朝起きて窓を開けると、庭木にアゲハチョウが止まっていました。
長男が盛り上がっているのを制し、もう一枚アップで撮ろうした瞬間、フワと飛んで行きました。
長男はむくれていましたが、まじまじと見ると美しい生き物です。
子供の頃、何故あんなに生き物を捕り、飼いたかったがったのでしょう。小さい頃、斜め向かいに住む友達もそうでした。
小学2年生だったか、彼は飼っていたザリガニのお腹に、卵を見つけたのです。そして「産卵には沢山酸素が要る。ストローでブクブクしたらなアカン」と言うのです。
それで、交代々々に日暮れまでブクブクしていました。夕飯時になると、その辺は子供のなので「じゃあ」とそれぞれの家に帰ったのです。
次の日も、学校に行く前にブクブクし、帰ってからもブクブクしていると、小さなザリガニが沸くように孵化し始めたのです。酸素を送ったのか、二酸化炭素を送ったのか分かりませんが、小2にはちょっと感動的な光景でした。
彼は小学3年になる春休みに、閑静な住宅街に引越して行きました。その後も中学くらいまでは、行き来していたのですが、その後疎遠になって行きます。
「亡くなった」と聞いたのが、8年前の今頃。朝起きると眠っているように……だったそうです。「どうしてるんやろうなア」と思いながら、中学を出てから一度も会わずでした。
もう一人、若くして亡くなった友人がいます。あれも7年前の蒸し暑い夜でした。
日本には、チョウを魂の化身とみる風習があります。音も無く飛ぶ様が、儚げで神秘的に感じられたからでしょうか。ほんのたまにです。彼らに「元気にやってる」と言いたくなる時があります。
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