神様はそんなに冷たいだろうか‐1342‐

 「関西の新年はえべっさんで始まる」ということで、今宮戎へ行ってきました。

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 高校の頃、西宮に住む友人が「えべっさんの本家は西宮だ」と言いました。

 私は、「そんな訳ないやろ。商売の街と言えば大阪やで」と口論したことがあります。

 しかし彼の言うとおり。総本社は西宮神社でした。

 ですが、ロケーションといい、下品な感じといい(失礼!)、私は今宮戎が好きなのです。

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 朝10時頃行ったのですが、言っている間に入場制限がはじまりました。

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 惜しげもなく、紙幣が飛び交う感じがよし。

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 ♪商売繁盛で笹持ってこい♪ ♪年のはじめのえべっさん♪

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 えべっさんが繁盛していなければ、まさか福を授けてくれることはなかろうと。

 笹を売る側もなりふり構わず。この感じがなおよいのです。

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 裏に回って、ドラも叩いてきました。

 えべっさんは耳が遠いので、ドラを鳴らすということ。

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 周辺もまさに書き入れどき。

 これらも全て含めて年始のイベントです。

 しかし、神頼みだけで上手く行くほど商売は甘くありません。

 昨年の大晦日、「ザ・リーダー」という番組に、京セラの名誉会長、稲盛和夫さんが出演していました。

 女性のインタビュアーから、若い人たちの働き方が変わってきていると思うが、稲盛さん世代からご覧になっていかがですか、という質問がありました。

一呼吸おいて、稲盛さんはこう答えました。

 「確かに社会が豊かになってきて、優しくなって、そういう方向に流れていくのは必然かもしれません。

 しかし時代がどう変わろうとも、物事を成し遂げる、素晴らしい人生をおくろうと思えば、楽な方向ではないなと思うんですね。

 やっぱり一生懸命、誠心誠意努力を続けていくという。人知れず、苦労をいとわないで一所懸命努力をする。それは、どの時代でも変わらない真理だと思います。

 今、頑張らすということも禁句ですし、頑張って病気でもしたら何にもならんという風潮が強いですけれども、どんな時代であれ、人生を生きていくには一生懸命でなければいかんのだと思っていますけれども」

 稲盛さんは子供時代に結核を患い、医師を目指します。

 しかし受験に失敗。鹿児島大学の工学部へ進学しました。

 昭和30年。就職先がなかなか見つからず、京都で碍子(がいし-電線などに用いられる絶縁体)を作っている会社を、ようやく先生に紹介してもらったのです。

 経営状態がわるく給料の遅配もあり、同期の4人は皆1年を待たずに辞めてしまいました。

 稲盛さんもはじめは嘆いていましたが、それでは何も変わらないと研究開発に没頭しはじめます。

 それが実を結び、世界で2例目というあるセラミック製品の生成に成功するのです。

 番組内で「人生のターニングポイントは?」という質問もありました。

 「やはり、先生のご紹介で京都にある焼き物を作っている会社にご紹介頂いたことでしょうか」と答えました。

 大学時代には、これから成長産業になるであろう、石油化学などを専門とする高分子化学を専攻していました。

 焼き物、セラミックは全く専門外で、就職が決まってから慌てて、卒業論文のテーマを変えたと聞きました。

 それでも人生のターニングポイントが、その就職だったのです。

 考え方がその人の人生を変える。これは稲盛さんの変わらぬ哲学ですし、この番組でも発言されていました。

 稲盛さんは「神様が哀れにに思うくらい頑張れ」と言います。

 そんな人に手を差し伸べてくれない程、神様は冷たいだろうかと。

 世代によって、時代によって、真理が変わることはないと私も思います。

 神頼みとは、こういったものを指すのだと、示唆してくれたのだと思うのです。

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