一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

和歌山中華そば

 昨日は映画を観ようと、朝からなんばパークスへ。

 シネコンへのエレベーターが混んでいたので、まさかと思いましたが、すでにチケットは完売。

 朝1回目が売り切れていたのは『毎日かあさん』だけ。

 本当に「絶賛上映中」でした。嬉しい気持ちもあり、残念な気持ちもあり。

 早速本屋さんで「るるぶ」を見て行先を考えます。

 ラピート、サザンを乗り継いで和歌山へ行くことにしました。目的はないと言えば無し。あると言えば和歌山ラーメン。

 和歌山市には南海電車とJRが乗り入れています。

 これが市内の東西で結構離れているのです。海側の西に南海、東にJRという関係。

 なんばから1時間ほどで着きました。駅前にあった観光案内には「中華そば、ラーメンマップ」なるものまでありました。

 両駅の中間にあるのが「ぶらくり丁」という商店街。

 南海の駅から15分くらいでしょうか。しかし目標にしていた店が休み。よく見ると、日曜休みが結構あるのです。

 それなら一番人気の店まで行こう、となったのです。JR和歌山駅から更に南で、上の子供をおんぶしたり歩かせたりで、結局1時間程掛かりました。

 ようやくついた井出商店。店内は驚くほど狭く、中央テーブルに14席、壁際のカウンターに12席くらいでしょうか。

 中華そばという言葉にもこだわっているようです。


 
 行列も覚悟していたのですが、到着が1時半頃で一段落していたのか、スッと入れました。

 私達は大盛中華そばを2つと、サバのき寿司と巻き寿司を注文。

 長男は、豚骨スープの匂いを「臭い、臭い」と言っていましたが、味は美味しかったようで「段々いい匂いに変わってきた」とか言いながら、かなり食べました。

 いわゆるこってり系のスープで、麺は細めの柔らかめ。常連っぽい人は「硬め」と注文していました。

 会計は全部で1700円。味も金額も納得です。

 有名店にある少し横柄な感じも全く無く「店内が狭いのでバギーを預かりましょうか」と言ってくれたのです。

 こんなところで、満足度は全く変わります。

 その後、近くにある妻の妹夫婦の新居に寄って、JRで天王寺へ向かいました。

 途中で買った「コアラのマーチ」に、眉毛有りが。

 話しは聞いていたのですが、子供が初めて見せてくれました。

 日曜日をちょっと幸せにする、こんな企業努力は大歓迎です。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

決断は真昼間に

 昨晩は雨。それもあり、今朝は随分温かく感じました。

 庭の梅もついに満開を迎えました。

 最も寒い時期に咲き始め、雪に降られ、春を迎える前に散っていく。

 この家に引っ越して2年。

 短い付き合いですが、梅とはなんと慎ましい花かと感じます。

 今週の月曜日、ようやく伊東内科クリニックのサイトをUPしました。

 公開する前、まずはクライアントへ下書きを送ります。すると院長から良ければ使って下さいと、写真が届きました。

 11月。紅葉が最盛期を迎えるほんの手前でしょうか。

 赤、橙、緑が大変美しいイロハモミジ。

 共に最も愛されてきた庭木の一つでしょう。

 変化がダイナミックで、散り際が潔いのが愛される理由でしょうか。
 
 2月に入り、プロ野球もすでにキャンプ中。

 最近、野球を見る機会はめっきり減りましたが、シーズンオフにイチローを見るのを楽しみにしています。

 彼の言葉は、いつだって爽快だからです。

 今シーズン(?)観た番組は、コピーライターの糸井重里氏との対談でした。

 2009年春のWBC(ワールド・ベースボール・クラッシク)の話しもしていたので、再放送だったのかもしれません。その中で、こう言っていました。

 僕は「寝ずに考えたんだけど」は信用しないんです。だって、そうでしょう。夜に書いたラブレターなんて翌朝見れないじゃないですか。大事な決断こそ、いつも以上に寝て、お天道様の下で!ですよ。

 ごもっとも!です。夜に仕事を引き延ばしてしまう者としては、耳の痛いところ。今後、大切な決断は必ず午前中にします。

 彼は以前、俳優としてドラマにも出演しました。その理由はこうです。

 野球でも自分がイメージ出来れば、ほぼその通りのパフォーマンスが出来る。演技もイメージさえ出来れば、何とかなると思っていました。

 彼にとって、演技も、野球も大して違いがないのです。それよりはイメージできるかのほうが重要ということです。更に言えば、イメージ出来たことを実現できると信じれるかどうかが、最も大切なことと言えます。

 糸井重里が「これ程質問にまっすぐに答えようとする人を、見たことがない」と言っていました。彼の根底にあるのは、目的に対し誰よりも純粋で真面目だと思うのです。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

前川の言葉

 先々週の2月8日、京都市は京都会館のネーミングライツ(命名権 )を売却したと発表しました。

 相手先は市内にある半導体メーカーの「ローム」で、50年52億円という破格の規模。施設として古くなった会館を改修したいという京都市の思惑と、ロームの地域貢献が一致したとありました。

 そんな事もあり、昨日は京都へ。

 京都会館は京都市左京区、平安神宮も近い岡崎にあります。

 日本の近代建築化に大きく貢献した、前川國男の代表作で、完成は1960年。築50年を超えました。

 疎水沿いに建つその姿は、古めかしく映るかもしれません。

 この日は、ブラスバンド大会があったようで、結構賑わっていました。

 前川の代表作としては、上野の東京文化会館などがあります。

 いずれも鉄筋コンクリート造ですが、その重量感を適切なものにするため、前川は腐心していたと思います。

 木造であるかのような、細やかなデザインが細部に行き届いているのです。

 手摺もRC(鉄筋コンクリート造)ならではの造形を、軽やかに楽しく仕上げられています。

 質感の違う素材の組み合わせも巧み。コルビュジエに師事し、丹下健三を育てた彼の言葉が、私は好きです。

 「建築で一番大切なものは永遠性だよ」

 「人間は、はかない存在である。頼れる確固たる存在が必要だ。それに建築は応える必要がある」
  
 「一本の鋲を用いるにも 一握のセメントを用いるにも 国家を 社会を 農村を思わねばならない」

 「自然は美しいね。なぜだと思う。自らに責任を持っているからだよ」

 ホテルフジタ京都は鴨川沿いに建つ名門ホテルで、同じく近代建築の巨匠、吉村順三の設計です。

 先月末、経営難も有り閉館されるとニュースにありました。今年で40年目。近くで見ると、解体の準備か、バリケードがはられていました。

 対比を書きたいのではありませんが、その建築の運命を決めるのは、根底に流れる哲学が影響すると思います。

 責任を果たすため、懸命に生きるからこそ自然、人は美しいのです。

現場力

 先週の前半。午前中に1本の電話が掛かってきました。

 初めにスタッフの女性が出ました。

 彼女の最後の質問は

「失礼ですが、お名前をお聞きして宜しいでしょうか?」

 でした。建築相談と聞き代わると

 「プランは無料で作成して貰えるのですか?」

 という内容でした。

 それに対して私の返答は

 「求めて頂ける可能性があると感じたら、無料でさせて頂きます。よければ、また事務所に遊びに来て下さい」

 完全に駄目です。大きくは、2つの間違いがありました。

 1つ目は、webサイトに無料でプランすると書いてあるので、聞かれたなら「無料でします」と答えるべきです。嘘はありませんが、注釈は無用です。

 計画は、いつも多くの建築家と比べられるコンペだと思っています。報酬を担保するより、全力でプランを全考える方が、よほど事務所の為になると思っています。もちろん、選んで貰えないというイメージは一切持っていません。

 2つ目はスタッフが名前を聞いた事。

 普段から、問い合わせの際には、名前、連絡先は聞かなくて良いと言ってあります。

 例えば服を買いに行ったとき、名前を言えと言われたら、すぐに店を出るはずです。関係が出来上がるまでは、匿名性も大事だと思うのです。

 

 一昨年に竣工した写真スタジオOhanaの石井さんに、撮影の前はどんな準備をするんですか、と聞きました。

 「何もしませんよ。その時のひらめきが大事ですから」と。

 それが「現場力です」とも。
 
 知らない設計事務所に、電話するだけでも勇気が要ったはずです。その対応がこれでは。

 全ての仕事は、一本の電話から。

 スケジュールが立て込んでおり、皆にちょっとした慢心があったのかもしれません。

 その時、その現場で、どんな仕事が出来るかにかかっているのです。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

毎日かあさん

 先週の金曜日は、建国記念日で祝日。

 朝起きると白銀の世界、の一歩手前くらいでした。

 2006年もかなり積もったので、4年振りの大雪です。

 咲いたばかりの梅には災難か。しかし一層美しく見えます。

 紅白のコントラストは、日本人が最も好む色かもしれません。

 2月5日に封切られた映画「毎日かあさん」

 こちらの監督、スキー部時代の先輩なのです。

 もう4年も会っていないので、よく知っていると言うと語弊がありますが、5年前に初めて長編を撮った際にはスキー部でも集まり、お祝いしまいた。

 関大のスキー部で(私は近大ですが)、学年は1つ上。当時から、音楽、ファッション、スキーの道具にも、かなりこだわっていました。いつもニコニコして、とても面白い人だったのです。

 しかし現在、webサイトで紹介されるその姿は渋く、最高にかっこいい!やはり立場がその人を磨くのでしょう。

 人気の女性漫画家と、元戦場カメラマンの結婚、離婚、日常の喜怒哀楽を描いたストーリー。監督は「広い意味でのコメディー」とインタビューで答えていました。

 小泉今日子と永瀬正敏の元夫婦が、夫婦を演じるというキャスティングが話題を呼び、注目度も抜群です。前作の日本映画監督協会の新人賞を上回る、素晴らしい結果が出ることを期待しています。

 関大のスキー部には変わった人が多く、2つ下の後輩は、ハワイで鍼灸院を開業するため夫婦で渡米中。なにか州の認可を取るのに、猛勉強中らしいのです。もう少しの所までこぎ着けたと、年賀状にありました。

 大学を出て17年。本気で夢を追いかけてきた人は、それを実現するステージに立ち始めています。ビリー・ワイルダー監督の『麗しのサブリナ』でヘップバーンはこう言います。

 「生きがいのある生涯を送るには、傍観者でいてはいけない。人生は自分の手でつかむのです」

 もちろん傍観者でいるつもりはありません。ただ悔いのない毎日をおくるだけ。

 しかし映画は観に行かないと、と思っているのです。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

建築日和

 先日友人が、ブログで面白い事を書いていました。テーマは、カレー日和

 チロルは大阪の四天王寺から飛騨の清見町へ移転したカレー屋さんで、スキーを通しての友人でもあります。

 昨年の春に新店舗がオープン。冬期は通信販売だけになるのですが、何故か注文が集中した日がありました。それがカレー日和。

 このお店が四天王寺にある時は、改修の手伝いもさせて貰いました。飛騨牛が入ったカレーは絶品です。加えて、お菓子も凄く美味しいのです。気になる方は是非一度。

 これを自分の仕事に置き換えてみると、建築計画がスタートする時期にも傾向があります。それは年末から春にかけて。理由はこう考えています。

 家を建てる、店舗を立ち上げる。これは大きな決断です。どんな建て方で、誰と建てるか。気楽に決められる人はいないはず。

 ましてや、知らない設計事務所に連絡を入れて……となってくると、どうしても後押しが必要だと思います。それが「今年中」や「今年度中」だと想像しているのです。

 その傾向があるなら、先に準備をしておけば良いはず。対策としては、やはりスタッフの採用です。本気で人の役に立ち、一緒に泣き笑いできるようなスタッフと働きたいと思っています。

 ただし「泣き笑い」は例えではありません。情熱にあふれた若者をお待ちしております。


一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

相談員

 先週の木曜日、ハービスPLAZA(大阪)で相談員をしていました。

 毎月1日から7日まで、大阪府建築士会「住宅を設計する仲間達」の「設計相談会」が催されているのです。

 結構あちらこちらで告知してきました。

 そして迎えた当日。

 私の担当時間は3:00pmから6:00pmの3時間です。

 意気揚々とハービスのエントランスをくぐります。

 見学者こそちらほらありますが、結局相談はゼロ。

 良く考えてみれば、平日の昼間に動ける人は限られています。

 少なくて当たり前なのかもしれません。

 帰りはすっかり日が暮れ、ライトアップも若干むなしく……

 少ないとは聞いていたのですが、やってみないと分からないだろうと思っていました。

 しかし、結果は従来通り。ただ収穫が2つありました。

 1つは私の前の時間を担当していた建築家と話しを出来たこと。

 同業は大学時代の友人しか知らないので、色々と情報交換をでき、楽しかったのです。もう1つは、模型の前に置いてある事務所紹介のリーフレットを、かなりの人が持って帰ってくれたこと。

 これは、昨年の11月に『建築ジャーナル』に掲載されたものを、再度刷りなおしたものです。2005年から2009年までの作品を8ページのカラーでまとめてあります。

 生き物にとって一番辛いのは無視される事だそうです。何であれ関わってくれることが一番幸せなのです。

 気が付けば立春も過ぎ、庭先では梅が咲き始めました。

 人が寒い寒いと言っている間も、花は当たり前に準備を進めていました。

 毎年、咲き始めの、梅と桜を見るたびにそんなことを思うのです。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

海外で評価を受けるには

 先週の土曜日、サッカーのアジアカップ決勝戦がありました。

 日本はワールドカップドイツ大会で苦杯を喫したたオーストラリアを破り優勝。放映は深夜にも関わらず、視聴率は30%を越えました。日本代表はその期待に応えました。
 
 週が明けて火曜日。日本代表のディフェンダー、長友佑都選手がインテルへ移籍すると発表がありました。インテルミラノは世界を代表する、セリアAの名門クラブです。

 彼が常日頃から口にしていた目標は「世界一のサイドバック」。ここがスタートなのかもしれませんが、大きな1歩を踏み出しました。

 このところサッカー選手の欧州移籍、活躍が立て続けに伝わってきます。移籍金がさほど高くないという背景もあるようですが、何より「勤勉さ」と「俊敏性」が評価されているとありました。

 メジャーリーグにおけるイチロー選手も同じことが言えます。その他アメリカに渡った日本のプロ野球選手も、一様に「勤勉さ」を評価され、選手内に良い影響を与えるとされるのです。

 これは、どんな仕事にでもあてはまるかもしれません。勤勉は良いと思います。では俊敏性は。

 決断力、決断のスピードと置き換えてみます。日本人は、意見を言わないとか、何を考えているか分からないと言われますが、論理的に、倫理的に、判断が出来ると考えています。

 決断は終わっているが、それを言うか言わないかだけの問題だと思っているのです。その仮説があっていれば、多くの人にかなりのチャンスが広がっていることになります。  

 長友選手の報道を聞き、アトリエmの目標もここに書きます。

「世界遺産」

 世界遺産に選ばれるには、10ある基準のうち、1つ以上に合致する必要があります。その一項目目は以下の通り。

 (i) 人類の創造的才能を表す傑作である。

 いちどある人に「生きている間にはかないませんよ」と言われました。それでも良いのです。この項を読んだ時はいつでも、力がみなぎるからです。

 リートフェルトのシュレーダー邸のように。

一級建築士事務所 アトリエm
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

『住まいの設計相談会』

 昨年、日本建築家協会(JIA)と大阪府建築士会に入会しました。

 入会しないと、参加できないコンペがあったからです。

 建築士会の方に「住宅を設計する仲間たち」という部会があります。そこにも参加することにしました。

 具体的な活動としては、毎月1日~7日までハービスOSAKAの4階で、作品展を催しています。

 更に「住まいの設計相談会」として、期間中は1日2交代で無料相談も行われているのです。

 初めてその相談員をすることになりました。

 私の受け持つ時間帯は下記の通り。他の時間帯は、別の相談員が居ます。良ければ遊びに来て下さい。

『住まいの設計相談会』
日時: 2011年 2月 3日 (木) 15:00~18:00
場所: 大阪市北区梅田2-5-25
ハービスPLAZA(大阪)4階リビングギャラリー
(エスカレーター横の円形ギャラリー)

 相談予約は 阪神電鉄ハービスOSAKA 06-6343-7617 まで。(当日でも受付可能です)

 パネル展示も開催中で、今回のテーマは二世帯住宅。当事務所は、年始に大阪ガスの『住まう』で取り上げて貰った「池を望む家」を展示します。

 パネル展示期間: 2/1(火)~2/7(月)11:00~20:00

 なかなか無い機会なので、気軽にご相談下さい。というより、誰も来てくれないと時間を持て余すので、興味のあるかたは是非。

一級建築士事務所 アトリエm
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

-地元建築家がガイドする名建築-大阪編

 扶桑社から隔月で発売される『SUMAInoSEKKEI』。

 昨年は「サロンのある家」が掲載されました。webサイトでは現場日記の「四丁目の家」をコラムとして取り上げて貰っています。

 誌面には「地元建築家がガイドする名建築」というコーナーがあります。発売中の3・4月号は大阪編。私がナビゲーターを務めています。オファーが届いたのは9月下旬でした。

 大阪(市内)の近現代の建築を5件程度を選んで頂きます。写真は1つの建築について3~5点。イラストマップにまとめますので、なるべく中心部にあるもので。

 有名建築はもちろん、知られざる名建築、守谷さんが個人的に好きな建築、 影響を受けた建築などが入っていると望ましいです。ただし、住所とマップを入れますので、住宅は除外です。

 写真は自分で撮影します。迷惑駐車が多かったり、タイミングが合わずに、光がダメだったり。候補を絞るのに7、8回は街へ出ました。どの作品を選んだかは是非雑誌をみてください。

 それ以外の「名建築」をここに掲載してみます。竣工年月日/住所/設計者/施工者/コメントの順です。

 太陽の塔/1970年/吹田市/岡本太郎/大林組・竹中工務店・藤田組

 岡本太郎の傑作。強く元気だった大阪の象徴。塔と私は同い年。

 通天閣/1956年/大阪市浪速区/内藤多仲/奥村組

 現在は2代目。初代は凱旋門とエッフェル塔を重ねた強欲なデザインだった。

 高速道路から通天閣をが見えると、帰ってきたと実感する。

 日本綿業会館/1931年/大阪市中央区/渡辺節(担当:村野藤吾)/清水組(後の清水建設)

 清楚で美しい。日本建築家協会の近畿支部がはいる。

 芝川ビル/1927年/大阪市中央区/渋谷五郎、本間乙彦/竹中工務店

 無国籍な感じが、唯一無二のファサード。屋上がオープンテラスとして使われる。

 大江ビルヂング/1921年/大阪市北区/葛野壮一郎/直営

 作家の友人が個展を開いたことで知った。

 映画「ブラック・レイン」ではエントランスが警察署として使われる。建物中央に光庭がある。

 大阪マルビル/1976年/大阪市北区/フジタ工業/同左

 キタは通学路だったので、多くのニュースをこの電光掲示板で見た。

 現在はその部分が随分小さくなったのが残念。キタの高層ビルの先駆け的存在。

 ナビオ阪急(現在はHEP NAVIO)/1980年/大阪市北区/竹中工務店/同左

 建築の造形は自由なんだと感じた。

 現在はシネコンが入っているが、以前の雰囲気が好きだった。ナビオは「船」の意味。

 大阪弁護士会館/2006年/大阪市北区/日建設計/大林組

 中之島の北に建つ。

 単純なデザインの繰り返しが、美へと昇華している。

 懸魚のある製図工場/1984年/大阪市北区/出江寛/堀田工務店

 出江寛建築事務所。竹中工務店出身の大阪の重鎮。

 主な素材はスレート。安価な素材で高い精神性を表現する。

 出来れば取り上げたいと思っていたのが、安藤忠雄建築研究所。

 ライターの方に相談すると「広報に交渉してからになるので、ちょっと時間が掛かるかも」といったニュアンス。結局オファー出来ずでした。

 下見に行った日はすっかり夜でしたが、せわしなくスタッフが出入りしていました。ここから海外へも発信しているのだなと、思いながら。

 大阪の建築を一言ではくくれませんが、キーワードは自由と責任でしょうか。

 その気風はもちろん私の中にも流れていると思います。

一級建築士事務所 アトリエm
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記