建築家 / 守谷昌紀  一級建築士事務所 アトリエm

architect and associates atelier

○○年後の感想

2011年7月  サロンのある家  Hご夫妻より

1. 家族構成をお願いします。

夫35歳(もうすぐ36歳) 妻 子供2歳半

2. 建物が完成して何年になりましたか?

この夏で丸5年になります。

3. 実際に生活されて(使われて)、良かった点はどこですか?

<ご主人>
まず、マンション等、他人(設計者)が想定した枠ではなく、自分たちで想定して作った枠なので、家(設計者)に合わせる感覚が少ない点。
次に、設計時から関わっているので、家の状況や状態が把握しやすい点。
これは、自分で出来る程度のメンテンスをする際、また不具合が重篤になる前に気づきやすいという点でも利点だと感じている。
最も良かったのは、「自分たちの家」という感覚が根底にあり、家族や環境の変化に合わせて、家に手を入れることが楽しいこと。
例えば、庭を増設したり、屋上をウッドデッキ化したり、、、。
妊娠が判り、毎月、超音波で様子を見て、出産にも立会い、一緒に育ててる、、、。 そんな感覚でしょうか。

<奥様>
たくさん考えてうまれた家は、どこにいても居心地が良いです。 ひとつひとつのものにも、年数を経るごとに、愛着がわきますね。

4. 反対に問題点や、こうしておけば良かったと思う点はどこですか?

<ご主人>
・子ども対策
チャイルドゲートなどをどこに設置するかをあまり考えていなかった。 そのため、設置すべき箇所の強度が足りず、結果としてチャイルドゲートを
設置した部分の壁に穴があいたり、壁がへこんだりした。最初から考えておけば、その箇所の強度を補強しておいてもらえた。
・玄関
他の事柄を優先したので、今でも代替策は思いつかないが、玄関が狭いと感じる。もう、20cmほど、家の奥行きを広げておけば良かった。
・屋上の手すり
アルミ製の手すりが気に入らない。ステンレスか鉄製にしておけばよかった。
・キクイムシの発生
木材にキクイムシの卵が寄生していたことで、キクイムシが発生した。これは、どこに依頼しても起き得ることで、予防法としては、入念に害虫駆除加工をした材木を使うしかない。しかし、その方法も、現時点での業界構造や流通構造からは難しく、実現性は低いらしい。思いつく反省点としては、「害虫が発生する」という想定をし、施工業者と瑕疵担保についての取り決めを明確にしておくくらいか、、?

<奥様>
間取りを大きくとりすぎて、壁面が少ないので、ちょっとした遊び心ある家具を置くことが難しい。
あと、家族が増えた事で、もうすこし収納を多くとれば良かったかな? という点です。

5. 訪れた方々の感想はいかがですか?

<ご主人>
雑貨屋さん、カフェ、等、色々な例えをされる。 当初は、喫茶店と間違って、入ってこようとする人もいた。
何度も訪れる親しい友人にとっては、気兼ねなく訪れることができ、ゆっくり過ごせる雰囲気があるらしい。
これは、入れ物(器)としての家と、妻が選んだ家具や雑貨の親和性がたかく、それが我が家の家族のキャラとも合っている結果だと考えている。

<奥様>
みなさん『かわいい~!ヨーロッパのお家みたい。』  面白いところで、『妖精の住むお家』とも(笑)。

6. 設計の過程、または暮らされて(使われて)、印象に残っていることなどあればお願いします。

<ご主人>
色々あった結果、守谷さんに行き着いた時の安堵感。設計の過程途中の妻の楽しそうな様子。出産祝いにもらったおもちゃの自動車にまたがり、 楽しそうにリビングを駆け抜ける我が子の様子。 友人と一夏をかけて自作した屋上のウッドデッキで、 子どもと一緒にプールで遊ぶ夏の日々。 賃貸マンションに住んでいたときに比べて、その時の様子と感情と情景がセットになり、強く記憶に残っている場面が多い気がします。

<奥様>
とにかくたくさんお話しして、たくさん悩んで出来たという印象です。 ただ、たわいもない話のなかから、伝えたくても上手に伝える事の出来なかったことを、守谷さんに引き出してもらえて 、このお家が完成したのだと思います。
それから、守谷さんのまじめさ、厳しさ、優しさに支えられたのだとも、5年住む中で感じております。

7. その他、ご意見等ありましたら、お願いします。

<ご主人>
 我が家に訪れたことで、友人が守谷さんに依頼をして家を建てました。 その過程も、我が家以上に手間ひまを費やされたようで、友人も納得と満足感のある家が建ったと喜んでいました。 実際に建った家を拝見し、妻と二人で「あ、我が家の時よりも、守谷さんのレベルが上がってる」と、感じました。 でも、それは当然ですよね。 守谷さんが色々な家を見て触れて、実際に建てた分だけ、その経験値が次の家に活かされるわけですから。 そして、何の根拠もない話ですが、守谷さんの所には、守谷さんに依頼すべき人が辿り着いている気がします。 理由や原因は判りませんが、我々自身も含めて、そう感じます。
 実は、最初はこの友人には、あまり積極的に守谷さんをお勧めしませんでした。 一つ目の理由は、友人にとって設計士さんに依頼することが本当に良いのか、判らなかったこと。 二つ目の理由は、施主と設計士さんには相性があって、友人と守谷さんの相性の良さが判らなかったから。
 一つ目の理由について言えば、人によって設計士さんに依頼をして家を建てた方が良い人と、 ハウスメーカーなどに任せた方が良い人、色々といると思います。その点では、友人がどちらか判りませんでした。
 二つ目の理由について言えば、紹介して具体的に進んだものの、途中でトラブルなどがあって、 紹介した者として両者に対して気まずい思いを抱き続けるのが不安だったのも正直なところです。
 しかし、その点を説明してもなお、守谷さんへの興味をお持ちだったのでご紹介し、 結果として当初の不安は全く無駄に終わった訳です。
 我々が守谷さん興味を持ったのは、作品ではなく、 HPに記されていた「好きなもの:海」というプロフィールでした。 そして、お任せすることを決めたのは、会話の中や作業から伝わってくる誠実さでした。 いわば、それだけの理由であり、自分たちの直感に掛けたとも言えます。 しかし、守谷さんに出会うべき方、守谷さんに出会えば、より住み心地の良い家を 手に入れられる方が、常に確実に守谷さんと出会えるかと言えば、必ずしもそうではないでしょうし、 我々のように直感だけで決める方ばかりでもないかと思います。
 守谷さん(施工会社さん含む)と各施主が一緒に作った作品も大事な参考情報だと思います。 しかし、まったく同じモノを建てる訳でない以上、 「出会い→決定→過程(課題発生、課題解決)→結果→その後」の一連を、 守谷さんに任せる価値として評価判断できるようになった方が、我々施主側としてはありがたいと考えます。
 妻は、もう一度、建てたいと言っていますが、 全く別のモノを建てる以外にも子どもが大きくなったり増えたときのリフォームという可能性もあります。 その時には、目も技も肥えた守谷さんと、さらにワガママが増えているであろう我々とで、 楽しくも悩ましい時間を過ごせることを楽しみにしております。

<奥様>
現在のお家には、全く不満はありませんが、できればもう一度、あの楽しいお家作りをしたい!!!
年齢、年数とともに経験値も上がり、環境も変わったわたしたち、そして守谷さんと、いつかまたお家をいっしょにしたいです。