひとつは、個人の感情を上回る強い信念を持って、自分自身の能力を信じることです。

 繰り返し読んでいる本ですが、ハッとします。

 先日世界遺産に指定された、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を思います。

 私の大好きな坂の街、長崎。2015年9月に訪れました。

 この年の7月、明治日本の産業革命遺産が世界遺産に登録されました。

 軍艦島等と共にグラバー邸も登録されています。

 大浦天主堂は今回の登録で、現在は壁が真っ白に塗られているよう。

 この旅では、高倉健の最後の映画となった「あなた」の舞台、平戸もまわることにしていました。

 薄香漁港がその撮影現場です。

 集落内は、ひっそりとしていました。

 初めて訪れたひなびた漁村に、強いノスタルジーを抱くのはなぜなのでしょう。

 そのまま、平戸ザビエル記念教会も訪ねました。

 その色使いは、南欧の雰囲気も感じさせます。

 日本ではないような空気感さえあるのです。

 強い信念という意味においては、信仰ほど強いものはありません。

 キリスト教が禁じられた260年の間、それらを守るために、踏絵で命を落とした人が実際に居たのです。それはごく普通の市井の方々だったはずです。

 それを思うと、どのくらいの信念を持っているのかと、自分に問わざるを得ません。

 1984年、稲盛さんが50歳の時に通信事業が自由化されるという機会がやってきます。これを「100年に一度のチャンス」と捉え、第二電電(現KDDI)創業に乗り出しました。

 当時、セラミックの世界では知られた存在であったものの、通信事業という全く門外漢の仕事で成功するとは誰も考えていませんでした。

 京セラが成功したのは、稲盛さんの技術が優秀だったからとか、時流に乗っただけとか言われるけれどもそうではない。フィロソフィ(哲学)があったからなのだと言います。

 通信について何も知らない私が、哲学ひとつで事業を成功させれば、経営にどれだけ哲学が大切かということを証明できると思うと考えたそうです。

 その後、鉄道網をもつ会社、高速道路をもつ会社も参入してきました。

 自社のもつ全国規模の施設を利用し、通信網を敷けば良い他社と比べて、京セラを中心とした第二電電は何のインフラも持っていません。

 山の頂上にパラボナアンテナをこつこつと建てていくしかありませんでした。どう考ても、初期投資の金額が違いするぎるので、勝ち目などないはずです。
 
 しかし、現在まで残っているのは第二電電(現KDDI)だけです。

 78歳の時には、経営破綻したJALを、政府からの強い要請を受けて率いることになります。そして、2年で世界最高収益を上げる航空会社へと変貌させました。

 よく知るとは言わないまでも、真近で拝見する限り、身長は高いものの、ごく普通の方です。

 それが、奇跡のようなことを成し遂げて行きます。

 稲盛さんは、「人として何が正しいのか」それだけを考えてきたと言います。

 これらの結果は、正しい考え方があったからこそ、成し得たものなのです。

 正義、公平、公正、誠実、勇気、博愛、勤勉、謙虚。それを実践するだけで良いと。

 人は機械ではないので、スイッチひとつで切り替えることはできません。

 繰り返しそう在りたいと願い、行動を繰り返すしかありません。

 この暑い時に何を力んでいるんだと言われそうですが、「個人の感情を上回る強い信念」という言葉に、そんなことを思います。

 人は弱いもので、つい不平、不満を口にしてしまいます。しかし、太陽に罪はないのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「羽曳野の家」放映

■■■『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「羽曳野の家」掲載

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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■4月1日(日)「トレジャーキッズたかどの保育園」開園
■3月31日「R Grey」満室となりました
 大阪市平野区平野西5-6-24
「さかたファミリー歯科クリニック」7月26日 OPEN
枚方市津田西町1-24-8

【News】
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売に「松虫の長家」掲載
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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サッカーとワールドカップの魅力‐1497‐ 

 火曜日は多くの人と同様に、早朝3:00に起きました。

 前日は21:00に寝たので睡眠は6時間。準備万端です。長男は定期考査中にも関わらず、4:00起きで後半から一緒に応援しました。

 結果と内容は私が書くまでもありませんが、本当に惜しい、悔しい試合でした。

 優勝候補の一角で、FIFAランキング3位。フランスとオランダ、ドイツに挟まれた人口1100万人のベルギー。チョコレートとビールで知られ、東京都民より少ない国民の代表は、史上最強の呼び声通り本当に強かった。

 多くの選手がプレミアリーグ等のトップチームで主力を張り、それが控え選手までに及んでいるというチームです。

 日本も、控えに本田圭佑がいるという時代になりましたが、層の厚みは明らかに違いました。

 4年掛けて準備し、成熟してきた、史上最強の代表チームに、2ヵ月前に監督が交代し、戦術が変更された日本が、ここまでやれたことは、奇跡に近いのではと思います。

 もしこのワールドカップを戦った主力メンバーが、より多くの時間を共有し、その関係をより成熟させていたなら……

 「たら」「れば」を積み重ねても仕方がありませんが、和を尊ぶがゆえ、決断が遅くなるという傾向を、日本サッカー協会と私たちは理解しておく必要がありそうです。

 香川、柴崎、吉田、昌子と多くの功労者が居る中でも、乾のインタビューを聞いていると、本当に真面目なんだろうなと感じます。

 そして、やはり努力は報われるんだと思えます。

 本気の本田圭佑の言葉が聞けなくなると思うと、寂しい限りですが、中田英寿が引退した時とはまた違う印象もあるのです。

 それぞれが、4年先を見据えてまた高みを目指して頑張って欲しいし、私たちも日々頑張らなければと思えます。

 サッカーというスポーツが、なぜこれだけ多くの人たちを魅了するのか。またワールドカップに熱狂するのか。

 裸足でもボール1つあれば出来るこのスポーツは、多くの人に平等に機会を与え、また差も与えます。

 極めて単純なルールの中でも、人類の進化にとって最も重要だった手の使用を禁じたことが、最大の要因でしょう。

 元日本代表監督だった、イビチャ・オシムはこう言っていました。

 例えば日本人はバスケットボールでは、アメリカのレベルに達するのは難しいだろう。

 それは現時点で日本人が体格的に劣るからだ。

 しかしサッカーは違う。

  サッカーなら日本人にも不利なく戦える。

 また、日本が目指すべきところについてはこう語っていました。

 いつも自分の家に帰りなさい。

  必ず他の場所へ行けばいいというものではない。

 自分の家に帰って、もっと自分のこと、つまり日本のことをもっと考えるべきなのだ。

  欧米でのテレビやドラマをみて海外に憧れをいだくかもしれないがそれはよくない。

 模倣すれば模倣以上のものは生まれないからだ。

 極めてシンプルであるからこそ、工夫と哲学を必要とするスポーツが、オシムという思想家を育くむのでしょう。

 この哲学は、前回書いた明治、大正の思想家、岡倉天心の言葉とほぼ同じです。

 「4年後も目指す」と宣言した、岡崎のパーソナルトレーナーは、同じ番組内でこう語っていました。

 彼は、オリンピックの400mリレーで、6位入賞の経験がある生粋のアスリートです。

 サッカーでなければ、通用しない。

 それ程、元々の身体能力が高かった訳ではなかったという意味です。

 しかし、地道なトレーニングによって、2年前にプレミアリーグでの優勝に大きく貢献する選手となりました。

 それが起こり得るのがサッカーです。

 人は生きるために闘争本能を持っています。武器を使わない戦争の言葉通り、国と国の威信をかけた真剣勝負に人は魅了されます。

 選手はリスペクトしあえる仲間と、頂点を目指して戦うこと以上に達成感のあることはないでしょう。

・元々の能力より日々のトレーニング。

・個の能力だけでなく、チームとしての総合力。

・同じ目的を共有できたとき、最高のパフォーマンスが発揮される。

 こう並べると、日々の仕事と全く同じです。サッカー=仕事と置き換えても何ら問題ありません。

 更に、その目的を最も高い位置に設定すれば、ワールドカップを目指す、ナショナルチームと同じになります。

 仕事も、サッカーも、プライベートも、どこにも境界などありません。

 それをつくっているのは、いつも自分の小さな都合だと思うのです。

 先日訪れた、京都国立近代美術館にはピカソがありました。

 折角やるなら世界一。

 折角見るなら、本物を見るべきです。

 本当に良いものを見せて貰いました。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
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日本の夏、日本の美、頑張れチームニッポン‐1496‐ 

 金曜日の午前1頃、サッカーの日本代表はグループリーグを突破しました。

 その戦い方には様々な評価がありますが、また4日間楽しみが増えました。

 チーム日本の総生産能力が、かなり上がっているのは間違いありません。

 昨日は、京都国立近代美術館の「横山大観展」へ行ってきました。

 初夏の京都ほど美しいものはそうありません。

 一昨年、作品群が世界遺産に指定されたル・コルビジュエ。

 その愛弟子、前川國男が設計したのが京都会館です。

 現在はロームシアター京都となりましたが、深い軒と木陰に誘われて、多くの人がお茶を楽しんでいました。

 「日本の夏」というフレーズが浮かんできます。

 ロームシアター京都から少し南。

 平安神宮の大鳥居を抜けると、京都国立近代美術館があります。

 こちらは、9・11テロの跡地に建つ4WTC(4ワールドトレードセンター)も設計した槙文彦の作品。

 建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞も受賞している、私にとっては生きるレジェンドです。

 京都市立美術館とで大鳥居を挟むように建っているのです。

 明治から昭和にかけて、多くの作品を残している横山大観。

 生誕150年を記念しての展覧会ですが、かなり賑わっていました。

 会期の前半と後半とでは展示が変わるようで、前半の目玉はこの『 紅葉 』。

 1931年(昭和6年)の作品です。

 「東の大観、西の栖鳳(せいほう)」と並び称される近代日本画の巨匠、横山大観。

 日本の伝統的な技法を継承しながら、新たな境地を開拓しました。

 しかしコミカルなタッチもあり、巨匠然としていない所にも好感がもてます。

 もうひとつの目玉、『 生々流転 』は全長40mの日本一長い画巻で重要文化財です。

 山間に沸く雲から一粒の滴が生まれるところから、川、海、そして雲に戻るまで、水の一生を描いた大作です。

 40mは一度に展示できないので、会期を3つに分けて1/3ずつの展示でした。

 

 やはり、全展示の中でも『 紅葉 』は圧巻でした。

 画材として、プラチナが使われているそうで、鮮やかさ、コントラストと、まさにエンターテイメントという言葉が相応しいと感じます。

 常設展示でさえ、ピカソ、マティス、モンドリアンと、もう見応え十分でした。

 展覧会の案内で、横山大観の師が岡倉天心だと知りました。

 1896年、東京美術学校初代校長だった岡倉天心はトラブルがもとで同校を去ります。

 その後、日本美術院を設立しますが、横山大観も師と行動をともにしています。

 後に岡倉天心はアメリカに渡り、1906年に「Book of Tea」を出版しました。

 1900年、新渡戸稲造の「武士道」が英文で発表されます。

 時代は、日清戦争、日露戦争と日本は軍国主義を色濃くし、欧米からは警戒心をもった目で見られていきます。

 日本人の本質は、もっと他にもあるという危機感をもって、天心が英文で発表したのが「Book of Tea」で、後に和訳され「茶の本」として日本でも出版されました。

 茶道のみならず、禅、茶室、美術鑑賞、そして千利休、小堀遠州と、日本の芸術を紐解く傑作と言って間違いありません。

 少し硬い表現ですが、引用してみます。

 この人生という、愚かな苦労の波の騒がしい海の上の生活を、適当に律してゆく道を知らない人々は、外観は幸福に安んじているようにと努めながらも、そのかいもなく絶えず悲惨な状態にいる。われわれは心の安定を保とうとしてはよろめき。水平線上に浮かぶ雲にことごとく暴風雨の前兆を見る。しかしながら、永遠に向かって押し寄せる波濤のうねりの中に、喜びと美しさが存している。何ゆえその心をくまないのであるか、また列子のごとく風そのものに御しないのであるか。

 美を友として世を送ったひとのみが麗しい往生をすることができる。

 巻の最後、利休が秀吉との不和で切腹を強いられ、弟子らとの「最後の茶の湯」の場面へと進みます。

 そして切腹の場面までを鮮やかに美しく描いています。

 まさに、麗しい往生が精緻に描かれているのです。

 「美」とは何か。

 これは私にとっても永遠のテーマです。

 どこかの区切りでまとめたいと思っていますが、岡倉天心の言葉は深くまで心に入ってくるのです。
 
 日本代表はベスト8をかけてベルギーと戦います。

 試合開始は3:00am。深夜と言えば良いのか、早朝と言えば良いのか微妙ですが、早起きして見ようと思います。

 FIFAのランキング3位の「赤い悪魔」は2年間無敗だそう。

 実力は間違いなく相手が上です。しかし、「十分やれると思っている」という長友の言葉通り、期待せずにはおれません。

 もう一度天心の言葉を引いてみます。

 おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見のがしがちである。

 こんな時は、この極東の島国だからこそ、持っているものがあると信じたいのです。

 頑張れニッポン。

 建築だって、経済だって、斜陽などとは言わせないぞと思っているのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

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