○○○を人間通と謂う‐1133‐

 当事務所は、弟宅の1階にあります。

11 - コピー

 白い外壁にオレンジを使っています。11年前に私が設計しました。

 熟れた柿をイメージしたので、正確には柿色。柿は古来から日本にある果物で、それが街にあっても良いだろうと考えました

 建築は自由なんだという主張と、街が少しでも明るくなればいいと考えていました。

 今日のような冬の雨の日。1人でもそんな事を感じてくれる人が居ると嬉しいのですが。

 昨年、野村克也の「人間通」という本が出版されました。しかし、元祖は谷沢永一です。

 これまでにも、「可愛気」「評判」「狐色」の項をとりあげました。

 裏表紙に1996年 15刷とあるので、買ったのは26歳の頃。18年前のことです。

 いま読むと、撃たれたような衝撃ですが、当時のことは全く覚えていないのです。表紙には、著者の言葉が綴られています。

 40代あるいは50代に至って人生に関する若干の知見を得ました。
そのたびごとに、このような思い至りがもう10年早く脳裡に浮かんでいたら…… (中略) それを早い目に読者へ伝えたいというのが本書執筆の動機でした。

 また、タイトルとなっている「人間通」の項にはこうあります。

 現代および近未来の主要人物(キー・パースン)は特技の人である必要はない。極言するなら人間の器量としては凡人でもよいのだ。世に尽くす誠意と熱情があればそれで十分である。

(中略)

 組織の要となり世の礎となりうるための必要条件はただひとつと言える。それは他人の心がわかることである。ただそれだけである。

 (中略)

 自分が周囲から認められているという手応えを得たときの喜びは何物にも替え難い。他人の気持ちを的確に理解できる人を人間通と謂う。人間通を身近かに見出せることは幸福の最たるものであろう。

 26の時に読んでいながら「教えてあげたい」という筆者の気持ちを感じきれなかった事が痛恨の極み。

 他人の気持ちを的確に理解できる人が人間通なら、程遠い人間だったのです。

 受け入れる勇気を持ちたいと思いますが、そうするには少しの自信も必要だったと今は分かるのですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA