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大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

24-TWENTY FOUR- シーズン7

 年末頃から、映画を観に行きたいと思っていますが、まだ実現していません。

 代わりと言っては何ですが、『24 シーズン7』を観終えました。

 「24-TWENTY FOUR-」は、24時間リアルタイム進行がメインコンセプト。シリーズも7作目になる、アメリカの大ヒットドラマです。

 内容には触れませんが、このドラマで初めて知ったキーファ・サザーランドはなんと言っても素晴らしい俳優です。

 彼の演じるジャック・バウワーは、アメリカ国民を救うために自らの命を顧みず働きます。コンセプトが秀逸だとは言え、観ている間は、この超人が実在している気にさせるのですから。

 「白い巨塔」以来日本のドラマを観ていないので、あまり言えませんが、比べると、やはりキャラクターが分かり易すぎる気がします。美男美女に、ベビーフェイスにヒールと、あまりデフォルメする必要は無いと思うのです。

 「24」にも美男美女、悪役と出てきますが、普通の人(に見える俳優)も多く出てきます。何より、キーファ・サザーランドも、絶世の美男子とは言えません。

 多くの登場人物の役割は、観た瞬間に分かるものではありません。しかし、後々「あ~やっぱり」となるような、絶妙な構成なのです。

 簡単に区分けするのは乱暴かもしれませんが、そこには観る側への期待と言ったらいいのか、そういうものが薄い気がします。逆から言えば、観る
側の想像力を求められていないので、感情移入し難いと思うのです。

 ここ数年、韓流ドラマもブームですが、こちらはどうなのでしょう。アメリカよりなのか、日本よりなのか、全く別物なのか。興味のあるところです。

 競馬好きで有名だった劇作家・寺山修司は、記者からその勝ち負けを聞かれて

「なぜ平均する必要があるのか。あんたの人生は平均すると笑ってますか、泣いてますか」

 と言いました。彼はこうも言っています。

「物語は半分作って、後の半分は観客が補完して一つの世界を作っていく。余白が無いといけない。それが演劇の可能性だ」

 ここに、エンターテイメント、芸術の本質があると思うのです。

正月休みは木曽福島へ

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 私たち家族は、大晦日から1月2日まで、長野県の木曽福島へ。

 両親、弟家族とで行きました。弟家族とは、似たような年恰好なのです。

 近くのスキー場へ行きますが、弟の末娘は半年に満たないので、母と山荘で留守番です。

 4歳の長男は、格好も一人前で、スキーに目覚めていました。

 きそふくしまスキー場には、キッズパークがあります。

 500円かかりますが、安全で小さい子供にはなかなか良いのです。2番目同士は、父と雪遊び。

 山荘を借りているので、食事は自炊。

 母が大阪からおせち料理を作って来たので、正月らしい食卓になりました。

 

 

 

 

 

 31日、元旦とスキー場に行きましたが、最終日の2日は娘と留守番をしていました。

 2人で辺りを散策すると、目につかなかった景色も見えるものです。
真っ白な道に落ちた木漏れ日も美しく。

 雪が積もり、つららができ、解けては川となり海へ。

 海から、雲になり、また雪が降り。
これからも綿々と繰る返されるのです。

 娘と2人で過ごすのも久し振り。

 あっというまの3日間がすぎました。

 子供たちは従兄弟同士で、過ごす時間が一番楽しいようです。

 長男は移動の度に弟の車に乗ると、ぐずリ出しました。何故か従兄弟が、こちらの車に来るとは言わないのですが。

 正月休みを終え、本格的に2010年がスタートしました。

 今年の目標は「なりふり構わず」です。余計な事は考えず、目的に向かって純粋に行動したいと思います。

 この2010年がみなさんにとって、素晴らしい一年となりますよう。

暮れの元気なご挨拶

 題は一応メロディー付きのイメージです。

 今年も大晦日を迎えました。

 早朝に大阪を出て、現在は国道19号線を北上中。

 弟家族、両親との11名で、義妹家の山荘のある木曽福島に向かっています。何とか正月休みを迎えられ、ホッとしています。

 今年も瞬く間に一年が過ぎました。反省点は、春に採用したスタッフを一年間続けさせる事が出来なかった事。良かった点は、多くのオファーを頂いた事。厳しい状況と聞こえてくる中、事務所としては目一杯働きました。

 更に前進するには、やはり人の問題を抜きにしては、ありえないと思います。来年への大きな課題です。

 今年も一年、このサイトに訪れて頂き、誠に有難うございました。心よりお礼申し上げます。来年も皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈りしています。

 2009年12月31日 守谷 昌紀

風邪には柿

 事務所としては、今日が仕事納め。

 年末へ向けてラストスパートと頑張って来たのですが、つけが来ましました。昨日の昼くらいから悪寒がするのです。

 エアコン、デロンギ、電気スリッパ、マフラー、カイロと、思いつく限りの事をしたのですが、それでも寒い。目はかすむし、頭がぼーっとするわで、早めに仕事を切り上げて帰りました。

 熱を計ると37.8℃。普段あまり熱が出ないからか、びーびー言いたくなるくらい体がしんどいのです。昨晩は、市販の薬を飲んで9時半に寝ました。

 起きると少しましになりましたが、念のため病院へ。年内の診察は今日までで、先生に今年のお礼と、お疲れさまでしたと言うと「バンザーイ!」と言って、両手を挙げたのです。

 しんどい時は自分の事だけになりますが、先生だってそうなのです。

 妻と子供が里帰り中で、実家にいます。和室には干し柿がありました。

 母が言うには干し柿ブームらしく、わざわざ渋柿を買ってきて、干しているのです。風邪には柿がいいそうです。 

 今年亡くなった岡山の祖母も沢山作っていました。

 果樹園の木は大半が渋柿だったので、渋を抜く必要があります。焼酎につけるか、熟しきるのを待つかですが、やはり干し柿が一番です。

 もっとシワシワでしたが、あの歯ごたえと優しい甘みを思いだします。

Spoon cafe へ

 昨日は、宝塚の中山寺へ腹帯を返しに行ってきました。

 娘の出産から、もうすぐ2年。生まれてすぐ入院したこともあり、すっかり遅くなってしまいました。現在、とても元気に暮らしているので、これも中山寺のおかげ。感謝の気持ち込めて奉納してきました。

 昼時になったので、久し振りに門戸厄神駅前のSpoon cafeへ。

 何年ぶりか覚えていないくらい久し振りです。

 エントランスの扉こそ替わりましたが、ほぼ当時のままで営業しています。

 私が始めて設計した商業建築なのです。

 壁も年輪を感じさる、いい色になっていました。

 子供には、ハンバーグセットを。

 「物凄っい美味しい」と、モリモリ食べました。

 手作りのケーキも300円くらいで、モンブランが素晴らしかったです。

 私は、ずっと一番気に入っているアボガドバーガーを。840円だったと思います。

 とろけるようなアボガドと、手作りのパテがびっくりするくらい美味しいのです。

 普通のハンバーガーとは、全く次元の違う美味しさを保証します。

 私が言うのもどうかとは思うのですが。

 当時、このお店のチーフだった後輩が、改装計画に声を掛けてくれました。私が27歳、彼が25歳でした。
 
 リニューアルオープンが1998年の冬だったので、11年前のことです。

 壁にイスがあたって汚れていたり、洗面の水栓がちょっと痛んでいたりしますが、空間は成熟が進んでいると感じます。

 後輩も居たのですが、仕事中なので少し話しました。「この間、アイルランド人のお客さんが、自分の国の店に似ている。ナイス!って言ってくれましたよ」と。

 店舗の内装はもって5年という中で、ほぼ原型通りで営業を続けていけるのは、皆に愛されている以外に理由はありません。

 お客さんの支持がなければ、すぐに変わってしましますし、お店側にも愛情がなければ、こういう成熟は進まないのです。
 

 費用は本当に無かったので、アプローチには現場用足場板を敷きました。この柔らかい、安い木が、10年を超える足跡を感じさせるのです。

 最後に、今日はクリスマス・イブです。全ての人にとって素晴らしい夜となるよう、メーリー・クリスマス!

能勢

 ここのところ、寒い日が続きます。昨日は風も強かったのですが、久しぶりの野外活動へ。

 大阪府の北端にあるのが能勢町。阪神高速が少し延びて、市内からは1時間ほどです。

 能勢の郷(さと)にあるフィールドアスレティックへ行きました。

 大人750円、小人450円。小学校以下は無料。遊具は過去最多の42個。かなり本格的な感じでした。

 こちらは寒く、氷が張っていました。

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 今回は長男、父と3人で回ります。

 急な斜面にあり、登山道のようなところもあるのです。

 霜柱も久し振りに見ました。

 やっぱり踏んでしまうものです。

 約2時間掛けて完走。

 寒さからか、併設されたレストランはガラガラでした。

 カレー600円、定食800円など。安いのは嬉しいものです。良い季節はかなり混雑するという話でしたが。

 家に帰ったのは4時頃でした。風呂に入り、目一杯からだを動かしたあとの夕飯は格別です。

 その後、M-1グランプリを観ました。結成10年までで、一番面白い漫才コンビは誰かを決める、年末恒例の番組です。

 8年連続出場の「笑い飯」、昨年のチャンピオン「NON STYLE」を抑えて、優勝は「パンクブーブー」。心情的には「笑い飯」でしたが、露出が少なく、フレッシュで、一生懸命な感じが、面白さに反映されていました。

 出場者の一人が、子供の頃、この番組を見て「芸人がかっこよく見えた」とコメントしていました。格好がいいのを格好悪く見せるのが芸人と言う感もありますが、やはり真剣勝負は観ていても手に汗握ります。

 日本一面白いという称号は、絶対的な価値を持ちますが、8年間、トップレベルに居るというは、それに匹敵するものかもしれません。ただ、最後の最後にもって来たネタは……

 本当は一番にはなりたくないのではと、勘ぐりたくなるのです。

言わない 

 一昨年だったか「今が仕事のピーク」と書いた後、もっと大きなピークがやって来た事が有りました。それ以来、ピークとか、忙しいとかは書かないようにしています。

 心を亡くすと書いて忙しい。全くいいとこ無しの字なので、普段も使わないようにしています。それでも、出てしまう時。それは心に問題有りの時です。

 そもそも忙しいというのは、自分のスケジュール管理の問題です。少々やることが多くても、予定通りに進んでいれば、そうは言いいません。予定と行動の不一致が元で起こる心の様相なのです。

 「この1年間、無駄にした時間を合計しても、1時間に満たない」

 そんな人は、高い次元で本当に「忙しい」のだと思うのです。
 
 私も未だ修行の身。ついあの言葉を口にしてしまう時が。何より、ここに書いていること自体……

 今日は、4回も書いてしまいました。今年もあと2週間。もう使わないようにします。

足元に

 先日クライアントと、1階の仕事場は足が冷えるという話しになりました。

 私は厚めのスリッパと靴下でしのいでいます。それでも寒い時は、コイズミのヒーター付きスリッパ。消費電力も22Wで、はなかなか気に入っているのですが、すでに廃番になったようです。

 その方、レッグウォーマーを勧めてくれました。試してみると確かにいいのです。

 ズボンの裾は隙間だらけで、熱はどんどん逃げて行きます。考えてみれば、首元のマフラーと同じでした。女性用の物なら細身で、スーツの下でも可能かもしれません。

 事務所前のアイビーが僅かに色付いていました。

 先々月の撮影の時、下草が足らないという事になりました。急遽、事務所前、自宅のアイビーを引き抜いて移植したのです。

 特に事務所前は、大量に抜いたのですが、ほぼ戻りました。たくましいものです。

 これを機に、株を増やすことにしていました。ペットボトルを半分に切り、刺しているのですが、意外に目立ちません。

 打合せテーブルでも。

 コップは、何度か仕事をしている作家の作品です。

日本建築家協会

 今日は大阪市中央区の船場にある、綿業会館へ行ってきました。

 この建物は、 渡辺節の設計で1931年に完成しました。

 重要文化財にも指定されていますが、曇り空が良く似合います。

 先日紹介した村野藤吾も、渡辺節の門下生で、この物件を担当していました。

 しかし今回は建物を見に行ったのではありません。

日本建築家協会に入会する為、面接があったのです。http://www.jia.or.jp/

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 今まで、建築に係わる何かに属したことはありませんでした。

 しかし、来年は事務所を設立して15年目。私も40歳を迎える節目として、仕事の評価を世に問うてみたいと思っています。

 建築家協会員が参加できる、コンテストに応募したいと思っているのです。

 経歴の説明をすると、面談をしてくれた役員の方が「おそらく入会は問題ないでしょう」と。

 更に「出江さんのお弟子さんの所にいたなら、挨拶しておきなさい。孫弟子とも言える訳だし」と言われたのです。

 建築家・出江寛、御年78歳。現、日本建築家協会の会長です。私が初めて師事した建築家がその門下生だったのです。その哲学を聞き、著者も読んでいたので、すぐご本人と分かりました。たまたま近畿支部におられたのです。

 「そうか○○の所にいたんか。彼が居たのは一番厳しかった頃やな。何度かゴツンといったと思うわ」と。

 私の経歴書に目を落とすと、作品の写真を見て「ダイナミックな建築やな」と評してくれたのです。軽い気持ちだったのかもしれませんが、感想を述べてくれた事が、素直に嬉しかったのです。

 出江さんは「建築とは哲学すること」と説いています。更に、哲学とは道理、倫理、美学と定義しています。その哲学にはいたく感銘を受けていました。

 初めてお会いしたのですが、もちろん勝手に孫弟子だと思っていたのです。

伝え辛い

 温暖化が進むとは言え、12月も2週目に入り寒くなって来ました。

 環境から見ると、寒いのはよい事といえそうです。

 引越しをして約7ヶ月。

 向かいの奥さんから「ここの庭は、冬に咲く花が多いよ」と聞いていました。

 その通り、今はサザンカが咲いています。この花は長い期間咲くものです。

 他には、黄色のセンリョウも咲いています。

 昨日は、1ヵ月点検に行っていました。

 10月末に竣工した「ドタバタ広場のある家」。

 庭木が植わり、一気に雰囲気が出てきました。

 点検の後、近況報告などしていました。私たちにとって、この時間は何にも替え難い時間です。

 しかし、伝え辛いことがありました。

 現場監理から係わってきた当事務所の担当者が、11月末で退職した事です。何とか1ヵ月点検まではという気持ちだったのですが、適いませんでした。

 私は辞めたいと言ったスタッフを、引きとめる事はしません。自らの言動には、責任をとるべきですから。

 そのスタッフだけではありませんが、よく伝えている言葉があります。

 「新しき計画の成就は、只不屈不撓の一心にあり。さらばひたむきに、只想え、気高く、強く、一筋に」 中村天風

 普通の人が、何らかの成果を残したければ、これしかないと思うのです。