一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

カリオストロの城にみる作家性と究極の恋愛観‐1580‐

 現在、一緒に仕事をしている監督が、「お客さんと一緒に、再放送を観ましたよ」と。

 4月7日(日)に、BS朝日で『大改造!!劇的ビフォーアフター』の再放送があったようです。

「住之江の元長屋」は番組では「天井から雨が降る家」

 webサイトへのアクセスが、500くらいあったので、沢山きてくれているなと思っていたのですが、理由が分かりました。

 移動の途中、玄関への立派な藤棚のあるお家をみつけました。

 藤はこの時期から梅雨にかけてですが、淡い紫と淡い香りが大人向けの花と言えそうです。

 前回、パリの思い出を少し書きましたが、『アルセーヌ・ルパン』を書いた、モーリス・ルブランもフランスが生んだ偉大な作家です。

 その孫(という設定)の『ルパン三世』を描いた、モンキーパンチさんが4月11日に亡くなりました。

 金曜日には追悼番組として『ルパンVS複製人間』がテレビ放映されました。

 昨日もプレゼンテーションだったのですが、昨年末からこの春にかけて、我ながらよく働いたと思います。

 そんな日曜日の夜は少し特別感が欲しいもの。

 で、久し振りに家族全員で『カリオストロの城』を観ようと声を掛けていました。

 カジノで盗んだ紙幣が偽札でした。

 そこから怒涛のような展開が始まります。

 カリオストロ公国の姫、クラリスと初めて出会うシーンは、あの滅茶苦茶なカーチェイスから。

 アニメの歴史に残る名シーンです。

 カリオストロ公国で偽札を作っていると知るルパンは、お姫様を救い出すため、城へ向かいます。

 クラリスが幽閉される尖塔へ向かう際の、尖塔3段跳びも、コミカルでリズミカルな名シーン。

 そして、泥棒さんは若きお姫様を救い出します。

 そして結末です。

 わる~い伯爵の最後は、長針と短針に挟みつぶされるという、残酷なものでした。

 すっかり忘れていましたが、思わず目を背けてしまいました。

 銭形平次の子孫(という設定)の名脇役は銭型警部。

 何も盗らなかったと言ったクラリスとのエンディングの会話です。

 「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。」

 「あなたの心です」

 もう全てが名シーンといってもよいかもしれません。

 日曜日の夜「守谷家映画劇場」は、ドラえもん、名探偵コナン、ルパン三世の映画と引き継がれてきました。

 豊かな時間を提供してもらい、ただただ感謝しかありません。心からご冥福をお祈りするのです。

 ずっと前に付き合っていた女性が「理想のタイプをはルパン三世」と言っていました。

 ユーモアのセンスがあり、腕がたつ。そしてもてる。

 私にとってもやはり理想です。

 初めて長編映画を監督する宮崎駿の情熱と、モンキーパンチが描いた魅力的なキャラクターが、がっちりとかみあい、最高傑作を生み出すことなりました。

 宮崎は究極の恋愛観を、絶対に交わらない子供に見ているからだと私は思っています。

 類まれなる作家性と、究極の恋愛観が織り込まれた名作。それが「カリオストロの城」だと思うのです。

 その証拠に、普段は大人の香り漂わせる峰不二子も、この回のお色気は抑え気味。

 控えめな藤のような名脇役に徹しているのです。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

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【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

憧れのパリ‐1579‐

 休耕田なのか、菜の花が満開でした。

 街中に広がる黄色いじゅうたんです。

 関西が生んだ巨匠、司馬遼太郎。

 彼がこの野花をこよなく愛したのも、分かる気がしてくるのです。

 ゴシック建築の傑作。ノートルダム寺院の尖塔が焼け落ちる映像は、ショッキングなものでした。

 初めての海外行きにフランスを選んだのは、やはり憧れの存在だったからです。

 1995年、24歳の時ですが、1社目をクビになると失業手当がでました。それを元手に海外へ行こうと思いたちます。

 ル・コルビジュエ設計、ロンシャンの礼拝堂を是非見たかったのです。

 沈黙がうなるとでも表現したくなる、あの空間を今でも忘れることはありません。

 しかし、それ以上に刺激的だったのが初めて目にする海外の街でした。

 パリの街は灰色にも関わらず、極めて美しいものでした。

 パンをかじりながら、ただただ歩き回っていたのです。

 アールヌーボーの旗手、ギマールのガラス屋根に感激。

 ルーブルにも足繁く通いました。

 そして、I・M・ペイのガラスのピラミッドに対峙したのです。

 「漂えど沈まず」それがパリなのです。

 当時は、近代、現代のアートへの興味が9割で、ノートルダム寺院の写真は1枚しか残っていませんでした。

 その一枚が尖塔を横から見たもの。

 もう四半世紀前のことで、その時の気持ちを覚えていないのですが、極めて美しい写真です。

 24歳の私も心動かしたのでしょう。

 この繊細な木細工に火が付いたなら防ぎようはないと思います。

 反対の言い方をすれば、火災を防ぐことを第一に考えればこの尖塔は存在しません。

 火災は人の命を奪う可能性があります。

 よって、最大限の予防をする必要がありますが、現行法規の下なら、ノートルダムの尖塔も、ミラノのドゥオモも、法隆寺も存在しなかったと思います。

 美とは通常ではないからこそ美なのです。

 フランス国民は、悲哀にくれていると思います。

 形あるモノは必ず壊れます。しかし、人が望めばモノは必ず再現できます。

 自由・平等・博愛を表すというトリコロール。

 建築家・白井晟一は「青は希望の色」と言いました。

 希望を持ち、いつまでも憧れのパリであって欲しいと思うのです。

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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『houzz』4月15日の特集記事
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

トップってやっぱり凄い‐1578‐

 houzzの特集記事で、「中庭のある無垢な珪藻土の家」が取り上げられました。

 こちらのご夫妻は、ともフルタイムで働いておられ、家事動線は考えに考えました。

 このゴミ箱の入った写真を撮りたがる創り手はあまり居ないと思います。

 しかし、このカットにこの家のストーリーが詰まっているのです。

 見難いのですが、ゴミ箱の上にゴミ袋を置く小さな棚があります。

 ゴミを捨てた後、すぐに新しい袋を取り出せるよう、蓋の開け閉めの邪魔にならないギリギリの位置を模索しました。

 このカットは、ご家族だけが通る動線からのもので、お客さんには普通見えません。

 しかし、記事を書く人は必ず欲しいと思うアングルだと分かって撮影しました。言ってみれば確信犯なのです(笑)

 桜も終わり、新緑をもとめて七色ダムまでやってきました。

 曇り空ではありましたが、やはり自然の中は最高です。

 普段行く池原ダムが大減水でボートが降ろせず。

 それでこちらに来たのですが、20代の頃から来ている勝手知ったる湖です。

 集落が湖畔すぐにあり、穏やかな景色が広がります。

 湖面には散った花びら。

 まだ残っている桜もありました。八重桜でしょうか。

 人にとっての気温以上に、魚は水温に敏感です。

 この日、最も水温が高ったところは13.7℃。

 この時期は、水深の浅い上流部が温まりやすく、魚もそこに集まる傾向があります。

 スロープで事前に情報を聞いていたこともあり、最上流部からスタートします。

 いきなり来ました。

 岸際を意識している大きな魚体が見えました。

 岸寄りの岩盤の上に、鮒を模したルアーをステイさせておきました。水深2mくらいでしょうか。

 ゆっくり魚体が寄って行き、フッと反転したのが見えたのでフッキング。

 完璧な展開でしたが、実はこの釣り方は全くの受け売り。

 先週この地で、日本でのトップカテゴリーの試合がありました。優勝した三原直之選手はその釣り方を公開しており、それを真似ただけなのです。

 それで、このサイズの魚を獲らせてくれるのですから、どんな世界でもトッププロは凄いものです。

 52cm、1.6kgの素晴らしい魚でした。

 2月の釣行ではウグイだけだったので今年の初バス。幸先のよいスタートです。

 この日はこれで満足してしまい、早め上がりましたが、大きな魚が沢山上がっていたとのことでした。

 プロの選手とは言え、試合は今後も続くので、少しはキモの部分を隠しておきたいはずです。

 しかし、マンスリーアングラーの私が簡単に魚を手にできたところを見ると、全てを公開してくれたようです。

 経験的に言えば、どんな世界でもトップまで上り詰めるのはこのタイプのような気がします。

 プロ野球のオールスターの場で、ある選手が世界の王貞治に、一本足打法について尋ねました。すると、何でも丁寧に教えてくれたと言います。

 それを見て、逆に凄い自信を感じたと語っていました。

 同じくオールスターの場で、400勝投手の金田正一に、その落差の大きなカーブの投げ方を尋ねると「教えて欲しかったらゼニもってこんかい」と言われたそう。
 
 それはそれでご愛敬ですが。

 プロというのはやはり誰かを幸せにしなければ、その存在価値はありません。

 もう少し言えば、幸せにし続けなければプロを持続することは出来ません。

 この日曜日は、随分幸せにして貰ったので、今後も三原選手を応援したいと思います。

 誰もが世界の王になれる訳ではありませんが、出し惜しみが成長を妨げるのは間違いありません。

 やはり、やるからにはトップを目指すしかありません。

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

算数得意女子‐1577‐

 長居公園は、平日にも関わらず花見客で一杯でした。

 誰もが散りゆく桜を惜しみます。

 桜の旬はほんの一瞬です。

 「北摂のリノベーション」周辺の田んぼも、いつの間にか耕運機が入ったようです。

 こちらは内部解体が終わり、床版の補強が始まりました。

 ようやく口ばしができ上がってきた「住吉区歯科医師会館」

 週初めには現場内覧会を催しました。

 トップライトも形になってきましたが、建設委員会の9割の方が参加下さいました。

 診察の合い間をぬってのことで、嬉しい限り。完成は5月中旬の予定です。

 南大阪の脳神経外科「Uクリニック」も工事スタート。

 建ぺい率80%は、敷地ほぼいっぱい。

 職人技のみせどころなのです。

 事務所内は活気に満ちています。きわめて少人数ですが(笑)

 仕事が終わった頃、めずらしく娘から電話がありました。

 「塾のクラスで1番になった」と。

 春期講習の課題テストとかで、苦手だった算数での一位がよほどうれしかったようです。

 一番上のクラスではありませんが、それでもコツコツ頑張った成果です。

 兄妹とも熱中している卓球ですが、先日、娘と真剣勝負をしました。

 1セット目は11対5で娘の圧勝。

 久し振りとはいえ、そう簡単に子供に負ける訳にはいきません。

 ちなみに私の腕前ですが、温泉卓球レベルなら2番以下になったことはありません。

 リーチの短い娘の弱点をついて、カットしたボールをネット際に落とし続けました。

 勝つためには手段選ばずです。8対8といい勝負でしたが、最後を連取されて私の2連敗。

 生来の負けず嫌いで心底悔しかったのですが、塾の合い間をぬっての週2スクール通いは嘘をつきません。

 随分成長していました。

 頑張り続けるエネルギーの中で大きなウェイトを占めるのが「結果」と「承認」でしょうか。

 1位が結果で、それを誰かが認めてくれることが承認です。この2つがかみ合うと、成長のスパイラルに入って行きます。

 しかし、一番初めの動機は本人から発するしかないので、「好きこそものの上手なれ」だし「得意は好きの近くにある」なのだと思います。

 私、長男、娘とも、残念ながら算数を不得手にしていました。

 建築は理系に分類されていますし、苦手という言葉は嫌いですが、私などは明らかに点数が悪かったので仕方ありません。

 我が家で初めて算数得意女子となり、積年の恨みを晴らしてくれるのか。

 眼鏡も買ったことだし、ここはひと頑張りして貰うしかありません。

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

小さな水路も、やがて大河と変わり海へとそそぐ‐1576‐

 明け方まで降っていた雨が嘘のような快晴になりました。

 子供達も今日から学校です。

 会社近くにある、今川の桜は毎年早咲です。

 季節は早まる一方ですが、何とか桜のある始業式になったようです。

 今川は平野川と名を変えて、城北川に合流します。さらに寝屋川と合流し、大阪城の北で大川に注ぎます。

 反対の言い方をすればこれらを堀として利用するために、大阪城はあの地に築かれました。

 大川の桜も満開でした。

 地下鉄天満橋駅からのアクセスもよく、多くの人が訪れていました。

 大川と谷町筋の交点が天満橋です。

 天満橋の上から西をみれば、下流の中之島を望みます。

 東の上流を見れば、左に大川、右に寝屋川と、その合流点が見えます。

 先程の平野川もここに注ぎ込んでいるのです。

 OBPの高層ビルを背景にして、大阪でも最も美しい桜の名所と言えるでしょう。

 やはり、水辺の桜は美しさもひとしお。

 淡い桜を、緑、青の背景が引き立てます。

 この春だけに限らず、何人ものスタッフの入退社を見てきました。

 まずは私の力量不足を反省しなければなりません。

 その上で、退路のあるなしが、その忍耐強さに大きく影響するのは間違いないと思います。

 しかし、それだけでは説明のつかないことが沢山あるようにも感じます。

 今、目の前にある仕事は、自分の夢と一直線につながっている。

 もしそうでないなら、すぐに仕事、職場を変えればよいと思いますが、おそらく繋がっているはずです。

 小さな水路を見ていると、どこかで消えてなくなりそうですが、最後は大河となって大阪湾にそそぐのです。

 手元にある仕事は、地味で、かつ大変です。

 しかし、確実に夢と繋がっているからこそ、頑張りもきくのです。

 満開の花を咲かせるか、寂しく散りゆくか。

 勿論、満開の花を咲かせるしかありません。

 信じるものは救われる。

 そういうことなのだと思うのです。

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アトリエmの現場日記

鴨も鯉も恋の季節‐1575‐

 昨日、現場を回るルートを考えていると、真ん丸の古墳があるのをみつけました。

 アップでみると「雄略天皇陵」とあります。

 ちらと立ち寄ってきました。

 埼玉県稲荷山古墳で出土した鉄剣の銘にある「ワカタケル大王」は雄略天皇を指すとされます。

 『古事記』『日本書紀』ともに、その御陵が羽曳野の高鷲にあるとされているのです。

 日経新聞を読んでいる方は気付いたと思いますが、朝刊の連載小説「ワカタケル」の主人公その人です。

 5世紀から6世紀に築かれたものとされ、諸説あるようですが、雄略天皇丹比高鷲原陵(たじひのたかわしのはらのみささぎ)として治定されています。

 案内の看板には空撮がありました。

 その特異な形状がよく分かります。

 住宅地に突然大きなお濠が現れ、その真ん中に円墳が浮かぶ姿は壮観です。

 現在の都は東京ですが、この地が間違いなく日本の中心だったことが分かります。

 案内にはこうも記されていました。

 『日本書紀』には「雄略天皇に仕えていた隼人が、悲しみのあまり物も食べずに泣き続け、7日目についに死んでしまったので、その墓を御陵の北に造って葬った」という物語が記されています。

 マップに「隼人塚古墳」とでていたので、北の住宅街を探します。

 これがなかなか見つけられずで……

 近所の人に教えて貰い、ようやくたどり着きました。

 最後の路地は幅90cmくらいでした。

 住宅地にかこまれた小さな墳丘の上に石碑がみえます。

 「忠臣隼人之墓」と読み取れます。

 雄略天皇は強大な権力を持った君主だったとされます。

 その人と比べるのがおかしいのですが、私が亡くなったとして、せめて1日でも泣いてくれる人などいるのかなと思ったりもします。

 人は亡くなった時に本当の価値が分かるとも言います。

 しかし、亡くなった時にはこの世に居ませんから、真の価値を知ることはありません。

 ほっとしたのか、残念なのか……

 寒かった昨日までとはうってかわって、今日は20度くらいあったでしょうか。

 お濠をつがいの鴨が泳いでいました。

 浅瀬の鯉もつがい。

 春は恋の季節でもあります。

 鳥にも、魚にも、人にも。素晴らしい出会いがあるに違いありません。

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毎日がスペシャルで記念日‐1574‐

 新年度のスタートです。

 しかも新元号の発表と、何とも節目節目した月曜日になりました。

 朝から天気が良く、神社に寄りたくなりました。

 新元号のことと、無関係ではないでしょう。

 実際のスタートは5月1日ですがやはり気分一新です。

 本日発売の『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』
「さかたファミリー歯科クリニック」が掲載されました。

 「さかたファミリー歯科クリニック」は、コンセプトも明確で、コストもかなり抑えています。

 手前味噌ですが、もっとメディアへの露出をしてよい作品だと思っています。

 また関目高殿の地域情報サイト「トレジャーキッズたかどの保育園」が紹介されました。

 何かしらの評価を貰えると、やはり嬉しいものです。

 春本番を迎え、草花も一気に芽吹きだします。

 真っ白なユキヤナギが弾けるように咲く様は、春の勢いを最も感じさせるのです。

 真っ白な手帳に書く文字は、いつもより丁寧です。

 中学に上がった時、大学生活が始まった時は、期待に胸を膨らませます。

 しかし、3日坊主、5月病の言葉がある通り、その気持ちを持続することは極めて難しいことです。

 毎日を1年生の気持ちで、また、真っ白な手帳に文字を書くような心構えで生きたなら、素晴らしい結果がでるに違いありません。

 どうすればそうできるのか。

 それが分かっていれば苦労はないのですが、こんなことではないかと思っています。

 自分の未来に期待し、夢を持ち、そして全力で取り組まねばならない環境に身をおく勇気があるか。

 そう考えれば、急に人が辞めてしまうことも、1年生君と2人だけで働くことも、全て私の肥やしになるはずです。

 竹内まりやの歌に「毎日がスペシャル」とありました。 

 真っ白な気持ちで、1日1日を丁寧に生きるしかありません。

 『令和』元年を迎える前に、平成31年がまだ1ヵ月あります。昭和の名作のタイトルも借りれば、毎日がスペシャルで記念日なのです。

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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サヨナライチロー‐1573‐

 イチロー選手が引退しました。

 3月20日、21日と、MLBの開幕戦が日本で行われると聞いたとき、多くの人が想像していたと思います。

 第1戦はテレビ中継の終了に間に合わず。

 春分の日にあった第2戦。試合が始まる頃、「イチロー引退」の一報が流れました。

 何とかリアルタイムで観ておきたいと、急いで家に帰ると、7回の第3打席に間に合いました。

 バットを前にかざし、バット、バックスクリーン、バットと視線を変え、視力を研ぎ澄まします。

 確か、そう説明していたと思います。

 最近は、白いものが目立つようになりました。

 厳しい自己管理で、守備力、走力はまだまだ一級品だと思いますが、打力の衰えは致し方ありません。

 返す返すも、昨年のフロント入りの時間が残念でならないのです。

 この打席は、腰が引けた状態での見逃し三振。

 第4打席は凡打だったようですが、地上波ではこれが最後の雄姿となりました。本人が何より残念だったでしょう。

 世界の王貞治が、リアルタイムで見ておかなくてはと言った引退会見。

 こちらも地上波放送があったのか分かりませんが、翌日のダイジェストを見ました。

 多くのメディアで取り上げられているので、私が触れる必要もないのですが、「元イチロー」のくだりには興味があります。

 今後のことを訊ねられ、こう答えたとあります。

 何になるんだろうね。そもそもカタカナのイチローってどうなるんですかね。「元カタカナのイチロー」みたいになるんですかね。あれ、どうなんだろ。「元イチロー」って変だよね。いやイチローだし、僕。音が一朗だから。書くときどうなるのかな。どうしよっか。何になる。うーん……。でも監督は絶対無理ですよ。絶対がつきますよ。人望がない。本当に。人望がないですよ、僕。

 茶目っ気たっぷりでしたが、イチローというのは、あくまでプロ野球選手であることが前提だと分かります。

 指導者、監督という声も聞こえてきますが、本人が言う通り、避けた方がよいのかもしれません。

 人望がどうとかいうレベルではなく、例えプロとは言え、彼の考え方についてこれる人が25人も集まる可能性は低い気がするのです。

 中田英寿松井秀喜の引退の時も、私なりの感謝の気持ちを綴りました。

 当たり前ですが、スポーツ選手は現役であってこそ、その輝きを放つものです。

 そう考えると「イチロー」はもう居ないのかもしれません。

 一郎が最もイチローであった時の言葉を聞けたことに、心から感謝します。玉のような言葉ばかりで、励みにしてきました。

 最後に、心に残っているものを2つピックアップしてみます。

『イチローの言葉』

 「体がでかいことにそんなに意味はない。僕は見てのとおり、大リーグに入ってしまえば一番ちいちゃい部類。日本では、中間クラスでしたけども、大きな体ではない。そんな体でも、大リーグでこういう記録を作ることができた。これだけは、日本の子供だけではなく、アメリカの子供にも言いたい。

 『自分自身の可能性をつぶさないでほしい』――と。

 あまりにも、大きさに対するあこがれや、強さに対するあこがれが大きすぎて、自分の可能性をつぶしてしまっている人がたくさんいる。そうではなくて、自分自身の持っている能力を生かすこと、それが可能性を広げることにもつながる」

『内野安打』

 先週はじめ、イチローが9年連続200本安打を達成しました。長いMLB(メジャーリーグベースボール)の歴史の中で、誰もがなしえなかった記録です。

 この記録が、アメリカではほとんどで取り上げられていないと伝わってきますが、そんな事はどうでも良い事です。彼が日本人であるだけで、誇らしいのですから。

 その特集番組を録画していました。一昨日それを見て、拳に力が入ると言うか、自分に激を飛ばしました。彼がずば抜けた結果を出すのは、能力は勿論ですが、その考え方から来ていると痛感したのです。

 2004年の年間262安打は世界記録と言って良いでしょう。この記録こそ、イチローが世界一のヒット職人であることを示しています。

 その彼は番組内で言いました。

 「唯一、数字で目標をあげるとすれば、安打数、200本ということになるでしょうか。もし打率を目標にすると、この打席は立ちたくない、向かいたくないと言う場面が必ず来ると思います。しかし、安打数を目標にすれば、そんな気持ちにはならない。打席に向かいたくなる。いつも楽しく野球が出来る」

 彼のヒットのうち、1/4近くが内野安打です。一般的に内野安打とは、投手に打ち取られ、詰まった打球になり、一所懸命走った結果それが安打になったという感じです。

 しかしイチローは、詰まらせてヒットにする技術があると言います。事実、難しい球はそうやってヒットにしているのです。

 ボールを捉える技術、一塁まで掛け抜けるスピード、共にメジャートップレベル。その彼が、誰もがその感覚を嫌う、詰まった当たりの内野安打までも、積極的に狙っていったなら……

 一本でも多く安打を打つのが目的なら、イチローにとっては当たり前の事なのかもしれません。しかし彼は、世界で初めて、本気で内野安打をも狙った一流打者では、と思ったのです。

 そう考えると、年間262安打、9年連続200本安打も、必然のストーリーなのかもしれません。彼はこうも言います。

 「重圧には弱いほうだと思います」

 今年3月にあったWBCの不調を指しての言葉でしたが、それでも最後には結果を出しました。何故この記録が達成できたかという記者の問いに

 「野球が好きだった事と、常に今がベストだと言える状況で、臨んでいる事が僕の強みでしょうか」

 と答えました。

 あらゆる可能性を捨てず、限界まで追求する。これを実行するのは、簡単ではありません。

 5年程前に、MLB経験のある現、楽天の中村紀洋選手がイチローに「セーフティーバントみたいな、せこい事をするな」とメッセージを送っていました。彼の意見も分からなくはありません。しかし、どちらが目的に純粋かは明らかです。

 彼は、常々準備が大切と言います。「ベストの状態で臨んでいる」と発言する事は、「言い訳しない」と言っていると同じことです。彼こそ侍。

 MLBの100年を超える歴史の中で、誰よりも目的に純粋だったのがイチローだったのでは、と思ったのです。

 有難う、そしてサヨナライチロー。

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

私はルパン‐1572‐

 昨日の日曜日は、今年最後のスキーに行こうと思っていました。

 しかし我が家では次々と問題が発生し、USJ行きに変更されました。

 遊びに行っているくらいなので、大した問題ではなかったのですが。

 大阪市に住んでいながら、娘がここを訪れたのは3回目。

 記憶にない赤ん坊の時を除けば2回目です。

 前回は、フライングダイナソーに私が完全ノックアウト。ジェットコースター卒業宣言をさせて貰いました。

 昨日出掛ける予定にしていたのは、兄妹が共に休めるから。

 よって、アトラクションの同伴は全て長男に任せます。

 恐怖のジェットコースターも、2人でかなり盛り上がって帰ってきました。

 脳が偏ってしまうのではないかと心配なくらいGが掛かります。

 できれば辞めて欲しいのですが、ここに来た以上諦める他ありません。

 昼過ぎに到着しましたが、終日気持ちの良い天気でした。

 ハリーポッターエリアと、ミニオンエリアが特に混んでいたでしょうか。

 私は殆ど何も乗らないので、基本は街歩きみたいなものです。

 テーマパークには違いありませんが、床石だったり、石積みの壁だったり、素材にこだわっている点は大変好感が持てます。

 こういったディティールは、その世界観に大きく影響してくるはずです。

 そういったことを口にせずとも、人は敏感に感じ取るものだと思うのです。

 この日の待ち時間一番は、ルパン三世の新アトラクション。

 近く任天堂のエリアもできるそうで、この攻めの姿勢が、絶対王者と思っていた、ディズニーランドの牙城を崩しにかかっているのだと思います。

 遅い時間まで残ったのは初めてでした。

 夜が暖かくなってきたこともあり、それはそれで良いものです。

 パレードも初めてで、お祭り感満載でした。

 本場のアメリカでも開催されるのだと思いますが、発想は祇園祭と全く同じです。

 祭りに洋の東も西もないのでしょう。9時頃家路につきました。

 土曜日の夜、長男はクラブで試合に行っていたのですが「スマホが盗難にあった」と連絡がありました。

 その日は結局見つからずで、遅くに帰ると家の雰囲気が良いはずもありません。

 更に私が雷を落とし、より雰囲気は悪くなり、皆が寝室へ向かました。

 その後「iPhoneで探す」を起動してみると、長男のスマホが試合会場に写っています。

 盗難にあってすぐは、違う場所を示していたそうなので、誰かがまた会場に持ち帰ったのか、はたまた不届きものが人の携帯を持ち歩いているのか。

 夜中の2時でしたが、車を飛ばし会場へ向かいました。

 もし、悪そうな輩がウロウロしていたら、警察に連絡するつもりでしたがそれは見えず。

 ヘッドランプを灯し、付近の草むらなどを探しましたが発見できずでした。おそらく建物の中にあるのだろうと諦め、家に戻ったのです。

 翌朝、長男を早めに起こして再度試合会場へ。

 施設の人を見つけて尋ねると、「届いています」と。無事、長男の手元に戻ってきたのです。

 これがスキーからUSJに変わった顛末でした。

 USJではありませんが、結果を出したければ、手を打ち続けるだけです。

 子供にも「最速で手を打ち続けたら、ほら解決しただろう」と。

 と思っていたら、年始から来てくれていたスタッフが「本日で辞めたい」と。

 勿論尊重するしかないので、受け入れることにしました。

 ルパン三世の劇画レベルのことが日々、普通に起こります。それなら、ルパンのように問題を解決していくしかありません。

 そんなことはできるはずもない。必ずできる。

 それの答えは知りませんが、自分がルパンだと言って聞かせるしかありません。

 ルパン三世のテーマを口ずさみながら、今日も手を打ち続けます。

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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作品に罪は無い‐1571‐

 ヨハネス・フェルメール。

 17世紀のオランダに生まれた、寡作の天才画家という表現で良いでしょう。残された作品は世界で35点前後。

 そのうちの6点がやってくるという「フェルメール展」をのぞいてきました。

 会場の大阪市立美術館は、動物園の中を通っていましたが、現在は開かれた空間となりました。

 天王寺駅から「てんしば」を歩いて5分程。

 混んでいるという話もありましたが、夕方の時間帯はそれほどでもありませんでした。

 初来日の大作『取り持ち女』がフォーカスされていましたが、このパネルに有る通りです。

 やはり、手紙をモチーフとした3作品が圧倒的でした。

 1665年頃の『手紙を書く女』。

 フェルメールが得意とした、画面左から光が差す構図です。

 青、黄色が鮮やかで、椅子の鋲等も極めて緻密に描かれています。

 1669年から70年頃に描かれた『手紙を書く婦人と召使い』。

 彼は1675年に43歳で亡くなっているので、貴婦人が召使に目配せをしている『恋文』と合わせて、晩年の傑作と言ってよいでしょう。

 素人が解説する程野暮なことはありませんが、この時代のオランダには特に興味があります。

 光と影を描かせれば世界一と言ってもよいレンブラント。この展覧会にも2作品展示があったフランス・ハルスは、微妙な笑顔を描かせれば右に出るものはいません。

 前座扱いできるレベルの画家ではありません。

 オランダにはこういった写実主義の系譜が確実に存在します。なぜこの国のこの時代に集中しているのでしょうか。

 寡作だったということは、ほぼ売れなかったことになります。

 歴史に「もし」はありませんが、現在のような情報化社会なら、フェルメールにおいても不遇な画家人生は無かった気がします。それはゴッホにしても同様です。

 素人の私が観ても、明らかに群を抜いているのですから。

 先週、電気グルーヴのピエール滝が薬物の使用で逮捕されました。

 『Shangri-La』は1997年の3月21日の発売。丁度22年前のことです。

 久し振りに聞き直すと、疾走感があり、メロディアスで、刹那的。当時27歳でしたが、その頃の記憶が一気に蘇ってきます。

 教授のニックネームもある坂本龍一ですが、販売を自粛する動きを受けて「音楽に罪はない」とコメントしました。

 マイケル・ジャクソンが少年を虐待したとするドキュメンタリー映画が上映され、マイケルの音楽を流さないというラジオ局もでてきました。

 こういった問題が起った時、事実なら当事者が罪を免れることはありません。

 社会的責任を負う為、もしくは回避する為、製作会社は発売中止、作品の回収などをしますが、私も坂本龍一の論調を支持します。

 作品は、創り手の手を離れ、誰かの手元に届いたとき、誰かの人生の一部になります。

 これを機に、ファンを辞める人もいるだろうし、その作品を手放す人もいると思いますが、それはそれぞれの判断に委ねればよいはずです。

 知る機会を簡単に奪う権利を、製作会社は持ちあわせていないと思うし、そんな仕事をする以上、もっと覚悟が必要な気がします。

 それが発売し続けることなのか、説明することなのか、アーティストを教育することなのかは分かりませんが。

 でないなら、安全に儲かるものだけを売る会社ですと、世間に宣言するべきです。

 オランダでは大麻を認めています。フェルメールがそれを求めたかは分かりませんが、万が一そうだったとしても、その絵の美しさが変わることはありません。

 薬物の使用は、本当に格好悪いことだと思っているので、許容するという気持ちは全くありません。
 
 しかし、あまりにも短絡的で、自分勝手な判断に見えるのは、私も創り手だからでしょうか。

 それでも、やはり作品に罪はないと思うのです。

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