先週末、録画していたエリック・クラプトンの番組を観ました。
現在66歳。世界を代表するギタリスト、アーティストと言って良いでしょう。日本で公演があるようです。
1945年生れのクラプトンは、祖父母に育てられます。もの静かで、シャイな少年は、8歳まで祖父母を生みの親だと思っていたそうです。
13歳の時、祖父母はそんな彼にギターをプレゼントします。また、友人に勧められて聴いたブルースにすっかり魅せられ、それをお手本に腕を磨いていきます。
20歳の頃、すでにギターの腕に絶対の自信を持っており、ビートルズのジョージ・ハリスンとも親交がありました。それをきっかけに、ビートルズのアルバムにギタリスととして参加。ギターソロも彼が担当するのです。
ヤードバーズ、クリーム、デレク・アンド・ザ・ドミノスと歴史に名を残すバンドと関わってきましたが、いずれも短い周期で、入脱退、解散を繰り返します。
麻薬中毒、アルコール依存症、そして親友ジョージ・ハリスンの妻、パティ・ボイドに恋いし、後に結婚という、波乱の人生を歩みます。大ヒットした「愛しのレイラ」はパティ・ボイドへの気持ちを歌った曲でした。
その後パティ・ボイドと離婚。イタリア人女性と再婚。男の子が生まれます。その子が4歳の時、マンションから転落死するという悲劇に見舞われるのです。
その時に書いた曲が「ティアーズ・イン・ヘブン」。1992年の作品です。
この曲はアルバム「アンプラグド」にも収録され、アルバムと合わせて、グラミー賞6部門を獲得します。
学生時代、車のCDチェンジャーに、絶えず入れていたアルバムでした。大学3、4年のことです。
その頃、ここに書いたクラプトンの人生を、熱心に、繰り返し話してくれた後輩がいました。後に彼は家業に入り、門戸厄神駅前の「Spoon Cafe」チーフとなります。
そして、1996年のリニューアルオープンの際、設計を私に任せてくれたのです。
今考えれば、本当に申し訳ないのですが、その時は半分くらいしか話を聞いていませんでした。と言うより、彼の思い入れを受け止める許容量を、私が持っていなかったような気がします。
全てをiPodに移行している最中ですが、久し振りに「アンプラグド」のCDを出してきて、ライナーノーツを読みました。
アンプラグドは、コードを抜いたという意味で、電気楽器をなるべく使わない演奏です。MTVの人気プログラムですが、単純で、プリミティブである程、その人自体が伝わって来るのは、一流ミュージシャンも同じです。
先日なくなった、スティーブ・ジョブズとエリック・クラプトンは、目が似ていると感じます。
訳あって、生みの親と別れた2人。辛いことも、傷ついた事もあったでしょうが、それらを自分の人生の、仕事の糧にしています。その憂いを秘めた目が、私は嫌いではありません。
今幸せならそれも幸せ。そうでなければ自分で掴みとるしかないはずです。