今日は子供の日。
小さい頃は、雲を捕まえてみたいと思ったものです。
僅かに残る薄雲。
勿論掴めるはずはありません。
朝靄の立ち込める池原ダム。
ゴールデンウィークの最後に、娘とやって来ました。
彼女は年に2、3回しか来ませんが、引きが強いのです。
今回の最大サイズを釣りあげました。
他の人なら、素直に喜べるかどうか……
しかし、娘なので楽しいと思ってくれるだけで十分。
自然、美については何度か書きました。
私がよりどころにしているのは、概ね以下の2つの言葉です。
自然は美しいね。なぜだと思う。自らに責任を持っているからだよ。
-前川國男- 建築家
美の源泉は自然にある。自然なら美しいか。
花を雨、日で育てるのも自然。
木を一瞬にして焼き払うのも自然。
自然がなにを目指し何を行わんとするか。
けだし我々人智のよく量りえるところではない。
-北大路魯山人- 書家・陶芸家
魯山人はそう言いますが、やはり考えます。
もし、この世が快晴の日だけなら、晴れが気持ち良いという感情は生まれないかもしれません。
美とは、永久でない、失い得る、そして覚悟に関係があるのではと考えています。
建築の創造を通して、美を探究するなど、まさに雲を掴むような話です。
しかしそのお陰で張りのある毎日があります。
前回に続けて、開高健のことばで終わります。
かくして
魚の命は終わった。
釣り人もやがて死ぬ。
しかし
河は眠らない。
開高健『河は眠らない』
彼の言葉は本当に美しいのです。