先週末、「長田の家」の1年点検に行ってきました。
竣工は2016年の3月。撮影は6月でした。
コンセプトは「白いダイヤモンド」。
東大阪市の長田は工場地帯です。この街に白いダイヤモンドを浮かび上がらせてみたい。そう思ったのです。
敷地は角地で、トラックの往来が多いことから、1階北側は1mほどセットバックしています。
音対策に加えて、トラックからの見通しも考えてのこと。
道路側の窓は高い位置にきっていますが、これも音対策。十分期待に応えてくれているようです。
南に高い社屋が建つこともあり、中庭型の住宅を提案しました。
玄関前の長い庇は車の乗り降りの際、雨に濡れないよう考えたものでしたす。
クライアントはメーカーの創業家に生まれ、何れは経営者となるでしょう。
同じ街に住居を構えることを指し「働く覚悟」と言いました。
子供さんたちは、いつかお父さん、お母さんの覚悟を感じてくれるでしょうか。
撮影から10ヵ月経っても変わらず美しく、新たに加わった黄緑のソファと座布団がよく合っています。
時計もシンプルなものを探してくれたとのこと。
この家に愛情を注いでもらっているのが伝わってきます。
以前の課題で、2階トイレで水を流すと、近くにある手洗いでウォーターハンマー現象が起こっていました。
封水が引っ張られる現象ですが、これは手洗いに通気弁を付けることで解決しました。
玄関ポーチ前の長い庇には、雨樋をつけようという課題もでました。
いくつか改善点は上がりましたが、基本的にはとても楽しく暮らしていると言ってもらったのです。
最後は、監督によるお掃除講座。
汚れの取り方を、奥さんにレクチャーしてもらいました。
この日、上2人のお子さんは外出中。
一番下の次男君が途中で帰ってきてくれました。
打合せ時は生後数カ月。いつもベビーカーに乗って、来社してくれたものです。
彼がお母さんにおねだりしたのは、元祖ゴーストバスターズ。
もう完全に大人です。
クライアントと3時間は話していたでしょうか。
その中で、一番記憶に残っているのが「なんてったって、はじめてですから」という言葉です。
一生に一度、さらに最も高い買い物を、私達に任せてくれるというその期待と不安。
こうしてクライアントの話を聞いていると、多くの気付きがあります。
webサイトにも「長田の家」をUPしたので良ければご覧ください。
「1年後の感想」も、かなり詳細に書いてもらいました。私が一番笑ったのは、訪れた方の感想です。
芸能人のお家か!
タレントさんの家も設計させて貰いましたし、決して芸能人を馬鹿にするつもりはありません。
芸能人の方の家より、いいものになったのではと勝手に思っているのです。