ポテイト

 先週の土曜日、クライアントが来所した際にジャガイモを持ってきてくれました。

 自家製なのです。

 本業ではありまませんが、代々農業を営んでいる家系。

 クライアントである若夫婦も田植えと稲刈りの時期は手伝うのです。

 今年も、6月の初旬に無事田植えが終わりました。

 翌週の打合せの時に持ってきてくれたのがこのジャガイモ。前週まで、田んぼに植わっていたのかもしれません。

 細長いのが、メークイン、丸いのが男爵です。

 女性スタッフに聞くと、細長いメークインは煮崩れしにくく、ねっとりとして、カレーやシチュー向き、男爵はホクホクしているが煮崩れしやすく、コロッケやマッシュポテトに向いているそうです。

 ジャガイモの起源はアンデス山脈。16世紀にスペインがヨーロッパに持ち帰ります。コルテスやピサロの時代ですが、寒さに強く、肥料も少なくて済むので、ヨーロッパでの栽培は爆発的に広がりました。

 ジャガイモやトマトなどを南米から持ち帰ったのは大航海時代です。長い航海の間、どうしても新鮮な野菜が足りず、ビタミンCが不足します。その結果、壊血病という病気になり、多くの人が命を落としていました。

 その救世主がジャガイモでした。ジャガイモやサツマイモは加熱しても多くのビタミンCが残るという性質を持っていたのです。

 16世紀のヨーロッパの人口爆発に一役かっていたのもジャガイモ。日本には17世紀初頭に持ち込まれたようですが、江戸時代に起こった度々の飢饉の際にも、重宝されたようです。

 そう考えると、麦、米に加えて、ジャガイモこそが近代人の胃袋を、最も満たしてきた野菜だったと言えるかもしれません。

 こちらのクライアント「農業はあまり好きではないんですが……」と言っていました。

 しかし、奥さんが横から「歳がいったら、絶対するんじゃない?」とも。

 子供達が独立したら、庭先で小さな菜園。その光景は幸せな景色と言えますし、そんな街はとても住みやすいと思うのです。

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