子供の頃、親へ名前の文句を言ったことがあります。
「何でこんな名前なん?漢字が女の子みたいやん」と。
親は「お祖父ちゃんが付けてくれた、とってもいい名前なんだ」と説明してくれました。長男の名前を考えるとき、漢字の謂れを調べ、今は祖父に感謝しています。
時代は繰り返されるので、同じように子供から言われました。
「何でこんな名前なん?友達に、ニン『ジン』ってからかわれるやん」と。
「凄く考えて付けた名前で、いい名前なんだ。その意味は……」
んっ。前はスラスラと出てきたのに。
「仁(じん)」は「人と人が出会って初めて湧き上がる、慈しみのこころ。愛情」という意味です。
儒教では、人の常に守る道徳を五常と呼び、その中から選びました。
仁- 孔子の提唱した道徳観念。礼にもとずく自己抑制と、他者への思いやり。
義- 利害をすてて条理にしたがい、人道・公共のためにつくすこと。
礼- 社会の秩序を保つための、生活規範の総称。仁を行動に移したもの。
智- 物事を理解し、是非・善悪を弁別する心の作用。
信- 欺かないこと。言をたがえないこと。まこと。
広辞苑で調べてみると、現代に欠けていないかを省みることになります。
長男はすぐに友達を作ってきます。先週サッカーの合宿で、他校の生徒との相部屋でした。夜中の2時半まで遊んでいたそう。褒められたことか分かりませんが。
非の無い名前などありません。良いところだけみればよいのです。
しかし「名は体を表す」か、とも思います。ことわざの精度に驚かされるのは、40歳を過ぎてからなのかもしれません。