-晴れの国-岡山へ その1

 急遽、旅行に行くことに決めました。

 「静かで情緒ある温泉街→子供が小さいので和室で部屋食→家族風呂有り→高過ぎず、安過ぎず、食事の美味しいところ」

 そんな都合の良いことを考えながら探していると、ピンと来たところがありました。「奥津(おくつ)温泉」という古くからの温泉街のようで、4件しかない宿から『河鹿園(かじかえん)』という旅館に決めました。

 直感を信じて一路「奥津温泉」へ。

 大阪から中国道を西へ1時間半ほど。院庄(いんのしょう)というインターチェンジで降りて、20分くらい北上します。

 道中は先日までの雪があちらこちらに残っていました。

 奥津温泉には期待にたがわぬ、由緒正しき温泉街の風情が残っていました。

 こういう景色に私の旅情はかき立てられるのです。

 宿は木造3階建てで、昭和初期に建てられたそうです。屋根も銅板葺きで緑青が浮いていました。

 画家「棟方志功」は昭和20年代に奥津をたびたび訪れていたようです。先代の主は志功と親交が篤かったそうで、「棟方志功館」なる展示室までありました。

 私たちの部屋は10畳の和室にソファーのある前室付きでした。

 窓のすぐ下は吉井川が流れ、せせらぎの音が聞こえます。宿の名前の通り今でも5月、6月には清流にしか住めないカジカが鳴くそうです。

 温泉も100%掛け流しで、とってもいいお湯でした。「コーセイ」の化粧水は当地の湯の成分を参考にしているらしく、お土産屋さんでも売っていました。

 川沿いの露天風呂は竹の筒からコンコンとお湯が湧き出ています。石で出来た湯船にゆっくりと浸かると、声にならないうめき声を上げます。そして思うのです。これぞ日本の温泉!と。

 食事はボタン鍋などもあったのですが、キジ鍋にしました。滋味あふれる味で出汁が抜群でした。ボリュームも十分。鯉の洗いも新鮮で美味しかったです。

 結果、大満足の温泉宿でした。次は春に行きたいと思っています。その理由のひとつがそのお値段です。この時期の少しお得なプランだったようですが、「1万2600円」なのです。

 翌朝、『河鹿園』を後にして-晴れの国-岡山の旅は続くのですが、また後日ということで・・・・・・。

 後で分かったのですが、この旅館は私の両親が40年程前に新婚旅行で泊まった宿だったのです。聞いて、唖然としました。これが縁というもの・・・・・・。

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